Friday, February 24, 2006

去る人たち(2)

シーラとイグナシオが去っていく、というので、今日はグリーンハウスというゲストハウスのバーでお別れ会でした。
前日、究極の疲労を見かねたミゲナがホームメードのラキアをふるまってくれて、案の定一本全部飲んでしまい泥酔した後だったので、今日は一日中ひどい下痢で、もう全然飲む気になれなかったけど、一応行ってみた。
4時開始だったけど、4時半くらいに着くと、エリックはいつものようにほぼ完全にできあがっていた。昨日飲むのをがまんしてジムに行ったアミールは今日は5時半には別世界の人になっていた。シーラはニュージーランドの軍隊にいたので、お客さんは元・現軍人さんが多かった。
なんか酔っ払いの話を書くのもめんどくさいので今回は写真特集。




























































Sunday, February 12, 2006

カタカタ

エアロスミスの "Fly Away From Here" を何度も聞いているうちに嫌でも歌のフレーズが断片的に頭の中に沈殿してくる。最初はほとんど意味のないウワ~ェイワゥ~オィなんて音が、単なる音からだ んだん意味のある音にかわってくる。音の一片が意味に変わると、その前後の断片も流れで意味化してくる。

そして、全貌が見え始めたら、いろんな日本語の単語が浮かび始める。意味をなすことと日本語の単語が浮上してくることは異なった次元の出来事なのだ。

「I have a pen.」は日本の義務教育を終えた人なら誰でもパッと意味が分かるだろうと思う。でも、いざ一通りの日本語を当てはめるとなると、これが至難の業だ。

「私はペンを持っています」
「わたし、ペンを一本持ってるの」
「ぼくちん、ペンあるもんねぇ~」
「ペンはあるって!」
・・・
いくらでも訳しようはある。あるいは、「I have a pen.」の住む環境がすべて分からないと日本語にしようがないとも言える。

スティーヴン・タイラーが日本語を喋ったとしたら、やっぱり自分のことは「オレ」って言わないといけないような気がする。でも、"Fly Away From Here"の全貌が見えてくると、どうも70年代の日本のフォークソングの臭いが出てくる。「人間なんて、らら~らららら~ら」とか、「あのぉ~素晴ぁ~ らしき愛を」とか、そんな臭い。全然ロックっぽくなくてエアロスミス・ファンが聞けば激怒するかもしれないけど、でもこの歌詞はそういう臭いなんだなあ。

エルトン・ジョンの「Your Song(僕の歌は君の歌)」だって、よく聞けば、日本で言うと「神田川」の抒情に近いものがある、っていつか書いたような気がする。ただ向うは「屋根の 上にすわって苔を足でけったりしながら、今はお金ないけど、お金持ちになったら二人で住める大きな家を買おうね、とか僕の贈り物はこの歌」なんて言って て、かたや日本では「二人で行った横丁の風呂屋を「一緒に出ようね」って言って、でもいつも私が待たされ、洗い髪が芯まで冷えて小さな石鹸カタカタ鳴っ て、貴方は私の身体(カラダ)を抱いて「冷たいね」って言う」という違いはあるけど、よくよく考えれば、スタイルが違うだけで「貧乏だけど頑張るんだ」 みたいな70年代の若者の抒情歌っていう点ではほとんど変わらないのではないかと思う。エルトン・ジョンとかぐや姫のどっちのファンも怒ると思うけど。

というわけで、エアロスミスの"Fly Away From Here" から頭の中に落ちてきた日本語を歌詞ちょうどに当てはめてみた(↓)。なんか歌詞だけ見ると、やっぱり白いフォークギター持って貧乏そうな長髪の若者が 歌っててもおかしくない感じしない?「史上最強ヘヴィメタ・ロッカー、夢と希望を歌う!」みたいな。

でも、いい曲ですね。"fly away" のしつこいリフは100%売れないと困るバンドならではのものだし、それでも飽きないように、スティーヴンさんも歌に何度もこまかなタメを入れる工夫して ("gotta do what it takes"とか"and any time you want"とか"we won't let nothin'or no one keep gettin' us down")、かつ曲そのものにギアチェンジも頻繁に入って("won't let time pass us by"とか、"if this life gets any harder now"とか、"do you see a bluer sky now?"とか)、プロが一所懸命考えてほぼ完璧になるまで練りつくした感に打たれる。どんな仕事でもそこまでやられるといいものだ。きっといいかげん感 が出る仕事はすべての分野でクズなんだろうな。

昨夜、Cさんの追悼の集まりに行った。彼が好きだった「スコットランドの花」をみんなが合唱して、涙が暴発した。ベイリースと焼酎を交互に飲んでると元気 になってきた。結局、二件はしごして(呼ばれもしてないパーティに勝手に行って)明け方に洗面所で吐いた。今朝、今年一番重要な会議でプレゼンをすること になっていた。昨夜の煙草の吸いすぎで声を出すのが苦しかった。資料とパワポのスライドは作ってあったが、話の手順を決めていなかった。ぶっつけ本番でし ばしば何を言ってるのか分からなくなった。もう悲惨。みんな分かっただろうか。大事な時の二日酔いというのは一生ついて回るような気がする。


『ここから跳びだそう』(Fly Away From Here)

なんとかしないと。(gotta find a way)
ああ、もう一日も待てない。(yeah, i can't wait another day)
何にも変わらないじゃないか。(ain't nothin' gonna change)
こんなところでぐずぐずしていたら。(if we stay 'round here)
どんなことをしても、なんとかしなきゃ。(gotta do what it takes)
すべては僕たちしだい、それに(cuz it's all in our hands)
間違いなんてみんなするんだし。(we all make mistakes)
でも、遅過ぎるなんてことは絶対にない。(yeah, but it's never too late)
やり直すんだ、一休みして。(to start again, take another breath)
そして、祈ろう。(and say another prayer)

そして、ここから飛び出すんだ。(and fly away from here)
どこかへ、そう、どこだっていい。(anywhere, yeah, i don't care)
ただ、ここからとびだすんだ。(we'll just fly away from here)
僕たちの希望と夢は、(our hopes and dreams are)
むこうのどこかにある。(out there somewhere)
もう時間はむだにしない。(won't let time pass us by)
僕たちはとぶんだ。(we'll just fly)

もし、人生がもっとつらくなったら、(if this life gets any harder now)
いや、ならない、心配することはない。(it ain't, no, never mind)
君が僕のそばにいてくれるんだから。(you got me by your side)
君が好きな時にいつでも(and any time you want)
列車にとびのり、(yeah, we can catch a train and)
もっといいところをさがせばいいんだ。(find a better place)
そう、僕たちは何があっても負けない、(yeah, cuz we won't let nothin')
誰にも邪魔させない(or no one keep gettin' us down)
君と僕なら(maybe you and i)
荷物をバッグにつめて、(can pack our bags )
あの空へ向かうことだってできる。(and hit the sky)

そしてここからとびだすんだ。(and fly away from here)
どこかへ、そう、どこだっていい。(anywhere, yeah i don't care)
ただ、ここからとびだすんだ。(we'll just fly away from here)
僕たちの希望と夢は、(our hopes and dreams are)
むこうのどこかにある。(out there somewhere)
もう時間はむだにしたりしない。(won't let time pass us by)
僕たちはとぶんだ。(we'll just fly)

前よりもずっと青いあの空がみえる?(do you see a bluer sky now?)
君はやっとましな人生を手に入れたんだ。(you can have a better life now)
目をあけて。(open your eyes)
ここには僕たちを止める人はもういないんだから、(cuz no one here can ever stop us)
試してみればいいさ、でも、止めさせない。(they can try but we won't let them)
絶対に。(no way)
君と僕なら(maybe you and i)
荷物をバッグにつめて(can pack our bags)
さよならを言えばいいだけのこと。(and say goodbye)

そして、ここからとびだすんだ。(and fly away from here)
どこかへ、ハニー、どこだっていい。(anywhere, honey, i don't care)
ただ、ここからとびだすんだ。(we'll just fly away from here)
僕たちの希望と夢は、(our hopes and dreams)
むこうのどこかにある。(are out there somewhere)
ここからとびだそう。(fly away from here)
そう、どこかへ、ハニー。(yeah anywhere honey)
どこだって、どこだって、どこだっていいんだ。(i don't i don't i don't care)
とにかくとびだそう・・・(we'll just fly...)

Thursday, February 09, 2006

Fly Away From Here

同僚のCさんが死んだ。
今日はオフィスに来なかった。
昨日Cさんのお父さんが亡くなって、昨夜はお酒を飲んで荒れていたそうだ。
僕は何にも知らなかった。

ほんの少しの間だけ、世界のすべてが白一色になって、完全な静寂がやってこないだろうか、そうすれば、仕事に没頭できるのに、などと思いながら、思い返せば、僕は完全に仕事だけにのめりこんでいた。

Cさんに飲みに行こうと誘われても一度も行ったことがなかった。
なぜ行かなかったんだろう?
ただ忙しかったのか、疲れすぎていたのか。
というよりも、誰に誘われても僕は飲みになど行かなかったのだった。
最近アミールと飲み始めるまでは。

一度だけCさんが飲んでいる姿を見たことがある。
なんかのちょっとオフィシャルなディナーがレストランであった時だと思う。
Cさんはビールを三缶ずつ注文していた。
すぐになくなるから、面倒くさいということだった。
120キロの大きな身体がビールの缶をつかむと、缶がとても小さく見えたのを覚えてる。

今回の仕事の津波はかなり凄まじい。
一年間他人の落としていった糞の掃除をするのにてんてこまいしたような気分だったけど、僕は、根本的に糞が出ないようなシステムに変えたくてしかたない。
所長には失敗する確立の方がはるかに高いと言ってある。
たぶん僕は失敗するでしょう、ハハハっと。
でも、最悪で現状なのだから、何もしないよりましなのだ、
と僕とアミールは思っている。
糞まみれで平気な人が多いこの業界で、
Cさんはそういうことが分かる数少ない人だった。

明日から三連休だ。ここでなんとか追いつけるかもしれない。

エアロスミスの "Fly Away From Here" をきくことにした。

gotta find a way
yeah, i can't wait another day
ain't nothin' gonna change
if we stay 'round here
gotta do what it takes
cuz it's all in our hands
we all make mistakes
yeah, but it's never too late
to start again, take another breath
and say another prayer
and fly away from here
anywhere, yeah, i don't care
we'll just fly away from here
our hopes and dreams are
out there somewhere
won't let time pass us by
we'll just fly
if this life gets any harder now
it ain't ,no, never mind
you got me by your side
and any time you want
yeah, we can catch a train and
find a better place
yeah, cuz we won't let nothin'
or no one keep gettin' us down
maybe you and i
can pack our bags and hit the sky
and fly away from here
anywhere, yeah i don't care
we'll just fly away from here
our hopes and dreams are out there somewhere
won't let time pass us by
we'll just fly
do you see a bluer sky now?
you can have a better life now
open your eyes
cuz no one here can ever stop us
they can try but we won't let them
no way
maybe you and i
can pack our bags and say goodbye
and fly away from here
anywhere, honey, i don't care
we'll just fly away from here
our hopes and dreams are out there somewhere
fly away from here
yeah anywhere honey
i don't i don't i don't care
we'll just fly...

やっぱり悲しいなあ・・・。

Wednesday, February 08, 2006

うざっ!

まだ日曜日の夜頃は、デンマーク紙の漫画に対する怒りで荒れるレバノンの映像をテレビを見ながら、アフガニスタンはデモしないなあ、なんでかなあ、なんて のんきなことを考えていた。気がつかなかったけど、月曜日にはすでにアフガニスタンでも始まっていた。火曜日はもう全国津々浦々めちゃくちゃになってい た。

昨日、余所の事務所で会議をしていた時に、外の道路をデモが通過したらしく(その時は会議自体が紛糾していて、出席者一同の怒鳴り散らす声があまりにうる さくて、外の音が聞こえなかった)、デモが通過し終わった頃に、外に止めてあった車二台がボコボコにされたよっと警備の人が言いに来た。

そうこうするうちに"Break ! Break ! Break !" (セキュリティの情報だから、ちょっとみんな聞いてくださいというアナウンス)が無線から流れてきて、「White City(移動禁止)」という連絡が入ってきた。会議は終わったけど、そこから動けないし、なんかちょっとお腹すいたかもぉ、ランチなかったしなぁ、今日 は帰れないかもしれないなぁ、ピザが食べたいなぁっとか、小さい声で口走っていると、機転の利く人がそこの事務所にもいて、ピザの出前を10人前注文して くれた。

天気が良くてその事務所の庭の芝生の前で座っていると眠くなってきた。クソ忙しい時になんという時間の無駄と思いつつ、もうどうでもいいかという思いにも なる。何を考えてもどうしようもないのだから、しょうがない。セキュリティの親分みたいな人に一応電話して、その事務所に待機中の人の名前を連絡しておい た。探し回ると鬱陶しいので。

1時間ほど待ったがピザが来ない。その間に何度もちょっとヒステリックな電話がかかってくる。僕が電話した人とは別の人から、そこに何人いるかきく電話。 10分後にまたそこにいるスタッフの名前をきく電話。内部で横の連絡がな~んにもなくて、一回に一つずつしか質問が思いつかないバカさかげんが相変わらず 国連らしい。「今からNYに連絡するから」、「移動禁止が解除されたら車を送るから動くな」、「今どうなってる?」他にすることないのかね。すべて最初の 一回の電話で確認済みでしょ。せっかくすがすがしい快晴の空の下でみんなで楽しく日向ぼっこを楽しんでいたのに、貴重な時間を台無しにしてくれるわ。

やっとピザが来た頃に、移動禁止も解除になって向かえの車もやってきた。ピザがもったいないので、そこの事務所の人にお礼を言って、4枚せしめてきた。自 分の事務所に戻って荷物を取って全員帰宅、ということになっていたので、自分の部屋に行くが、ピザを食べながらPCをバッグに入れようとしている間に、別 々の人4人が同じことを言いに来る。

「荷物をもって帰宅するように」「ピザ食べる?」
「荷物をもって帰宅するように」「ピザ食べる?」
「荷物をもって帰宅するように」「ピザ食べる?」
「荷物をもって帰宅するように」「ピザ食べる?」

という同じやり取りを四回繰り返す。
うるさいよなあ、ホントに。もうみんんな事務所に戻ってくる前から知ってるって。そうやって邪魔するからなかなかパッキングが進まないでしょ。

やっと車に乗ったら、いっしょに乗った所長が、A はどうした?B はどうした?C はどうした?どうした?どうした?どうした?と訊き始める。知らないよ。もうすでに同じ質問を他の人から二回聞いていた。そんなことするためにセキュリ ティ・オフィサーがいるのだから、どうしてその人に任せないのだろう。

所長はまた車から降りて、他の人を探しに行った。パーキングでは、S がA はどこ?T がB どこ?U がC はどこ?と言いながら、ちょろちょろして、S、T、Uが消えたらら、A、B、Cが現れてA がU はどこ?B がT はどこ?A はS がどこ?なんてお互いに聞きあってる。なんなんだろう、この風景は?まるで誰かが演出している映画みたいにアホまるだし。そうやって、みんなが同じことし ようとするから、なにもかも二倍も三倍も四倍も時間がかかるんでしょ。車の中でぼんやりと所長が戻ってくるのを待っているとアミールがぽつんと「ここは幼 稚園か」と言った。

Saturday, February 04, 2006

忙殺月間

忙殺月間突入につき、しばらく更新しないと思います。たぶん。
メールの返信は2ヶ月遅れくらいで追いつく決意です。
足フェチさん用の写真もそのうちアップする予定です。変なリクエストは結構好きなんで。