Monday, April 14, 2008

Slovenia

という国に初めて来た。
たった二日間の滞在だし、ミーティングばっかりなので、ほとんど何も見れないけど、そこはかとなく好感の持てる国だ。タクシー・ドライバーのちょっとした対応とか、ホテルの従業員の態度とか、レストランのウェートレスの愛想とか、そんな部分で国の印象というのは大幅に変わってしまう。たかがそんな表面的なことで、とも思うが、そもそも好感なんてものはそんなところで左右されるものだし、しょうがない。

Ljubljana(リュブリアナ)という街に泊まっているのだが、とても静かできれいな街だ。建物の概観はコペンハーゲンと共通するものがあるが、道にゴミが散在していない。風のきついコペンハーゲンの街はいつも紙くずが舞っている。日本人の目にはおそろしく汚く見える。久しぶりにゴミくずが舞ってない静かな石畳の街、リュブリアナを見ると、とても新鮮に感じる。

今回の出張中は毎晩レセプションが入っている。毎晩同じようなパーティ料理では飽きてしまう。今晩はレセプションを早めに出て、街の中心部を見に行った。ホテルを出る前に、まさかここに日本料理の店なんてあるかな、と若いホテルマンにきいてみたら、一軒だけある!とうれしそうな答えが返って来た。すぐにお店に電話をして予約を入れて、タクシーを手配をする。そういう動きがすべてテキパキしている。小さいが自分の国が出来た喜び、これからもっと良くしていこうという意欲、そんなものがこの国にはあるように見える。

Sushimama(寿司ママ、と書いてあった)というお店に、たいして期待もせず入った。これが大当たり。最初に出てきたお吸い物がちゃんとした味でまず驚く。次に寿司はネタが豊富でこれにまた驚く。コペンハーゲンは海に囲まれているというのに、どうしてあんなにネタの種類が貧しいのだろうとまた思う。あれだけの経済力があるのだがら、やる気になればどんなネタでも手に入るはずだし、やたらとあちこちに寿司屋があるところを見ればコペンハーゲンの寿司市場は小さくないはずだ。しかし、どこに行っても、マグロ、サーモン、エビ程度のものしかない。勢いというものをまったく感じない国から、こういう若々しい国に来ると、国家の年齢みたいなものを考えてしまう。

スロベニアは今夜が最後だし、次回いつ来るかはまったく分からないので、是非とも本屋をのぞいてみたかったのだが、寿司ママを出ると、もう9時半だった。本屋は開いてないだろうなと思って、石畳の町並みをぶらぶらと歩き始めると、なんと5秒で開いている本屋が見つかった。それほど大きくないが、お店に入った瞬間に、ああここには本好きがいると思った。そういうことを感じる本屋が日本でもめっきり少なくなった。本屋に限らずあらゆるお店が量販店のようになってしまうと店の味がなくなってしまう。

スロベニアの歴史について何か英語で書いたものはないだろうかと聞くと、いかにも知的美人という言葉が似合いそうな黒ブチのメガネをしたおねえさんが、にっこり笑って数冊あるわと言って、さっと立ち上がり、その本の場所まで連れていってくれた。一冊ずつとりあげて、簡単に内容を説明する。素敵だな、この人、メガネの奥の目が意外とセクシーだなんて思いながら聞き流してしまった。説明が終わるとさっと彼女は自分の持ち場に帰っていってしまった。

結局、しばらくその場に立ち尽くし、彼女の紹介してくれた本すべて、それ以外にも数冊とりあげて、中味を比べてみた。全部欲しくなるが、重くなるので三冊だけ選んで買って帰った。

明日はクロアチアに行く。

今日買った本。
The Making of Slovenia, Ljubljana, 2006.
Slovenia 1945 - Memories of Death and Survival After World War II, John Corsellis and Marcus Ferrar, 2005.
S. - A Novel About the Balkans, Slavenka Drakulic, Penguin Books, 2001.

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Sun, 13.04.2008: COPENHAGEN - VIENNA OS 302 1050 1235
Sun, 13.04.2008: VIENNA - LJUBLJANA OS 7037 1340 1430

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