Sunday, July 09, 2006

That was insane !

ロックの好きなみなさん、8・8(ハチハチと読む)ロック・フェスティバルの夏がやってきました。覚えてますか?誰も知らないかなあ、毎年8月8日に万博公園野外ステージでやっていたんだけど。今より25キロはスリムで、もちろんまだ禿げの入ってない頭に、肩までとどく長髪で床屋にロバート・プラントの写真を持っていって、こんなふうなパーマを当てて欲しいと頼んだら、欧陽菲菲(おーやんふぃふぃ)のような頭にされて、まあアジア人だからしょうがないかと潔く諦めて、ウッドストックを見て以来ジーンズは洗わないものだと信じ込んでずっと洗わなかったジーンズをはいて、足元はロンドンブーツを買うお金がないので、素足にゲタをはいて、高校生の僕は倉庫のバイトの後、自転車に乗っていそいそと万博公園に通ったものでした。今から思えば、70年代まるだしの風景。

いきなり話が横道に入ってしまった。いつか書いたと思うけど、"Rockstar INXS" の第二弾がとうとう始まりました。

ロックの好きなみなさん、Motley Crue のドラマーTommy Lee と、Metallica のベーシストJason Newsted と、Guns N' Roses のギタリストGilby Clarke が、Supernova とかいうバンドを結成し、そのボーカルをど新人から選ぶというドリーム構想なのですが、ロック的にも商売的にもかなりドリーミーになりそうです。Tommy Lee は"Tommy Lee Goes To College" とかいうお笑い系の番組にも出ていて、ロックなんかしらんという人にも有名になってきてるみたいです。あのBaywatch のパメラ・アンダーソンとの交尾受精ビデオがネット上でとびかい、それでパメラもTommy Lee も大ブレークしたようなところもあるし、ロックスターというよりも、バラエティもののスターと化しつつあるので、ここらで本業でもう一度一花咲かせるのか、あるいは殿様キングス系ヘビメタの道を開拓していくのか、ちょっと見ものです。

ロックはすかんが、サッカーは好きだというみなさん、これはサッカーで言えば、ジーコと、ペレと、ベッケンバウアーと、ヨハン・クライフと、ジョージ・ベストと、プラティニと、ストイコヴィッチと、ジダンと、マラドーナと、ネドベドと、ナカタのそれぞれの全盛期が重なるという奇跡が起こって一つのチームを作るようなものです。あれっ?キーパーいないな。というより、たぶんこれではゲームにならないと思うけど、まあ、そんな感じということです。

もちろん、あのJane's Addiction の伝説ギタリスト、Dave Navaro もコーチ役として健在、司会も下着ファッションモデル No.1 とかいうBrooke Burke が続投。いやあ、見て楽しい聞いて楽しい、いい番組だなあ。

Supernova のボーカルに世界中から2万5千人の応募があったらしい。その中から15人にまで絞られたところで番組はスタート。第一回を見ました。

ぶっとびました。すごいのが出てきました。

出演者の半分くらいが歌い終わったところで、なんか顔のあちこちにピアスがある、Dilana という女性が出てきた。これがえらいことになった。Nirvana のLithium をやったのだけど、序盤の抑えたメロディを歌う時の目つきの鋭さでまずぶっとび1。あれくらいの視線の強さがあれば、やなぎさわもゴールを決められただろうにとふと関係ないことを思い出してしまったのが惜しまれる。そして、Lithium の爆発部分で、完全暴発、場内騒然、ぶっとび2。Supernova のメンバーもDave Navaro も呆気に取られて総立ち。なんなんだ、このDilana という女性の爆発ぶりは!Nirvana を完全に超えている。凄・ま・じ・い・な・あ、と僕はテレビ画面を呆然と見ていた。

そして爆唱が終了して、Dave Navaro の第一声が、"That was insane !!!" だった。まったくその通りだと思った。狂気マニアの僕としてはたまらない。彼はIntensity という言葉を使っていたけど、Dilana のパフォーマンスはとてつもないIntesity の塊だった。すごいなあ、日本代表にこのIntensity さえあればと、またしつこく考えてしまい後悔する。これはスポーツじゃない、音楽なんだと下手に言い聞かせようとして、日本の「スター誕生!」にはこんなの出てこなかった、山口百恵とか森昌子とか桜田淳子とかいるんだけど、ちょっと勝てそうにない、なんてことを考えてしまい、さらに後悔増加。

その後は、もうSupernova のボーカルはDilana 以外には考えられない、絶対に雇って欲しい、あの狂気でロックをぶちかまして欲しい、もうオーディション終了!と思って見ていた。

そして、最後にLucas という男が出てきた。すでに挙動からしてちょっとおかしげ。妖気が漂ってる。ほんとにおかしいかも。狂気系かな、でも、見かけがおかしいだけで、話するとただの平凡な男だったなんてことはよくあるしな、とDilana のことで頭がいっぱいであった僕はやや気を抜いていた。

ところが、Billy Idol のRebel Yell をやりはじめたのだけど、ゲッ!こ、こ、これもすごいIntensity ではないか。Supernova の面々も、Dave Navaro もまた身を乗り出している。そして、爆発部分に入って、案の定、完全暴発。

Dave Navaro はまたもや"That was insane !!!" と言って絶賛。Tommy Lee は一言「ロックを救ってくれるか?」と言って、もう何も言うことはない、まいったというそぶりでマイクをテーブルの上に投げ出し、コップに当たってガシャンとコップが割れた。

この二人のパフォーマンスで久しぶりにロックを聴いた・見た気がする。Dilana とLucas、要注意だ。Supernova のボーカルに選ばれようがどうしようが永遠にロックやってて欲しい。僕が大富豪ならメジチ家のようにロッカーのパトロンになるのになあ。金儲けに鋭意努力してこなかったのが惜しまれる。

ただ単に音楽的に見て、将来性があるというか、音楽業界で生き残って欲しいと思ったのは、Josh Logan という男だった。"She Talks To Angels"(The Black Crowes) をものすごく味わい深くうたっていた。でも、Supernova のボーカルには合わないだろう。一人でやっていって欲しいと思う。

可愛い子ちゃん系もジャニーズ系もいたけど、もう忘れた。

Dilana のパファーマンスがもう一度見たくて、インターネットでまた何度も見た。やはり凄い。翌日は一人目の脱落者決定戦で、Supernova は、まずその前にDilana にアンコールを頼んだ。やっぱりなあ、彼らももう一度見たかったのだ、よく分かります、その気持ち。

脱落者決定戦というのは、前日のパフォーマンスの後、視聴者の投票があって、最下位の三人が翌日もう一度やって、その中から脱落者一人をSupernova が選ぶという仕組みです。こうやって毎週一人ずつ消えていく。

で、脱落したのは不動産会社に6年間勤めていたとかいうジャニーズ系。前日、やわい曲をやって、選曲が大事だ、みんなよく考えるようにとSupernova さんに言われていたのに、脱落決定戦で選んだのが、デュラン・デュラン。刺青まみれのロックスターたちはぽかんとした顔して見ていた。かったるいなあ、早く消えてくれと思っていたら、ほんとに脱落しやがった。歌がうまいだけでロックやるな、と思ったら、サッカーうまいだけで・・・と、なんかまた日本代表思い出しそうになるので、考えないことにした。今夜は決勝かあ。

ロックの好きなみなさん、ここ(↓)で出演者のパフォーマンス見れますよ。
http://rockstar.msn.com/

No comments: