Saturday, September 06, 2008

ブルドーザー

5歳の次男の友達の誕生日パーティが明日あるというので、誕生日のプレゼントを買いに行った。長男は自分の友達の誕生日パーティに出かけていた。週末はほとんど誰かの誕生日パーティがある。同級生を全員招待する必要もないと思うのだが、どうやらそういう習慣が息子たちが通っている学校でも日に日に広まっている。ほとんど親の競争意識が原因ではないかと思うのだが、毎週末つぶれる結果になって結局親達が自分で自分の首を絞めるはめになっている。親は自分の子どもに関しては全世界普遍的にバカなのだろう。

日本米がなくなっていたので、それが買える店の近くでおもちゃ屋を探そうと思っていた。今まで気がつかなかったが日本食在店の斜め前がおもちゃの店だった。店の前を通りかかって、すぐに次男が気がついたのだ。

店の前のカゴにいくつかの商品がならんでいる。次男はまず凧をとりあげて、I think he likes this. と言っている。次に、全長25cmくらいのトラックをとりあげて、He likes a car.  I think he likes this. と言う。それから、もっと他のも見ようと言って店の中に入っていった。きっと自分のおもちゃが欲しくなって、それも買うはめになるだろうと、その時点で僕は覚悟していた。

しかし、次男はいっこうにそういうそぶりを見せず、友達のおもちゃ探しに専念しているように見える。次から次に、I think he likes this. をくりかえしてるが、すべてのおもちゃを取り上げてそう言ってるわけでもないので、どうも彼なりの基準、つまり彼が自分の友達が好きだと思うようなおもちゃの基準、があることは明らかだ。

しばらく店内を徘徊していて次男は大きなブルドーザーを見つけた。店頭にあったものと似ているが、大きさは2倍以上ある。次男は自分でもかなり興奮しているように見える。値札を探そうとしているが、見つからない。大き過ぎてただ持ってかえるのが面倒くさいなと思う。なんか他の小さなものを見つけてくれることを一心に願って次男を促して一応店内を一巡してみたが、全長60cmほどのブルドーザーの魅力を上回るものがない。他の店も見てみようかと言ってみると、次男はむしろそれもいいという顔をしている。

しかし、あんまり強行にブルドーザーを主張する様子がない。店頭にあった25cmほどのトラックはどうかと聞き返す。変だなと思って、あの大きいブルドーザーの方がよくないかともう一度きくと、次男は
Do you have money ? ときく。

一瞬あたまの中に、はあ?と言う言葉が浮かんだが、次の一瞬次男の考えていたことに気がついた。僕がブルドーザーを買うことに逡巡していることを感じ取って、次男は僕が十分なお金をもっていないのではないかと考えていたのだ。まだ次男の頭の中では大きいおもちゃほど高いということになっているのだろう。だから、小さい方のトラックなら大丈夫ではないかと考えていたのだ。実際おもちゃの値段とサイズが一致していた時代もあったのだから、子供がそう考えるのも大人が思うほどおかしなことでもないのだと思う。

それから、日本米と晩御飯の買い物をするとそれだけで、二つのショッピングバッグがいっぱいになってしまった。次男は自分のからだの半分くらいの大きさのおもちゃの入ったビニールバッグを両手でもって家まで運びきった。


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