ワールド・カップは、コロンビアの優勝で終わりましたね。
いや、シャキラのことですけど。
ラテンとアラビアンをミックスして、アメリカン・ポップスで鍛えまくったシャキラが、アフリカンを取り入れて踊ると、もう圧勝するしかないな。フランスとイタリアの負け。コロンビアの勝ち。踊り、ここ(↓)クリックしたらビデオ出てくるはずある。
シャキラ、ワールドカップで踊りまくりのビデオ
頭突きに戻ると、う~む、残念。
悪者になった人のビデオ
悪者にした人のビデオ
Tuesday, July 11, 2006
Sunday, July 09, 2006
That was insane !
ロックの好きなみなさん、8・8(ハチハチと読む)ロック・フェスティバルの夏がやってきました。覚えてますか?誰も知らないかなあ、毎年8月8日に万博公園野外ステージでやっていたんだけど。今より25キロはスリムで、もちろんまだ禿げの入ってない頭に、肩までとどく長髪で床屋にロバート・プラントの写真を持っていって、こんなふうなパーマを当てて欲しいと頼んだら、欧陽菲菲(おーやんふぃふぃ)のような頭にされて、まあアジア人だからしょうがないかと潔く諦めて、ウッドストックを見て以来ジーンズは洗わないものだと信じ込んでずっと洗わなかったジーンズをはいて、足元はロンドンブーツを買うお金がないので、素足にゲタをはいて、高校生の僕は倉庫のバイトの後、自転車に乗っていそいそと万博公園に通ったものでした。今から思えば、70年代まるだしの風景。
いきなり話が横道に入ってしまった。いつか書いたと思うけど、"Rockstar INXS" の第二弾がとうとう始まりました。
ロックの好きなみなさん、Motley Crue のドラマーTommy Lee と、Metallica のベーシストJason Newsted と、Guns N' Roses のギタリストGilby Clarke が、Supernova とかいうバンドを結成し、そのボーカルをど新人から選ぶというドリーム構想なのですが、ロック的にも商売的にもかなりドリーミーになりそうです。Tommy Lee は"Tommy Lee Goes To College" とかいうお笑い系の番組にも出ていて、ロックなんかしらんという人にも有名になってきてるみたいです。あのBaywatch のパメラ・アンダーソンとの交尾受精ビデオがネット上でとびかい、それでパメラもTommy Lee も大ブレークしたようなところもあるし、ロックスターというよりも、バラエティもののスターと化しつつあるので、ここらで本業でもう一度一花咲かせるのか、あるいは殿様キングス系ヘビメタの道を開拓していくのか、ちょっと見ものです。
ロックはすかんが、サッカーは好きだというみなさん、これはサッカーで言えば、ジーコと、ペレと、ベッケンバウアーと、ヨハン・クライフと、ジョージ・ベストと、プラティニと、ストイコヴィッチと、ジダンと、マラドーナと、ネドベドと、ナカタのそれぞれの全盛期が重なるという奇跡が起こって一つのチームを作るようなものです。あれっ?キーパーいないな。というより、たぶんこれではゲームにならないと思うけど、まあ、そんな感じということです。
もちろん、あのJane's Addiction の伝説ギタリスト、Dave Navaro もコーチ役として健在、司会も下着ファッションモデル No.1 とかいうBrooke Burke が続投。いやあ、見て楽しい聞いて楽しい、いい番組だなあ。
Supernova のボーカルに世界中から2万5千人の応募があったらしい。その中から15人にまで絞られたところで番組はスタート。第一回を見ました。
ぶっとびました。すごいのが出てきました。
出演者の半分くらいが歌い終わったところで、なんか顔のあちこちにピアスがある、Dilana という女性が出てきた。これがえらいことになった。Nirvana のLithium をやったのだけど、序盤の抑えたメロディを歌う時の目つきの鋭さでまずぶっとび1。あれくらいの視線の強さがあれば、やなぎさわもゴールを決められただろうにとふと関係ないことを思い出してしまったのが惜しまれる。そして、Lithium の爆発部分で、完全暴発、場内騒然、ぶっとび2。Supernova のメンバーもDave Navaro も呆気に取られて総立ち。なんなんだ、このDilana という女性の爆発ぶりは!Nirvana を完全に超えている。凄・ま・じ・い・な・あ、と僕はテレビ画面を呆然と見ていた。
そして爆唱が終了して、Dave Navaro の第一声が、"That was insane !!!" だった。まったくその通りだと思った。狂気マニアの僕としてはたまらない。彼はIntensity という言葉を使っていたけど、Dilana のパフォーマンスはとてつもないIntesity の塊だった。すごいなあ、日本代表にこのIntensity さえあればと、またしつこく考えてしまい後悔する。これはスポーツじゃない、音楽なんだと下手に言い聞かせようとして、日本の「スター誕生!」にはこんなの出てこなかった、山口百恵とか森昌子とか桜田淳子とかいるんだけど、ちょっと勝てそうにない、なんてことを考えてしまい、さらに後悔増加。
その後は、もうSupernova のボーカルはDilana 以外には考えられない、絶対に雇って欲しい、あの狂気でロックをぶちかまして欲しい、もうオーディション終了!と思って見ていた。
そして、最後にLucas という男が出てきた。すでに挙動からしてちょっとおかしげ。妖気が漂ってる。ほんとにおかしいかも。狂気系かな、でも、見かけがおかしいだけで、話するとただの平凡な男だったなんてことはよくあるしな、とDilana のことで頭がいっぱいであった僕はやや気を抜いていた。
ところが、Billy Idol のRebel Yell をやりはじめたのだけど、ゲッ!こ、こ、これもすごいIntensity ではないか。Supernova の面々も、Dave Navaro もまた身を乗り出している。そして、爆発部分に入って、案の定、完全暴発。
Dave Navaro はまたもや"That was insane !!!" と言って絶賛。Tommy Lee は一言「ロックを救ってくれるか?」と言って、もう何も言うことはない、まいったというそぶりでマイクをテーブルの上に投げ出し、コップに当たってガシャンとコップが割れた。
この二人のパフォーマンスで久しぶりにロックを聴いた・見た気がする。Dilana とLucas、要注意だ。Supernova のボーカルに選ばれようがどうしようが永遠にロックやってて欲しい。僕が大富豪ならメジチ家のようにロッカーのパトロンになるのになあ。金儲けに鋭意努力してこなかったのが惜しまれる。
ただ単に音楽的に見て、将来性があるというか、音楽業界で生き残って欲しいと思ったのは、Josh Logan という男だった。"She Talks To Angels"(The Black Crowes) をものすごく味わい深くうたっていた。でも、Supernova のボーカルには合わないだろう。一人でやっていって欲しいと思う。
可愛い子ちゃん系もジャニーズ系もいたけど、もう忘れた。
Dilana のパファーマンスがもう一度見たくて、インターネットでまた何度も見た。やはり凄い。翌日は一人目の脱落者決定戦で、Supernova は、まずその前にDilana にアンコールを頼んだ。やっぱりなあ、彼らももう一度見たかったのだ、よく分かります、その気持ち。
脱落者決定戦というのは、前日のパフォーマンスの後、視聴者の投票があって、最下位の三人が翌日もう一度やって、その中から脱落者一人をSupernova が選ぶという仕組みです。こうやって毎週一人ずつ消えていく。
で、脱落したのは不動産会社に6年間勤めていたとかいうジャニーズ系。前日、やわい曲をやって、選曲が大事だ、みんなよく考えるようにとSupernova さんに言われていたのに、脱落決定戦で選んだのが、デュラン・デュラン。刺青まみれのロックスターたちはぽかんとした顔して見ていた。かったるいなあ、早く消えてくれと思っていたら、ほんとに脱落しやがった。歌がうまいだけでロックやるな、と思ったら、サッカーうまいだけで・・・と、なんかまた日本代表思い出しそうになるので、考えないことにした。今夜は決勝かあ。
ロックの好きなみなさん、ここ(↓)で出演者のパフォーマンス見れますよ。
http://rockstar.msn.com/
いきなり話が横道に入ってしまった。いつか書いたと思うけど、"Rockstar INXS" の第二弾がとうとう始まりました。
ロックの好きなみなさん、Motley Crue のドラマーTommy Lee と、Metallica のベーシストJason Newsted と、Guns N' Roses のギタリストGilby Clarke が、Supernova とかいうバンドを結成し、そのボーカルをど新人から選ぶというドリーム構想なのですが、ロック的にも商売的にもかなりドリーミーになりそうです。Tommy Lee は"Tommy Lee Goes To College" とかいうお笑い系の番組にも出ていて、ロックなんかしらんという人にも有名になってきてるみたいです。あのBaywatch のパメラ・アンダーソンとの交尾受精ビデオがネット上でとびかい、それでパメラもTommy Lee も大ブレークしたようなところもあるし、ロックスターというよりも、バラエティもののスターと化しつつあるので、ここらで本業でもう一度一花咲かせるのか、あるいは殿様キングス系ヘビメタの道を開拓していくのか、ちょっと見ものです。
ロックはすかんが、サッカーは好きだというみなさん、これはサッカーで言えば、ジーコと、ペレと、ベッケンバウアーと、ヨハン・クライフと、ジョージ・ベストと、プラティニと、ストイコヴィッチと、ジダンと、マラドーナと、ネドベドと、ナカタのそれぞれの全盛期が重なるという奇跡が起こって一つのチームを作るようなものです。あれっ?キーパーいないな。というより、たぶんこれではゲームにならないと思うけど、まあ、そんな感じということです。
もちろん、あのJane's Addiction の伝説ギタリスト、Dave Navaro もコーチ役として健在、司会も下着ファッションモデル No.1 とかいうBrooke Burke が続投。いやあ、見て楽しい聞いて楽しい、いい番組だなあ。
Supernova のボーカルに世界中から2万5千人の応募があったらしい。その中から15人にまで絞られたところで番組はスタート。第一回を見ました。
ぶっとびました。すごいのが出てきました。
出演者の半分くらいが歌い終わったところで、なんか顔のあちこちにピアスがある、Dilana という女性が出てきた。これがえらいことになった。Nirvana のLithium をやったのだけど、序盤の抑えたメロディを歌う時の目つきの鋭さでまずぶっとび1。あれくらいの視線の強さがあれば、やなぎさわもゴールを決められただろうにとふと関係ないことを思い出してしまったのが惜しまれる。そして、Lithium の爆発部分で、完全暴発、場内騒然、ぶっとび2。Supernova のメンバーもDave Navaro も呆気に取られて総立ち。なんなんだ、このDilana という女性の爆発ぶりは!Nirvana を完全に超えている。凄・ま・じ・い・な・あ、と僕はテレビ画面を呆然と見ていた。
そして爆唱が終了して、Dave Navaro の第一声が、"That was insane !!!" だった。まったくその通りだと思った。狂気マニアの僕としてはたまらない。彼はIntensity という言葉を使っていたけど、Dilana のパフォーマンスはとてつもないIntesity の塊だった。すごいなあ、日本代表にこのIntensity さえあればと、またしつこく考えてしまい後悔する。これはスポーツじゃない、音楽なんだと下手に言い聞かせようとして、日本の「スター誕生!」にはこんなの出てこなかった、山口百恵とか森昌子とか桜田淳子とかいるんだけど、ちょっと勝てそうにない、なんてことを考えてしまい、さらに後悔増加。
その後は、もうSupernova のボーカルはDilana 以外には考えられない、絶対に雇って欲しい、あの狂気でロックをぶちかまして欲しい、もうオーディション終了!と思って見ていた。
そして、最後にLucas という男が出てきた。すでに挙動からしてちょっとおかしげ。妖気が漂ってる。ほんとにおかしいかも。狂気系かな、でも、見かけがおかしいだけで、話するとただの平凡な男だったなんてことはよくあるしな、とDilana のことで頭がいっぱいであった僕はやや気を抜いていた。
ところが、Billy Idol のRebel Yell をやりはじめたのだけど、ゲッ!こ、こ、これもすごいIntensity ではないか。Supernova の面々も、Dave Navaro もまた身を乗り出している。そして、爆発部分に入って、案の定、完全暴発。
Dave Navaro はまたもや"That was insane !!!" と言って絶賛。Tommy Lee は一言「ロックを救ってくれるか?」と言って、もう何も言うことはない、まいったというそぶりでマイクをテーブルの上に投げ出し、コップに当たってガシャンとコップが割れた。
この二人のパフォーマンスで久しぶりにロックを聴いた・見た気がする。Dilana とLucas、要注意だ。Supernova のボーカルに選ばれようがどうしようが永遠にロックやってて欲しい。僕が大富豪ならメジチ家のようにロッカーのパトロンになるのになあ。金儲けに鋭意努力してこなかったのが惜しまれる。
ただ単に音楽的に見て、将来性があるというか、音楽業界で生き残って欲しいと思ったのは、Josh Logan という男だった。"She Talks To Angels"(The Black Crowes) をものすごく味わい深くうたっていた。でも、Supernova のボーカルには合わないだろう。一人でやっていって欲しいと思う。
可愛い子ちゃん系もジャニーズ系もいたけど、もう忘れた。
Dilana のパファーマンスがもう一度見たくて、インターネットでまた何度も見た。やはり凄い。翌日は一人目の脱落者決定戦で、Supernova は、まずその前にDilana にアンコールを頼んだ。やっぱりなあ、彼らももう一度見たかったのだ、よく分かります、その気持ち。
脱落者決定戦というのは、前日のパフォーマンスの後、視聴者の投票があって、最下位の三人が翌日もう一度やって、その中から脱落者一人をSupernova が選ぶという仕組みです。こうやって毎週一人ずつ消えていく。
で、脱落したのは不動産会社に6年間勤めていたとかいうジャニーズ系。前日、やわい曲をやって、選曲が大事だ、みんなよく考えるようにとSupernova さんに言われていたのに、脱落決定戦で選んだのが、デュラン・デュラン。刺青まみれのロックスターたちはぽかんとした顔して見ていた。かったるいなあ、早く消えてくれと思っていたら、ほんとに脱落しやがった。歌がうまいだけでロックやるな、と思ったら、サッカーうまいだけで・・・と、なんかまた日本代表思い出しそうになるので、考えないことにした。今夜は決勝かあ。
ロックの好きなみなさん、ここ(↓)で出演者のパフォーマンス見れますよ。
http://rockstar.msn.com/
Friday, July 07, 2006
ノーコメント
No Comment という番組、というか、時間帯が、EuroNews にあるのだけど、これがうるさくなくて僕はかなり気に入ってよくつけっぱなしにしている。うるさくないと言っても、音はちゃんと画面から出てくる。ただ、解説とか音楽とかそんなものが一切入っていないだけで、どこかに備え付けたカメラが回りっぱなしで、その映像とそこの音が延々と流れている。
例えば、バグダッドの街角にカメラはあって、普通に街の通りを行きかう人々や普通に商いを行っているお店の様子などがずーっと流れていたりする。テレビ慣れしている人間にとっては、こんなもの延々と流していていいのかって思う。こういうのはニュース番組を作る時は、きっと編集されてしまって永久に日の目を見ない映像なのだろう。
バーンッ!という音が突如入って、その音の方向にカメラがゆっくり動くと、そこにもくもくと黒い煙が立ち上がるなんてことも時にはある。そして、普通に歩いていた人たちが一斉に何やら喚きたてながら走り回り始める。普通の顔が怒りや嘆きの表情に突然変わる瞬間が、No Commentを通して伝わってくる。
とてもリアルだと思う。
普通のニュース番組に使われているのは、このバーンッ!という音の後の、その局部の映像、ニュース編集者がここがツボだっ!と思って切り取った瞬間なのだろうし、その選択というか編集はとても正確なのだろうと思うけど、結果的にはツボをまとめて10個も20個も毎日見ていると、もう頭の中はツボだらけで、ツボがツボでなくなってしまっている。
爆弾で吹っ飛んだ建物や自動車はもちろん、血まみれの死体さえも、ツボ百万個のうちの一つになって、のっぺりとした白紙の一部になっているのだ。見る方の感覚が鈍っていると言われたら否定はしないけど、見せる方の感覚の鈍り方も負けず劣らず凄まじいのではないかと思う。そこへ、しかめっ面をして、悲惨コトデス、許サレルベキコトデハアリマセン、なんてコメントをしている顔がぬーっとテレビに出てきた日には、へそ曲がりのひねくれ坊主でなくても、ウソ臭く思ってしまうのは、「ツボだけ見せまくり→ツボ消滅」感を持っているからだろうと思う。そういう感覚を持たないコメント業にはまっているエライ人たちのこの圧倒的な鈍重さ、あるいは持っていてもそれを押さえ込んで、あえて人前で悲惨がってみせる厚顔無恥、悲惨が悲惨として見えなくなる悲惨さの感覚の欠如、それが「常識」とか「社会通念」を形成しているとしたら、もうスターリンもサダム・フセインもぶっとぶしかない圧制ではないか。普通の感覚をもって生まれてきた人たちが毎日、毎日、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、って言われ続けたら、よくは知らないけど、ニートやらヒキコモリやらなんやら新しい部族を作るしかないではないか。
No Comment には凄い力があると思う。ツボがツボであったことをもう一度認識させる道具立てとして機能している。但し、1時間熱中して見ていてもツボもなんにもないかもしれない。日常をただ映している映像なのだから。それでも、その後で見る伝統的ツボだけニュースの衝撃度が高まるという効果があります。今はデジタルのテレビチャンネルをかなり安く作ることができるらしいから、誰か日本でこのNo Comment のパクリ版をやって欲しい。
ところで、書こうと思っていたのはこういうことではなかった。先週、日本にほんの少し帰った時読んだ日本の新聞に、イラクの自衛隊の取材が難しいという記者の話が載っていて、ふと思いだしたのが、何ヶ月か前に見たNo Comment の映像だった。
テレビ画面には、何やら怒った顔した、でも普通のイラク人が大人も子供も含めて大勢映っていて、外国の軍用車らしきものに向かってワーワー言いながら石を投げていた。特に珍しくもなんともない映像なので、僕はその画面をチラチラ見ながら、ベッドの上でPCをひざの上においてメールの返信を書いたり、次の原稿のメモを作ったり、資料をスクロールしてみたり、わけの分からないジョークを一人で言って一人で受けているDJのラジオを聴きながら、ちらちらと積読本を開いたり閉じたり、鼻くそをほじくろうと思ってうっかり火のついたタバコを鼻の穴に突っ込みそうになったり、コカコーラを飲むつもりで灰皿を持ち上げていたり、携帯メールに返信したり、まったく何一つ集中しない、いつもの状態にあった。
そして、何度目かのチラッで、あれ?うん?日の丸?と気づき、僕は他のすべての動作を一時中断し、しばらくその映像を眺めることにしたのでした。石を投げられている軍隊は自衛隊だった。僕は何故かホホーッと思ったものの、もちろん解説も何もないので、何が起こったのかは全然分からない。何か特別の事件でもあったのだろうか?それとも一般的な不満が積もり積もって、今、噴出中ということなのだろうか。明日インターネットで調べてみようと思っているうちに、No Comment の映像は別のものに変わった。
イラクにいる外国軍に対して一般イラク人が石を投げるなんて話はもう珍しくもなんともないし、自衛隊も外国軍の一つなのだから、別に大きなニュースでもないんだろうなと思って、インターネットで調べるのも忘れて、この映像そのものをもうその日限り忘れていた。
それを突然、イラクの自衛隊取材がいかに難しかったかを書く記事を読んで思い出した。そして、ふと、あの石投げられ状態の自衛隊は日本に伝わっていたのだろうかと思い始めたら、どうもこれが気になってしかたない。自衛隊はよくやったとか、歓迎されたとか、自衛隊の国際貢献をたたえる記事はちらちらと見たけど、どこの国でも自国の軍隊が海外に出て行けば普通はそうやって称えるものだし、実際何がどうであろうとそういう記事はあって当たり前だろうと思う。しかし、まさか日本の総人口よりも多い範囲で放映されているような、しかも日本が登場するようなニュースがいくらなんでも当の日本でまったく報道されてないなんてことがあるだろうか、と思いつつも、ひょっとしてという疑念が消えず、今に至っていたのでした。どうだったんでしょう?
もし、日本人だけがまったく知らないとしたら、これは非常にまぬけなことになるのではないだろうか。世界中の人が共有知識としていて、日本人だけが知らないなんてことはこれに限ったことではないと言えば、まあそれまでだけど、コメントにあったような「世界の動向にすら乗ることができていないのではないか」とか、「歴史を創っていくことができないんじゃないか」という疑惑にはまったく同感で、他の人たちと状況認識が共有できてなければ、世界も歴史もへったくれもないというか、もう話にも何にもならないと思うのだけど、もしこういうニュースが日本だけで報道されないとすれば、日本は自分で自分の首を絞めるようなことをやっているように思えてしかたない。ま、まさかそんなことはないでしょう。えっ?えっ?ど、どうよ?
(ところで、excite に不満が一箇所あって、あちらこちらうろついた後にたどり着いたblogger なのだけど、どうもblogger の反応が遅いので、しばらく両方をアップデートして様子を見ることにした。)
例えば、バグダッドの街角にカメラはあって、普通に街の通りを行きかう人々や普通に商いを行っているお店の様子などがずーっと流れていたりする。テレビ慣れしている人間にとっては、こんなもの延々と流していていいのかって思う。こういうのはニュース番組を作る時は、きっと編集されてしまって永久に日の目を見ない映像なのだろう。
バーンッ!という音が突如入って、その音の方向にカメラがゆっくり動くと、そこにもくもくと黒い煙が立ち上がるなんてことも時にはある。そして、普通に歩いていた人たちが一斉に何やら喚きたてながら走り回り始める。普通の顔が怒りや嘆きの表情に突然変わる瞬間が、No Commentを通して伝わってくる。
とてもリアルだと思う。
普通のニュース番組に使われているのは、このバーンッ!という音の後の、その局部の映像、ニュース編集者がここがツボだっ!と思って切り取った瞬間なのだろうし、その選択というか編集はとても正確なのだろうと思うけど、結果的にはツボをまとめて10個も20個も毎日見ていると、もう頭の中はツボだらけで、ツボがツボでなくなってしまっている。
爆弾で吹っ飛んだ建物や自動車はもちろん、血まみれの死体さえも、ツボ百万個のうちの一つになって、のっぺりとした白紙の一部になっているのだ。見る方の感覚が鈍っていると言われたら否定はしないけど、見せる方の感覚の鈍り方も負けず劣らず凄まじいのではないかと思う。そこへ、しかめっ面をして、悲惨コトデス、許サレルベキコトデハアリマセン、なんてコメントをしている顔がぬーっとテレビに出てきた日には、へそ曲がりのひねくれ坊主でなくても、ウソ臭く思ってしまうのは、「ツボだけ見せまくり→ツボ消滅」感を持っているからだろうと思う。そういう感覚を持たないコメント業にはまっているエライ人たちのこの圧倒的な鈍重さ、あるいは持っていてもそれを押さえ込んで、あえて人前で悲惨がってみせる厚顔無恥、悲惨が悲惨として見えなくなる悲惨さの感覚の欠如、それが「常識」とか「社会通念」を形成しているとしたら、もうスターリンもサダム・フセインもぶっとぶしかない圧制ではないか。普通の感覚をもって生まれてきた人たちが毎日、毎日、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、それはちがう、って言われ続けたら、よくは知らないけど、ニートやらヒキコモリやらなんやら新しい部族を作るしかないではないか。
No Comment には凄い力があると思う。ツボがツボであったことをもう一度認識させる道具立てとして機能している。但し、1時間熱中して見ていてもツボもなんにもないかもしれない。日常をただ映している映像なのだから。それでも、その後で見る伝統的ツボだけニュースの衝撃度が高まるという効果があります。今はデジタルのテレビチャンネルをかなり安く作ることができるらしいから、誰か日本でこのNo Comment のパクリ版をやって欲しい。
ところで、書こうと思っていたのはこういうことではなかった。先週、日本にほんの少し帰った時読んだ日本の新聞に、イラクの自衛隊の取材が難しいという記者の話が載っていて、ふと思いだしたのが、何ヶ月か前に見たNo Comment の映像だった。
テレビ画面には、何やら怒った顔した、でも普通のイラク人が大人も子供も含めて大勢映っていて、外国の軍用車らしきものに向かってワーワー言いながら石を投げていた。特に珍しくもなんともない映像なので、僕はその画面をチラチラ見ながら、ベッドの上でPCをひざの上においてメールの返信を書いたり、次の原稿のメモを作ったり、資料をスクロールしてみたり、わけの分からないジョークを一人で言って一人で受けているDJのラジオを聴きながら、ちらちらと積読本を開いたり閉じたり、鼻くそをほじくろうと思ってうっかり火のついたタバコを鼻の穴に突っ込みそうになったり、コカコーラを飲むつもりで灰皿を持ち上げていたり、携帯メールに返信したり、まったく何一つ集中しない、いつもの状態にあった。
そして、何度目かのチラッで、あれ?うん?日の丸?と気づき、僕は他のすべての動作を一時中断し、しばらくその映像を眺めることにしたのでした。石を投げられている軍隊は自衛隊だった。僕は何故かホホーッと思ったものの、もちろん解説も何もないので、何が起こったのかは全然分からない。何か特別の事件でもあったのだろうか?それとも一般的な不満が積もり積もって、今、噴出中ということなのだろうか。明日インターネットで調べてみようと思っているうちに、No Comment の映像は別のものに変わった。
イラクにいる外国軍に対して一般イラク人が石を投げるなんて話はもう珍しくもなんともないし、自衛隊も外国軍の一つなのだから、別に大きなニュースでもないんだろうなと思って、インターネットで調べるのも忘れて、この映像そのものをもうその日限り忘れていた。
それを突然、イラクの自衛隊取材がいかに難しかったかを書く記事を読んで思い出した。そして、ふと、あの石投げられ状態の自衛隊は日本に伝わっていたのだろうかと思い始めたら、どうもこれが気になってしかたない。自衛隊はよくやったとか、歓迎されたとか、自衛隊の国際貢献をたたえる記事はちらちらと見たけど、どこの国でも自国の軍隊が海外に出て行けば普通はそうやって称えるものだし、実際何がどうであろうとそういう記事はあって当たり前だろうと思う。しかし、まさか日本の総人口よりも多い範囲で放映されているような、しかも日本が登場するようなニュースがいくらなんでも当の日本でまったく報道されてないなんてことがあるだろうか、と思いつつも、ひょっとしてという疑念が消えず、今に至っていたのでした。どうだったんでしょう?
もし、日本人だけがまったく知らないとしたら、これは非常にまぬけなことになるのではないだろうか。世界中の人が共有知識としていて、日本人だけが知らないなんてことはこれに限ったことではないと言えば、まあそれまでだけど、コメントにあったような「世界の動向にすら乗ることができていないのではないか」とか、「歴史を創っていくことができないんじゃないか」という疑惑にはまったく同感で、他の人たちと状況認識が共有できてなければ、世界も歴史もへったくれもないというか、もう話にも何にもならないと思うのだけど、もしこういうニュースが日本だけで報道されないとすれば、日本は自分で自分の首を絞めるようなことをやっているように思えてしかたない。ま、まさかそんなことはないでしょう。えっ?えっ?ど、どうよ?
(ところで、excite に不満が一箇所あって、あちらこちらうろついた後にたどり着いたblogger なのだけど、どうもblogger の反応が遅いので、しばらく両方をアップデートして様子を見ることにした。)
Thursday, July 06, 2006
引越し決行!
このたび一身上の都合でyoshilogをここ(↓)に引越しすることにしました。
http://yoshilog.blogspot.com/
過去のを全部移そうかと思ったが、どうやったら簡単にできるのか分からないので、ここはしばらくそのまま放置しておきます。
http://yoshilog.blogspot.com/
過去のを全部移そうかと思ったが、どうやったら簡単にできるのか分からないので、ここはしばらくそのまま放置しておきます。
Wednesday, July 05, 2006
日本代表には“酢”が足りない!?
ワールドカップ関連のニュースで一番おもしかったのは、これかも。
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ミツカン「酢の消費量とサッカーの強さに相関関係」【ライブドア・ニュース 07月03日】- サッカー日本代表、ワールドカップ1次リーグ敗退は“酢”が足りなかったから――。ミツカン(愛知県半田市、中埜又左エ門社長)が、同社のプレスリリースの「号外」で、こんな分析を発表した。
家庭用の酢の消費量が多い上位8カ国のうち5カ国が、2006FIFAワールドカップ ドイツ大会でベスト8に残ったという。同社はワールドカップ開催前の5月31日、「プレー酢タイル分析」と題して、各国でよく使われる酢の特徴をもとに、それぞれのプレースタイルを紹介。その上で、“酢の消費量が多い国はサッカーも強い”という仮説を立て、ワールドカップの順位を予想した。
ミツカンは、1人あたりの年間消費量が1.91リットルと最も多いドイツと、同1.84リットルでそれに次ぐアルゼンチンが決勝戦を戦うと予想し、6月30日に「号外」を出した時点で、このカードが「事実上の決勝戦といえる」としていた。日本時間1日未明に行われた両国の対戦では、酢の消費量ランキング1位のドイツが延長戦の上、2位のアルゼンチンにPK戦で競り勝った。
一方で、日本代表の戦いぶりについては「後半戦残り5分の得失点差は出場国全32チーム中で最下位。最後まで力を出し切れないスタミナ不足が敗因」と分析。同社によると、日本の酢の消費量は、1人あたり年間0.64リットルで、ドイツに比べ同1.27リットル少ないという。
準決勝まで残っているのはドイツ(消費量1位)、フランス(同3位)、イタリア(同7位)、ポルトガル(同9位)の4カ国。果たして、ミツカンの仮説は最後まで当たるのか?【了】
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個人的にはポルトガルを応援してるので、酢は関係ないことを願ってます。
と書いて一夜明けたら、ポルトガルは負けていた。酢的には3位と7位の決勝になったわけだけど、この場合、ミツカン理論はかなり当たるというべきか、あんまり当たらないというべきか。
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ミツカン「酢の消費量とサッカーの強さに相関関係」【ライブドア・ニュース 07月03日】- サッカー日本代表、ワールドカップ1次リーグ敗退は“酢”が足りなかったから――。ミツカン(愛知県半田市、中埜又左エ門社長)が、同社のプレスリリースの「号外」で、こんな分析を発表した。
家庭用の酢の消費量が多い上位8カ国のうち5カ国が、2006FIFAワールドカップ ドイツ大会でベスト8に残ったという。同社はワールドカップ開催前の5月31日、「プレー酢タイル分析」と題して、各国でよく使われる酢の特徴をもとに、それぞれのプレースタイルを紹介。その上で、“酢の消費量が多い国はサッカーも強い”という仮説を立て、ワールドカップの順位を予想した。
ミツカンは、1人あたりの年間消費量が1.91リットルと最も多いドイツと、同1.84リットルでそれに次ぐアルゼンチンが決勝戦を戦うと予想し、6月30日に「号外」を出した時点で、このカードが「事実上の決勝戦といえる」としていた。日本時間1日未明に行われた両国の対戦では、酢の消費量ランキング1位のドイツが延長戦の上、2位のアルゼンチンにPK戦で競り勝った。
一方で、日本代表の戦いぶりについては「後半戦残り5分の得失点差は出場国全32チーム中で最下位。最後まで力を出し切れないスタミナ不足が敗因」と分析。同社によると、日本の酢の消費量は、1人あたり年間0.64リットルで、ドイツに比べ同1.27リットル少ないという。
準決勝まで残っているのはドイツ(消費量1位)、フランス(同3位)、イタリア(同7位)、ポルトガル(同9位)の4カ国。果たして、ミツカンの仮説は最後まで当たるのか?【了】
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個人的にはポルトガルを応援してるので、酢は関係ないことを願ってます。
と書いて一夜明けたら、ポルトガルは負けていた。酢的には3位と7位の決勝になったわけだけど、この場合、ミツカン理論はかなり当たるというべきか、あんまり当たらないというべきか。
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