Sunday, December 18, 2005

ワニ

あんのじょう、今回のフライトは坊主の武者修行みたいなことになってしまった。ぷるぷるとふるえながら、けな気にも静かに痛みをこらえている、のどや鼻の弱った粘膜を思うと、なぜか因幡の白兎を思い出した。蒲(ガマ)の穂は効くんか?日本の海にはワニがおったんか?ととりとめもないことがボケた頭の中をまわる。

機内の乾燥した空気と低い目の気圧は、ジョディ・フォスターの「フライト・プラン」ですでに使われていたような、超巨大二階建て旅客機が実用化された暁には解決するそうだけど、なんで巨大化するまでまたんとあかんのかね?面の皮が厚くても、体内粘膜のかよわい僕としては、飛行機に乗るたびに受けるダメージにはかなり困ってるんですけど。

ついでに「フライトプラン」日本では公開前みたいだし、商売の邪魔したくないけど、それでもやっぱりストーリーもうちょっとなんとかならんかったかなあ。ジョディ・フォスターは相変わらず優等生の演技でしたが。

バンコクには1時間遅れで朝7時半くらいに到着。ホテルに頼んでおいた向かえの車が今回はなんか見慣れない新しい車になっていた。BMWの新車だそうだ。まあ、僕にはほとんど猫に小判なのだけど、素人目にも美しいと思わせる形であった。

ホテルに着くと、中二階のレストランに朝食人がたくさん入ってる。今お腹すいているか?と自問してみたがよく分からない。そう言えば、この1週間ほど食欲があるのかないのか分からなかったのだった。

こんな朝っぱらにチェックインする人はそんなにいないので、すぐに部屋に入った。僕の部屋は14階で、高さではこのホテルのちょうど真ん中辺りなのだけど、窓から外の景色を見ると地震が起きたら絶対助からないだろうと思う。

さて、何をしよう?まず、バスタブにお湯をためた。そして、浸かった。おーっと思う。全身に感動が走る。何かこれだけでスーパーマン化するような気分。凄まじきお湯の威力。

次に、やはり何か食べるべきだと決意した。でも、外に出る気はしないので、ルームサービスで、カオパッド・ガイとトム・ヤム・クンを頼んだ。日本風に言うと、焼き飯とスープかな。

食べ始めてから食欲がわいてくるような気分が盛り上がってきた。タイめし効果かもしれない。めしの後に、タイマッサージ2時間で20%割引のちらしが室内にあったので電話した。15分ほどで日本で言えば薬局屋さんのユニフォームのようなものを着た小柄な女の人が現れた。最初の10分くらいは意識があったが、もう後は時々体勢を変える時に起こされて一瞬目が覚めるが、ほとんど起きていられなかった。いつの間にか2時間経って、終わったことを告げられたが、もう目を開けるのも立ち上がるのも面倒くさく、サイドテーブルの上にいくらかタイ・バーツを置いていたので、なんとかそこに手を延ばして200バーツをとって彼女にチップにあげて、また寝た。しばらくするとバタンというドアの閉まる音が聞こえた。僕はそのまま寝てしまった。

目が覚めたのは夕方の5時過ぎだった。とてもつもなく深い海に潜っていて、今戻ったばかりというような疲労感のある目覚めだった。でも、確実にもわーっとした状態から抜け出しつつあるのを感じる。ようやく先に明かりが見えてきたのかもしれない。

No comments: