Thursday, February 01, 2007

虫食い算

昨日、車に酔った。気持ち悪い。吐き気がする。ゲップみたいな、ちょっと違うような、気体の固まりがお腹の中から上がってくる。オフィスで座っていても吐き気がして何もできないので、6時前に帰った。

だるいのでベッドに横たわってると、隣の部屋のSがジムに行こうとさそいに来た。何か返事をしようと思ったが、その前に僕の顔を見て何も言わず引き返して行った。

眠いわけでもないけど、吐きそうなので横になっていたら、うとうとしてきた。
遠くで電話がなってる。手をのばして電話をとったら、切れた。リサからだった。きっと今日締め切りの報告書のことだろうと思ったけど、話す気にならないのでかけるのはやめた。報告書一つで誰かが死ぬわけでも、救えるわけでもない。

電話をベッドの上にほりなげると、すぐにまたかかってきた。今度はNYのJからだった。昨日は3回かけてきたようだけど、全部とりそこねていたので今日はとることにした。

いきなり昨日は自分もCも電話したのに、全然つながらなかったというグチで始まった。Cもそんなことをメールで書いていた。全然気がつかなかったので、鳴っていなかったような気がするんだけど(そんなことはしょっちゅうある)、分からない。

Jはなんかずっと喋ってるがちっとも頭に入ってこない。Mが数日前に送ったメールのことを訊いているようだけど、毎日100本以上来るのに、数日前のメールのことを言われてもすぐに思い出せない。プロジェクト・サポート・コストがどうとか、余ったお金がどうとか、契約更新がどうとか、契約金額の合計がどうとか、延々と喋ってる声がだんだん遠くに消えていくような気がした。

どうして僕に電話してくるんだろう、メールを送った本人に電話すればいいのにと思いながら、お金については何にも変わらないよ、変わらないように契約期間だけを変更するのが目的だったんだからと言ったけど、通じてないような気がした。ちゃんとメールを読んで添付された文書を見て自分で考えれば何もきくことなんてないはずなのに、国連には自分で考える人は一人もいないような気がしてきた。

電話のあと、また横になりながら風邪がぶり返したのかもしれないと考えていたら、いつのまにか寝ていたようだ。また電話が鳴っていたが、とらなかった。明日の苦情の種に残しておこう。

目が覚めると2時間も経っていた。ちょっと気分はよくなっていた。が、立ち上がると、くらくらした。車酔いがこんなに続くのは変な気がする。やっぱり風邪か。何か食べた方がいいような気がするがまったく食欲がない。今日は何を食べただろうかと考えてみたら、お昼にベーコンサンドウィッチを食べただけだった。お腹はすくべき時間だった。

キッチンに行って冷蔵庫をあけたが、何も食べる気がしない。食べ残しのケーキがあったので、それをもってリヴィング・ルームに行ってメールをチェックすることにした。オフィスから早く帰ってきたので、その後のメールが気になっていた。やっぱりJとCのメールが来ていた。JはドナーAの契約について、CはドナーBの予算について。気分がよければ、すぐに終わりそうな仕事だけど、手をつける気がしない。

しばらくPCを見ていたら、また吐き気がしてきた。ケーキは二口ほど食べて、あとは捨てた。食べたのがいけなかったかもしれないと後悔したが、もう遅い。やっぱりベッドルームに退散することにした。バスルームに行って歯をみがこうとしたら、洗面台でとうとう吐いてしまった。やっぱり風邪かなと思ったが、ちょっと楽になった。

アルカセルツァーをのんで、しばらくベッドの上でボーっとしていたが、眠くもないのでラップトップPCを文字通りラップの上にのせてドナーBの予算を作り直した。お客さんの希望に合わせて中味をぐちゃぐちゃに変更して、でもトータルだけは1円も変わらないような作業をしていると、虫食い算を思い出した。

* * *

朝起きたら吐き気はなくなっていた。そのかわり猛烈にお腹がすいていた。

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