Friday, December 14, 2007

Triage

お金が動くのも人事が動くのも年内は12月15日が最後なので、明日中に動かない仕事は来年に持ち越しになる。というわけで、土壇場の支払いや採用手続きでオフィスには坊主が走り回る喧騒が現れる。が、その一方でオフィスの半分はとっくにクリスマス気分におおわれていたりする。

年内に終えたいと思っていることを全部できるかどうか考えてみると、どうも無理だという結論に達してしまう。結局、To-Do List にあるものを、「年内にできそうなこと」と「年内にはできそうにないこと」に分けて、当面は前者に集中せざるをえなくなる。できそうにないグループには今はとりあえず死んでもらうしかない。

Triage みたいなものだ。ウィキペディアによると、Triage では以下のような分類が使われるそうだ。

黒 (Black Tag) カテゴリー0:死亡、もしくは救命に現況以上の救命資機材・人員を必要とし救命不可能なもの。

赤 (Red Tag) カテゴリーI:生命に関わる重篤な状態で一刻も早い処置が必要で救命の可能性があるもの。

黄 (Yellow Tag) カテゴリーII:今すぐに生命に関わる重篤な状態ではないが、早期に処置が必要なもの。

緑 (Green Tag) カテゴリーIII:救急での搬送の必要がない軽症なもの。

カテゴリーIIとIIIに入るものは、とっくに後回しにしているのだが、カテゴリーOに入ってるものは意外としぶとく生き残る傾向がある。これを早く手放さないと助かる命も助からなくなるから、残っている仕事をカテゴリーO か I に分けて、この1週間は I に専念することにしていたのでした。それでも、カテゴリーII や III や O に属する仕事についてもやんやと催促が来るので、うるさくてしょうがない。もうそれは年内はとりあえず寝てもらうことにしましたとも言えないのが苦しいところだ。

一人で仕事していたら、きっと O から III まですべてやってしまおうとしていただろう。家族といっしょに生活すると、そういう点で歯止めがかかる。子どもを学校まで連れて行ったり、仕事の帰りに晩御飯の買い物をしたり、ゴミを捨てにいったり、子どもの歯磨きをしたり、いろいろとやることも増えて、すべての時間を仕事に使うということは不可能になる。

生活の形態は仕事のやり方に影響を与える。そういうことを理解しない上司に当たったら不幸だろうな。で、たいていの上司というのは、自分の頭で想定された仕事のやり方の外に思考範囲がひろがっていない。つまり、たいていの人は不幸な仕事環境に置かれて、そして自分が上司になると、不幸の再生産にせっせと励むということになる。

上司も部下もない仕事というのは決して楽ではないと思うが、バカに囲まれる悲惨を上回る魅力もあるにちがいない。

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