Saturday, September 10, 2005

もうすぐ選挙、

と言えば、日本では衆院総選挙のことになるだろうけど、
アフガニスタンもそうなのです。
でも、エジプトのことを思い浮かべる人もいるかもしれない。

日本は明日選挙でしょ。特に今回の選挙で何か言いたいわけではないけど、小泉首相が郵政法案否決に激怒して、衆院を解散して約1ヶ月でホントに選挙ができてしまうというのはただ単純にすごいなあと思う。

候補者の準備も大変なんだろうけど、投票用紙を刷ったり、投票所を設営したり、なんかいろいろやることいっぱいでしょ。それが全部一ヶ月で出来てしまうってのがすごいではないか。

アフガニスタンでは史上初の国会開設に向けての下院選挙と州議会(みたいなもの)の選挙が9月18日にあるんだけど、これがもう大変なことになってます。

だいたい字を読めない人が8割くらいいるのだから、投票用紙からして(見たことないけど)、相当工夫しないといけないでしょ。絵とかシンボルで表すっていったって、立候補者は6000人ですからね。6000のシンボルの中から自分が投票したい人のシンボルを探すのって大変じゃないのかな。


字が読めなくても、投票って何することなのか分かるように説明しようと苦労しているポスター。


投票用紙をアフガン全土の3万箇所の投票所に運ぶのも苦しい作業だろうなあ。ロバの背に乗せて運ばざるを得ない山奥とかあるし、一箇所に定住しない遊牧民用の投票所も作らないといけないし、いやはやご苦労さんですよ。

でも、いきなりすごいのは、下院の二百四十九議席中六十八議席が女性に(27%)、十議席が遊牧民に(4%)割り当てられているという、ジェンダー及びマイノリティの考慮です(州議会も25%が女性に割り当てわれている)。形式的には、日本よりもはるかに先進的な議会がアフガニスタンに誕生するでしょう。これで、日本のジェンダーランキングはまた一つ下がるかも。今、ボツワナの下で、150位代だと思う。。

でも、地元メディアの報道は結構笑わしてくれます。立候補者達のインタビューを記事にしたりしてるけど、議会が何をするところか分かっていない候補者、政治家というコンセプトがよくのみこめていない候補者、印刷所にポスター制作を頼みに行き、そこで印刷工の若者に指摘されて、スローガンが必要なことに初めて気づく候補者なんてのが出てくる。ほのぼのしてるし。

治安が悪化しているとかで国連の治安強化ももうヒステリックに近い状態になってるけど(実際、すでに候補者が四人、選挙運営のために働く人が五人、選挙実施を支持する宗教指導者が六人殺されているが)、カルザイ政権をアメリカの傀儡政権だと考える勢力は、カルザイ政権がすることはなんでも妨害してるわけだから、特に選挙に反対してるわけではないでしょ。

いわゆる、ニュータリバンのスポークスマンは早くも、一般人に犠牲者が出るので、選挙の日に投票所は攻撃しない、なんて声明を出して、それに対してアフガン政府が歓迎するコメントを出したりしてる。普通のアフガン人からすれば、アルカイダとアメリカの戦争に巻き込まれてえらい迷惑ってことでは共通してるんだろうけど、そんなこと言うと援助のお金が入ってこなくなると困るしね。

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