Monday, December 17, 2007

バグダッドはsurreal ね・・・

朝、子ども二人を学校まで連れて行く。家を8時過ぎに出るのだが、まだ外は暗い。後数日で冬至だから、今がもっとも日光の少ない日の数日前ということだ。

どうも身体がだるいのは風邪のせいだけではないようだ。日光の照射する時間が少ないと人間の身体の活動も低調になるのだろう。気分にも影響するらしく、人工日光のようなものを照射してうつ状態になるのを防ぐ機械も健康ショップに売っている、とアメリカ人の夫婦が言っていた。彼らはそれを使って冬を乗り切れたそうだ。               ↑とても朝の登校時の風景には見えない。

また風邪がぶりかえしてきた。鼻水と涙が止まらず、鬱陶しい。早めにオフィスを出て家に向って歩いていると、向こうから歩いてくる女の人と目があった。誰だろう?彼女はすれ違いざまに何か言ったようだが、i-Pod で音楽を聴いていたので、聞こえない。イヤホンをはずして振り向くと、

「私の名前はMですけど、あなたの名前は何ですか?」という教科書のような英語で話しかけてきた。その話しかける時の表情を見て一瞬で思い出した。彼女はかつてイスラマバードの国連やECで仕事していたのだった。最後に会ったのは8年前だ。

そうか、彼女はデンマーク人だったか、何人か考えた記憶がない。当然、最初の質問は「ここで何をしてるの?」だった。仕事してる。「家族は?」。ここにいる。「確か息子さんが一人いたと思うけど」。今は二人いる。「よくできたわねー、そんな生活で」。アハハハ。みたいな話をした後、「ここは閉鎖的な国だから簡単じゃないでしょう、何か困ることがあったら言って。できることあるかもしれないから」と彼女は言う。こういう言葉をデンマーク人から聞くのは初めてじゃない。ある種のデンマーク人は外国人にとってデンマークが住みやすい場所ではないということをかなり意識しているように思える。

立ち話で10年分をすべてカバーするのは無理だ。
私はいろんなところに行っていたわ、あなたもいろんなところに行っていたのをC(共通の友人)から時々聞いていたわ、私はどこにも住んでいないの、ずっと動いてる、年明け早々にインドに行って仕事を探すつもり、でも夏にはまた帰ってくるから、その時にまた会えるかも、バグダッドはsurreal ね、ね、そうだったでしょ・・・、

彼女はほんの15分くらいの間に世界中の話をしようとしているようだった。電話番号を交換して別れた。次会うのはまた10年後くらいの予感がする。家に向って歩きながら、彼女とばったりこの道で出会う偶然の不思議さを考えていた。彼女の顔には10年分の時がちゃんと刻まれていた。同じ街に住んでいた当時より、一瞬のすれ違いで出会い損ねたかもしれない今の方が彼女に親近感を感じた。これも不思議だ。

No comments: