うそみたいだけど、まだ治ってない。全身が痛くて立ち上がれないというようなことはなくなったけど、まだのどの奥が火山のように燃えているのを感じる。ずっと横になっていたいのだが、クソ忙しくてそういうわけにもいかない。ぼーっとした頭で細かいエクセルの表を見ていると、ふと宇宙の空間のどこかに漂っているような気分になる。自分はいったい何をしているのだろう?と思うのだけど、ほんとに何のためにこんなことしているのか全然分からない。フツー仕事というのはそういうことを考えないものなのだろうか。
オフィスのトイレにはもう何度もいっているのに、もやっとした頭で入るとふと妙なものに気がついた。といっても、これまでも視覚には何度も入っているはずのものだ。ウェットティッシュか何かだろうとほとんど無意識に流していたと思う。それが今ぼけた視覚に妙に鮮烈に入ってくる。
手にとってみる。白い紙にオレンジ色でUNFPA。その紙を開いてみた。おー、なんとこれはコンドームではないか。オフィスの人には無料でコンドームが手に入るようになっているのだった。その箱の中にはもう三つしか残っていない。かなりみんな使ったのだ。月にどれくらい減るのだろうか。
* * *
臭い(におい)が写真で撮れないのは残念だとよく思うが、寒さが写真に撮れないのもかなり残念だ。自分の住んでいる場所からオフィスまでの景色を写真にとってみたのだが、あとで見てみると、どうも何か抜けているように感じた。たぶん、それが温度なんだろう。このそこはかとない寒さが写真からは出てこない。もっと高級な腕前になるとそれも出せるようになるのかもしれないが。
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(↑)左手にならんでいる建物はだいたい築100年を越える。デンマークは建物の外装にとてもうるさく、全体の風景を壊さないようにきつく規制されている。だから、こういう建物も外見は100年前とほぼいっしょなのだろう。僕が住んでいるアパートもこのような建物の一つなのだが、内部はさすがに100年前と同じというわけにもいかず、近代化されている。
この道の右手は崖になっていて、その底に写真では見えないが線路が走っている。この道を僕は毎朝歩いて、それから線路の上の橋を渡る。
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(↑)橋を渡りきって振り向いて撮った写真。さっきの写真で左手に写っていた建物がこの写真では正面に-線路の向こうに-見えるのが分かるだろうか。
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(↑)橋を渡りきって、こんどは橋よりも一段低いところにある地上の道路に向う。小さな階段が見えるだろうか。
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(↑)この階段ですべってこけないようにかなり用心して降りる。
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(↑)いきなり出てきた感じがするだろうが、このビル群はヨットハーバーのいわゆる桟橋に相当する場所に建っている。右手は住居用ビルで、左手が国連などが入っているオフィスビル。どちらも、この写真の外になっている裏側は海なのだ。こういうデザインの新しいビルは、市街地に建てることはおそらく許可されないのではないだろうか。
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