Saturday, September 17, 2005

BGMとか。

高校を卒業して以来、すべての音楽はBGMになってしまった。それを望んでいたという事情もあるのだが、ほんとにそうなった。高校卒業まではあまりにのめりこんでいたので、結局テクニカルなディテールばかりに注意が向いてしまって、音楽を音楽として単純に楽しむという幸せが消え失せていたと思う。

自分でギターを弾いていると、音楽を聴くというより、ついどんなテクニックが導入されているかとか、どんな新しい細工が使われ始めたとか、ミュージシャンのプロフィールなんかにばかりに関心が向いてしまって、結局音楽を楽しめなくなっていた。それに高校生の頃に気がつき始めていたのだが、完全にギターから離れるまでは、そういう状態から抜けきれなかった。

それももう25年以上前の話なので、高校を卒業して数年すると、ギターのことはまったく忘れてしまって、ジャンルとかミュージシャンとかそんなこととは無関係にただふと耳にした音楽で「いいな」と思えば、たまにCDを買う程度のスタンスになっていた。熱狂的に特定のミュージシャンのファンになるということがなくなって、音楽すべてまとめてBGMになったのでした。

そういう姿勢になってからも、時々、「おっ」と思うのがたまに登場することがある。全部は覚えていないけど、すぐに思いつく「おっ組」は、Frankie Goes to Hollywood, Massive Attack, INEXS, Jane's Addiction, Oleta Adamas, Radiohead, 椎名林檎とか。

INXSは登場した時から伝説化が始まるようなバンドだったけど、ヴォーカルが死んでから、ほんとに伝説のバンドになってしまった。彼らも今やいいおじさんだ。

ところが今新しいヴォーカルを入れて、再出発することになった。そのヴォーカル選びを公開でやるテレビ番組が水曜日と木曜日に「Rockstar INXS」というタイトルでやってる。予備選考を通過した15人が毎週いろんな課題曲を歌って、一人ずつ落選していって、最後に一人選ばれて、ホントにINXSのヴォーカルになることになっている。American Idol のロックスター版だ。これがまた、いやはやレベル高いです。INXSに参加しようがしまいが、もうあんたはスターでしょってのがぞろぞろ出てくる。

毎週歌われた曲はすぐにMSN Music でダウンロードできるんだけど、プロを抑えてRockstar INXSが始まってから売り上げトップ10は常に彼らの曲で独占されてるから、すごい。

来週が最後に残った3人の戦いになるんだけど、前半戦のパフォーマンスを集めたCDの予約が始まったので、すぐに予約購入した。

この番組には、INXSが毎回審査員として当然出ているのだけど、それに加えてデイヴ・ナバロが進行役で出ている。ロックファンはたまらんでしょ。デイヴ・ナバロといえば、あのJane's Addiction を立ち上げて、ほとんどギタリストの概念を変えてしまった人だし、その後レッド・ホット・チリ・ペッパーズにある時期参加していた人で、センスの良さでは現役ギタリストの中では飛びぬけているのです、と僕は思う。クラプトンとかジェフ・ベックとかロビー・ロバートソンとか、そして当然ジミヘンとか大御所ももちろんいいと僕は思っているのだけど、そういう人たちとはまったく違う新世代のギタリストの地位を確立した人としてデイヴ・ナバロはすごいと思う。

そういうこととは関係なく、デイヴ・ナヴァロの簡潔で心遣いの行き届いた、しかもカッコイイフレーズ連発のトークに僕は感心した。ああいうコンパクトでスパッと言いたいことを相手を傷つけず伝える英語は、とても勉強になる。そういう人だから、ああいうどセンスのいいギターが弾けるんですかね。関係ないかな。

今日も身体は疲れきってるのに、頭の中はぐちゃぐちゃ、神経が煮えたぎってるようで、なかなか眠れない。ベンザリンを飲んで、Radiohead の"HAIL TO THE THIEF"をBGMにして、ほとんど更新しないブログを書いて、後はSteve Coll の"Ghost Wars"を読みながら、眠くなるのを待つつもり。

"Ghost Wars"はさすがにピューリッツァ賞をとっただけあって、よくできた本です。ろくでもない「9・11もん」を読んで後悔している人にはお勧め。副題は"The Secret History of The CIA, Afghanistan and Bin Laden, From The Soviet Invasion to September 10, 2001" です。「September 10 まで」っというのが粋なところでしょ。ペンギン・ブックスに入っているので、日本の書店でも手に入るかも。きれいな正統派英語なので、日本の大学受験英語の教材にも使えるんじゃないかな。但し、読み出すとなかなか止められない、おもしろい内容なので、勉強どころじゃなくなる可能性もある。

(書いてから、だいぶ日が経ってしまったが、16日と17日の分をアップした。)

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