Sunday, November 27, 2005

I AM SAM を見た。

歯医者に行くために週末にイスラマバードへ来た。たかが歯医者で毎回飛行機に乗って隣国に行くというのも実に間抜けな事態だが、出費もこの歯痛騒動でもう数千ドルになってしまった。実にバカバカしい。歯医者に払ったお金は百ドルにもみたないというのに。でも、気分転換の効果もあるので、それなりに良いことかもしれないとも(かなり無理に)思っている。

部屋にいる時は、インターネットは繋ぎっぱなしなので結局どこにいても仕事は24時間続いているようなものだけど、それでもカブールの缶詰状態よりは精神衛生は少し改善されるような気がする。

テレビつけっぱなし、PCで音楽ならしっぱなしで、本を読みながら、メールをチェックしつつ、返信を書いたり、原稿を書いたり、何一つ集中していないけど、これでもオフィスにいるよりはましだと思う。オフィスでの仕事はもう狂気の沙汰としか思えない。次から次にどこにも出口のないような問題が津波のように押し寄せてきて、5分以上同じ問題を続けて考えることもできない。みんなイライラして、声を荒げ、途方に暮れ、ため息をつき、そして疲れきって家に帰る。次の日はまた同じことの繰り返し。

今日の夜、つけっぱなしのテレビでI AM SAM をやっていた。ちらちらと見ながら、A History of The Arab Peoples, Albert Hourani. (分かりやすい。お勧め)を読んだり、次の『フォーサイト』の原稿を書いたりしていたのだが、だんだん、I AM SAM が優勢になり、いつのまにか、この映画だけに一点集中していた。

ミシェル・ファイファーがいらいらして怒鳴り散らす弁護士役をやっていたのだが、その醜さに仕事でいらいらしている自分の姿を思い出す。ショーン・ペンが 7歳児の知能しか持っていないという設定のサムを演じるが、ミシェル・ファイファーの弁護士とは対照的な汚れていない心みたいなものを象徴していた。映画を批評するほど映画のことは分からないが、DVDを買おうと思ってアマゾンを見たら、120件もレビューが載っていたので、ヒットした映画なんだろうな。全編ビートルズのカバーで満ちていた。CDも買おう。

見ている途中、なんども胸の奥の方が痛んだ。

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