BBC News:16 Feb 2008
UN troops 'trapped' in Eritrea
The United Nations has condemned Eritrea, accusing it of preventing hundreds of peacekeepers from crossing from Eritrea into Ethiopia.
The UN ordered its regional force to withdraw to Ethiopia after the Eritrean government cut off its fuel supplies.
But the UN says only six vehicles have been allowed to leave, some troops have been threatened at gunpoint and now their rations have been stopped.
Eritrea denied blocking their departure saying its supplies had simply run out.
In an emergency session on Friday, the 15-member UN Security Council expressed "deep concern about the impediments and logistical constraints" faced by the force.
Jean-Marie Guehenno, head of the UN Department of Peacekeeping Operations, told reporters: "It's a very serious situation. We're running out of fuel, we're running out of food."
こんな世界の片隅で・・・・
誰も知ったこっちゃないだろうなあ・・・・
実に面倒くさいことになってきた。
年次財務報告書(と訳すのかどうか知らないが、そのようなもの)が修正に修正を加えてやっと終わったと思ったら、PKO Mission のエリトリアからエチオピアへの移動がごたごたし始めたではないか。時間がかかればかかるほど、予定外の出費は増える、その場しのぎのやりくりでは追いつかなくなる。しかも今年の予算がまだ口座に入ってこない。去年の残りでしのいでいるがこのままでは現金まで足りなくなりそうだ。前借りの準備をした方がいいだろうか、それも許可されるまで数週間かかる。絶対絶命ですか?
このタイミングでこういうニュース(↓)が配信されてくるのが笑える。エリトリアは世界の観光地のトップ・セブンの一つだそうだ。おもしろいので、エリトリアの事務所に転送してやった。
Eritrea: Country One of World's Top Tourist Destinations - Lonely Planet Institution
Shabait.com (Asmara)
12 February 2008
Asmara
A well-known tourism institution, Lonely Planet, indicated that Eritrea is one of the world's top tourist destinations.
The institution, citing the year 2008, pointed out that Eritrea is one of the world's seven best tourist destinations. It further indicated that Eritrea is endowed with breathtaking landscape and pristine coral reefs.
It is to be noted that visiting tourists from different parts of the world have been expressing admiration to Eritrea's rich tourism potentials and its hospitable people, noting that Eritrea is an island of peace in the war-torn Horn region.
Lonely Planet further pointed out that the other six top tourist destinations are Malaysia, Armenia, Bhutan, Montenegro in Serbia, Mozambique and Papua New Guinea.
Lonely Planet has published over 650 titles in 118 countries, with annual sales of more than six million guidebooks.
アルメニアと、モンテネグロと、モザンビークと、パプア・ニューギニアに行ったことがない。モンテネグロは近いのでデンマークにいる間に行ってみたいものだ。
Saturday, February 16, 2008
Thursday, February 14, 2008
仕事は夢の中
猫も杓子もERP。
とうとう国連事務局もERP 導入に踏み切ることになったそうだ。潘基文さんが連れてきたIT部門のトップの人が頑張ってるとか。ERP 導入のための予算が欲しいなんて言われても、加盟国の外交官でそんなこと知ってる人はまずいないんではないだろうか。IT専門家から外交官になるって例は、あるかもしれないが、きいたことない。
先週、NYに行った時にある外交官にERP って何か訊かれたけど、説明するのが難しい。Enterprise Resource Planning system をERP といっているのだけど、これは一般名称で、商品名はいろいろある。いろいろと言っても、あまりに巨大なソフトで一般人がお店に言って買うようなものではないので、今は実質的には合併統合などの後、二社の独占になっているようだ。
ウィキペディアを見ると、Enterprise Resource Planning (ERP) systems attempt to integrate all data and processes of an organization into a unified system. A typical ERP system will use multiple components of computer software and hardware to achieve the integration. と書いてある。分かったような分からないような。
これを毎日相手にしないと仕事にならないので、よく分かっているかというと、全然そんなことない。ERP のロジックには難しいことはない。そもそもロジックに難しいも易しいもないかもしれない。しかし、現実に使いこなすというレベルにまで到達するのは簡単ではないと思う。何千ものファンクションがあるだろうけど、知っているのは1%くらいか、それよりも少ないかもしれない。
それにもう覚えられない。もともと記憶力は悪いのだが、日に日に悪くなっていく。一つのことをするのにいくつものステップを通過しなければならないシステムはもう覚えられない。Mac のように直感に連動するようにデザインされているわけでもない。あくまでも、ユーザーがERP さんのロジックをフォローしていかなければうんともすんとも動かない。
ERP を組織に導入するには、何億円とか何十億円とか全然分からない額のお金がかかる。しかし、パッケージ商品を買うだけではまず使えない。その組織に合うようにカスタマイズしなければいけない。これがまた巨大な資金を必要とするそうだ。今、僕の組織が使っているERP はカスタマイズのお金をケチったので、まったく使い勝手が悪い。用語さえ、実際に使う用語と一致しないので、頭の中で翻訳しながら使うようなはめになる。 ERPのあの言葉は、うちの組織のあの言葉に相当する・・・というような作業が頭の中で起こっている。
ウィキペディアにもこんなことが書いてあった。Customizing an ERP package can be very expensive and complicated, because many ERP packages are not designed to support customization, so most businesses implement the best practices embedded in the acquired ERP system. 実にその通りだ。
最初はまったく何も分からず呆然としたが、3ヶ月ほど経過して、結局何もかも分かっている人は一人もいないのだということに気がついた。みんな綱渡りのようにERP を使っているのだ。そして、毎日がトラブルの連続で、それを解決するのが毎日の仕事になってしまう。実に効率悪いと思う。これはいったい何のためのシステムだったのか。
ERP を国連事務局が導入することを、どう思うかと訊かれた時にまっさきに思ったのは、いったい誰が使うんだということだ。今いる人を徹底的に再トレーニングするつもりなのか、それとも新しくERP 要員のような人を雇うのか。ERP システムにかけるお金よりも、人にかけるお金を考えないと、まったく無駄な投資に終わってしまうだろう。
ウィキペディアにはこう書いてある。Success depends on the skill and experience of the workforce, including training about how to make the system work correctly. Many companies cut costs by cutting training budgets. ほんとその通りだ。僕がトレーニングを受けたのはたったの二日間だけだった。
ERP はオンラインで世界中つながっているので、オフィスで終わらない仕事を結局家でやるはめになる。午後10時には睡眠薬を飲んで寝ようとするのだが、そんなにすぐ寝れるわけでもない。起きている間に少しでも処理しておこうとERP につないでしまう。そして、いつか寝て、また起きる。
不思議なことに、翌朝何も覚えてない。何をどこまでやったのか。そもそも手をつけたのか。覚えてないのだ。オフィスに行って、またERP に繋いでみる。今日しようと思っていたのが終わっていたりする。あれっ、誰だ、これやったのは、なんて一人でうなるのだが、自分しかいない。背筋が冷たくなる。夢の中でやっているようなことで、めちゃくちゃではないだろうかといちいち仕事の後をトレースしてみるが、まちがっていない。実に不思議だ。こういうシステムの時に使う脳というのはものすごく偏った部分にあるのではないだろうかと思う。他は寝ていて、そこだけが動いているというような気がする。
飲んでいる薬をウェブで調べてみたら、副作用に健忘症とあった。単に薬のせいなのかもしれない。
とうとう国連事務局もERP 導入に踏み切ることになったそうだ。潘基文さんが連れてきたIT部門のトップの人が頑張ってるとか。ERP 導入のための予算が欲しいなんて言われても、加盟国の外交官でそんなこと知ってる人はまずいないんではないだろうか。IT専門家から外交官になるって例は、あるかもしれないが、きいたことない。
先週、NYに行った時にある外交官にERP って何か訊かれたけど、説明するのが難しい。Enterprise Resource Planning system をERP といっているのだけど、これは一般名称で、商品名はいろいろある。いろいろと言っても、あまりに巨大なソフトで一般人がお店に言って買うようなものではないので、今は実質的には合併統合などの後、二社の独占になっているようだ。
ウィキペディアを見ると、Enterprise Resource Planning (ERP) systems attempt to integrate all data and processes of an organization into a unified system. A typical ERP system will use multiple components of computer software and hardware to achieve the integration. と書いてある。分かったような分からないような。
これを毎日相手にしないと仕事にならないので、よく分かっているかというと、全然そんなことない。ERP のロジックには難しいことはない。そもそもロジックに難しいも易しいもないかもしれない。しかし、現実に使いこなすというレベルにまで到達するのは簡単ではないと思う。何千ものファンクションがあるだろうけど、知っているのは1%くらいか、それよりも少ないかもしれない。
それにもう覚えられない。もともと記憶力は悪いのだが、日に日に悪くなっていく。一つのことをするのにいくつものステップを通過しなければならないシステムはもう覚えられない。Mac のように直感に連動するようにデザインされているわけでもない。あくまでも、ユーザーがERP さんのロジックをフォローしていかなければうんともすんとも動かない。
ERP を組織に導入するには、何億円とか何十億円とか全然分からない額のお金がかかる。しかし、パッケージ商品を買うだけではまず使えない。その組織に合うようにカスタマイズしなければいけない。これがまた巨大な資金を必要とするそうだ。今、僕の組織が使っているERP はカスタマイズのお金をケチったので、まったく使い勝手が悪い。用語さえ、実際に使う用語と一致しないので、頭の中で翻訳しながら使うようなはめになる。 ERPのあの言葉は、うちの組織のあの言葉に相当する・・・というような作業が頭の中で起こっている。
ウィキペディアにもこんなことが書いてあった。Customizing an ERP package can be very expensive and complicated, because many ERP packages are not designed to support customization, so most businesses implement the best practices embedded in the acquired ERP system. 実にその通りだ。
最初はまったく何も分からず呆然としたが、3ヶ月ほど経過して、結局何もかも分かっている人は一人もいないのだということに気がついた。みんな綱渡りのようにERP を使っているのだ。そして、毎日がトラブルの連続で、それを解決するのが毎日の仕事になってしまう。実に効率悪いと思う。これはいったい何のためのシステムだったのか。
ERP を国連事務局が導入することを、どう思うかと訊かれた時にまっさきに思ったのは、いったい誰が使うんだということだ。今いる人を徹底的に再トレーニングするつもりなのか、それとも新しくERP 要員のような人を雇うのか。ERP システムにかけるお金よりも、人にかけるお金を考えないと、まったく無駄な投資に終わってしまうだろう。
ウィキペディアにはこう書いてある。Success depends on the skill and experience of the workforce, including training about how to make the system work correctly. Many companies cut costs by cutting training budgets. ほんとその通りだ。僕がトレーニングを受けたのはたったの二日間だけだった。
ERP はオンラインで世界中つながっているので、オフィスで終わらない仕事を結局家でやるはめになる。午後10時には睡眠薬を飲んで寝ようとするのだが、そんなにすぐ寝れるわけでもない。起きている間に少しでも処理しておこうとERP につないでしまう。そして、いつか寝て、また起きる。
不思議なことに、翌朝何も覚えてない。何をどこまでやったのか。そもそも手をつけたのか。覚えてないのだ。オフィスに行って、またERP に繋いでみる。今日しようと思っていたのが終わっていたりする。あれっ、誰だ、これやったのは、なんて一人でうなるのだが、自分しかいない。背筋が冷たくなる。夢の中でやっているようなことで、めちゃくちゃではないだろうかといちいち仕事の後をトレースしてみるが、まちがっていない。実に不思議だ。こういうシステムの時に使う脳というのはものすごく偏った部分にあるのではないだろうかと思う。他は寝ていて、そこだけが動いているというような気がする。
飲んでいる薬をウェブで調べてみたら、副作用に健忘症とあった。単に薬のせいなのかもしれない。
Saturday, February 09, 2008
食べ物
今日コペンハーゲンに戻ってきた。暖冬NYの後なので、思いっきり寒さを覚悟していたら、拍子抜けするような生暖かさだった。と思ったら、次男と妻が風邪をひいてもがいていた。やはりコペンハーゲンの冬はまだ続いている。
食べ物回顧録。
2月3日、NYのホテルに着いたらもう午後10時前だったので、外に出るのはやめて、ルームサービスでハンバーガーをとった。巨大な皿に入りきらないくらい巨大なハンバーガーをのせて、巨体のおばさんがもってきた。「大きいなあ・・・」というと、「そうよ、大きいわよ、ウッシ、ウッシ、ウッシ」と身体をゆすって笑った。賞賛されたと思ったのだろうか。半分ほど食べて挫折した。
4日。昼はクライスラービルの一階にできた回転寿司屋にAと二人で言った。コペンハーゲンの状況報告みたいな話をした。夜は最近「酒蔵(Sakagura)」の近くにできた和食屋にBと行き、串焼きとそばを食った。本格的な日本食の店がまた一軒増えた。店の名前を忘れてしまった。
5日。昼はクライアントのEと、フィールドのFの三人でパブのようなところへ行った。EとFはハンバーガーを、僕は好物のバッファロー・チキンを発見してちょっと小躍りして注文した。久しぶりに食べる。僕の立場にとって、Eはお金の入り口、Fはお金の出口に当たるポジションにいるので、この3点セットがうまく行かないと仕事はうまく行かない。いがみ合いの3点セットなど珍しくもなんともないが、EとFとはうまくいっているので幸運だと言えるだろう。仕事の話をさっさと済まして食うことに専念した。
その日の夜も、E+Fの三人で飲みに行く予定だったが、マンハッタンからかなり遠いところに住むEの家にFが泊まっており、そこで飲むらしく、それには時間が足りずキャンセルすることにした。まあ、昼飯いっしょだったのだから、いいだろう。一人の時間ができるとほっとする。一人で「めんちゃんこ亭」に行って、皿うどんを食べた。
6日。昼はややこしい案件の話を今回コペンハーゲンからいっしょにNYに来たCと、クライアント側のD+Eとする予定だったのだが、このCがまた話の分からない人で、かつ話し相手を微妙に苛立たせる人で、きっとDと全面衝突するだろうとこの日の朝5分くらい思い悩んでいた。
結局、ミーティングの前にDと二人で話しをして片付けておく決意をして、ミーティングを1時間遅らせて、Dを連れ出して二人でランチをすることにした。D がイタリアンに行こうと言うのでついて行ったら、去年の夏アミールと行ったところだった。かなりおいしい店だと思う。が、これも店の名前を忘れた。店員の英語のイタリア語訛りが強くてわかりづらい。話は予定通りの暗礁に乗り上げ、予定通りの着地点に到着した。オフィスに戻ってミーティングをすると、5分で終わった。その後、自分のオフィスへの帰り道、Cはいかに自分が話をうまくまとめたか延々と語っていた。こういう人は出世するだろう。
そう言えばその前日にCがどこか夕食に行こうと言うので、「僕はもう毎晩予定が入ってる」というと、般若のような顔になった。「どうしてだ?」と追求してくる。そういう時は何もきかず引き下がるのが礼儀だろうと思うが、Cにはそういう配慮がいっさいない。「NYに5人ガールフレンドがいて、5日しかないので一人ずつに時間を配分するのが難しい」と言ってみると、「NYに5人ガールフレンドがいるのか」と真剣に聞き返してきた。アホか、こいつは。「ただの友だちだよ」と言って立ち去ろうとすると、今度はヘチマのような顔をして、ふーんと言ってるのが聞こえたが、もう無視してホテルに向った。Cは仕事中も一日中喋り続けている。どうでもいい話ばっかりなのだが、それがすべて何か/誰かを罵る話なので、だんだん気分が滅入ってくる。しかも、仕事になると、必ず一言目に「どうしてあたしがそれをしないといけないのか」と呪い始める。そのくせに、お偉方の前になると、いかに自分が仕事がよくでき、熱意を傾けて取り組んでいるかというのを、相手が男だったりすると、猫なで声もところどころに交えて、実にうまく話すのだ。鼻が効くというのだろうか、きっちりそういうポイントは逃さない。Cが国連に来る前に所属していたNGOの人があれはbitch だと言っていたが、彼らもそんなのをまんまと国連になすりつけてうまくやったものだ。
6日の夜は、G と「饗屋(Kyo Ya)」に行った。ここの和食のレベルの高さは日本でもすごいだろうと思う。行く前にちょっと風邪にかかったような気がしたので、薬局で風邪薬を買って飲んでいったのだが、少しお酒を飲むと頭がくらくらしてきた。タバコのせいか、お酒のせいか、と思うが、今になって考えると薬と混じったせいではないだろうか。カブールでG と飲んでいて、一度泥酔したことがあるが、この日もかなり酔ってしまい、最後の方は何を話したのかとんと覚えてない。泥酔しやすい相手というのがいるのだろうか。G にはどんな話もすぐ通じるのでリラックスし過ぎるのかもしれない。
7日の昼は、同じ部署の人たちと国連本部の中のレストランでお食事をして親睦を深めようという主催だったのだが、忙しい人が多いので結局半分くらいは親睦ランチに出ず、オフィスでふんばっていた。出張に来ている分際ではさすがにぶっちぎるわけにも行かず、出席したが、おもしろくもなんともなかった。食事の帰りに、ずっとNYに住んでるHが国連の切手を作ろうと言い張る。写真を撮ってそれを切手にしてくれるのだ。冗談かと思ったら、本気で作りたいらしく、恥ずかしいからやめようとごねてみたが、結局、HとIと三人いっしょの写真の入った切手を作った。Hが持って帰ったが、あれを貼ってほんとになんか送ってきたらかなり恥ずかしい。
夜はJ と「蘭(LAN)」に行った。ここはお肉も寿司もおいしいので、最初にお肉を食べ過ぎて、最後のお寿司が全部食べられなかった。とても無念だし、お店の人に申し訳ない気持ちで土下座したくなった。J は業界は違うが接点もあるので共通の話題も多いが、視点が違ったり、分野による知識の濃淡が同じ業界の人とは異なるのでおもしろい。
食べたもの:
- 黒枝豆
- 日本産真鯛の刺身熱々オイルがけ
- 鮪と梨のタルタルアボガドのせ
- ホタテとローストビーフのなんとかかんとか
- 黒豚のハニーロースト 生姜とニンニクの焦がし醤油
- 寿司二人前
飲んだもの:
- 瞑想水
- 神の河
8日の昼は、以前、慰安旅行みたいなワークショップをやったコンサルの人を呼んでブラウン・バッグ・ランチをオフィスの大親分が催した。またかよっていう気分がオフィス中に蔓延していた。もうこの日の夜にはNYを発つので出発までに片付けたいことが山ほどあるので、僕もその蔓延する気分の一部であったのは確実だと思う。ところが、クライアントのE が彼の同僚を呼んでランチを企画したので、僕はそっちに行くことになった。C もいっしょだが、オフィスの中で仕事を気にしながら、もんもんとサンドウィッチを食べるよりましだろう。また5日と同じパブみたいなところに行ったので、またバッファロー・チキンを頼んだ。
午後10時10分発の飛行機なので、8時には空港に着かないといけない。JFK はセキュリティがうるさいので脅しでなくて本当に時間がかかる。空港に向う前に買い物をしておきたかったので、5時くらいにコートを着て荷物を片付けていたら、C がやってきた。「コート着て何してるの?」とまるで泥棒を見つけたような口調で言う。「はあ?今から買い物行くんだよ」と言うととたんに人相に般若が入ってきた。「じゃあ、どこで会うの?」とまた追求してくる。「僕はホテルに荷物を預けてあるから、買い物をしたらホテルに行って、そこからタクシーに乗るよ」というと、「自分はスーツケースをオフィスに持ってきたのだ、ホテルから荷物を持ってオフィスに戻ってくる気はないのか」といいはなった。あと20歳若かったら顔面に蹴りを入れていたかもしれない。「ない、そんなことしたくないから、ホテルに預けたんだ」ときっぱり言うと、今度はヘチマの顔になった。その時、般若とヘチマをトータルすると、ガラパゴス海亀に似ているかもしれないなとふと思った。「じゃあ、空港まで別々に行こうと言い出してくれ」と念力を発してみたが、それも通じず、ホテルで待ち合わせすることになってしまった。
ショッピング・リストはほとんど無駄に終わった。リストの中で買えたのは、Imperial Life in the Emerald City だけだった。日本の本屋には行く時間もなかった。子どもの本を数冊とDVDを2枚買った。
------------------------------------------------
3-8 Feb 08 Radisson Lexington Hotel
8 Feb 08 Northwest 8644/KL644 22:10-11:30+1 JFK-AMS
9 Feb 08 Northwest 8431 15:10-16:30 AMS-CPH
食べ物回顧録。
2月3日、NYのホテルに着いたらもう午後10時前だったので、外に出るのはやめて、ルームサービスでハンバーガーをとった。巨大な皿に入りきらないくらい巨大なハンバーガーをのせて、巨体のおばさんがもってきた。「大きいなあ・・・」というと、「そうよ、大きいわよ、ウッシ、ウッシ、ウッシ」と身体をゆすって笑った。賞賛されたと思ったのだろうか。半分ほど食べて挫折した。
4日。昼はクライスラービルの一階にできた回転寿司屋にAと二人で言った。コペンハーゲンの状況報告みたいな話をした。夜は最近「酒蔵(Sakagura)」の近くにできた和食屋にBと行き、串焼きとそばを食った。本格的な日本食の店がまた一軒増えた。店の名前を忘れてしまった。
5日。昼はクライアントのEと、フィールドのFの三人でパブのようなところへ行った。EとFはハンバーガーを、僕は好物のバッファロー・チキンを発見してちょっと小躍りして注文した。久しぶりに食べる。僕の立場にとって、Eはお金の入り口、Fはお金の出口に当たるポジションにいるので、この3点セットがうまく行かないと仕事はうまく行かない。いがみ合いの3点セットなど珍しくもなんともないが、EとFとはうまくいっているので幸運だと言えるだろう。仕事の話をさっさと済まして食うことに専念した。
その日の夜も、E+Fの三人で飲みに行く予定だったが、マンハッタンからかなり遠いところに住むEの家にFが泊まっており、そこで飲むらしく、それには時間が足りずキャンセルすることにした。まあ、昼飯いっしょだったのだから、いいだろう。一人の時間ができるとほっとする。一人で「めんちゃんこ亭」に行って、皿うどんを食べた。
6日。昼はややこしい案件の話を今回コペンハーゲンからいっしょにNYに来たCと、クライアント側のD+Eとする予定だったのだが、このCがまた話の分からない人で、かつ話し相手を微妙に苛立たせる人で、きっとDと全面衝突するだろうとこの日の朝5分くらい思い悩んでいた。
結局、ミーティングの前にDと二人で話しをして片付けておく決意をして、ミーティングを1時間遅らせて、Dを連れ出して二人でランチをすることにした。D がイタリアンに行こうと言うのでついて行ったら、去年の夏アミールと行ったところだった。かなりおいしい店だと思う。が、これも店の名前を忘れた。店員の英語のイタリア語訛りが強くてわかりづらい。話は予定通りの暗礁に乗り上げ、予定通りの着地点に到着した。オフィスに戻ってミーティングをすると、5分で終わった。その後、自分のオフィスへの帰り道、Cはいかに自分が話をうまくまとめたか延々と語っていた。こういう人は出世するだろう。
そう言えばその前日にCがどこか夕食に行こうと言うので、「僕はもう毎晩予定が入ってる」というと、般若のような顔になった。「どうしてだ?」と追求してくる。そういう時は何もきかず引き下がるのが礼儀だろうと思うが、Cにはそういう配慮がいっさいない。「NYに5人ガールフレンドがいて、5日しかないので一人ずつに時間を配分するのが難しい」と言ってみると、「NYに5人ガールフレンドがいるのか」と真剣に聞き返してきた。アホか、こいつは。「ただの友だちだよ」と言って立ち去ろうとすると、今度はヘチマのような顔をして、ふーんと言ってるのが聞こえたが、もう無視してホテルに向った。Cは仕事中も一日中喋り続けている。どうでもいい話ばっかりなのだが、それがすべて何か/誰かを罵る話なので、だんだん気分が滅入ってくる。しかも、仕事になると、必ず一言目に「どうしてあたしがそれをしないといけないのか」と呪い始める。そのくせに、お偉方の前になると、いかに自分が仕事がよくでき、熱意を傾けて取り組んでいるかというのを、相手が男だったりすると、猫なで声もところどころに交えて、実にうまく話すのだ。鼻が効くというのだろうか、きっちりそういうポイントは逃さない。Cが国連に来る前に所属していたNGOの人があれはbitch だと言っていたが、彼らもそんなのをまんまと国連になすりつけてうまくやったものだ。
6日の夜は、G と「饗屋(Kyo Ya)」に行った。ここの和食のレベルの高さは日本でもすごいだろうと思う。行く前にちょっと風邪にかかったような気がしたので、薬局で風邪薬を買って飲んでいったのだが、少しお酒を飲むと頭がくらくらしてきた。タバコのせいか、お酒のせいか、と思うが、今になって考えると薬と混じったせいではないだろうか。カブールでG と飲んでいて、一度泥酔したことがあるが、この日もかなり酔ってしまい、最後の方は何を話したのかとんと覚えてない。泥酔しやすい相手というのがいるのだろうか。G にはどんな話もすぐ通じるのでリラックスし過ぎるのかもしれない。
7日の昼は、同じ部署の人たちと国連本部の中のレストランでお食事をして親睦を深めようという主催だったのだが、忙しい人が多いので結局半分くらいは親睦ランチに出ず、オフィスでふんばっていた。出張に来ている分際ではさすがにぶっちぎるわけにも行かず、出席したが、おもしろくもなんともなかった。食事の帰りに、ずっとNYに住んでるHが国連の切手を作ろうと言い張る。写真を撮ってそれを切手にしてくれるのだ。冗談かと思ったら、本気で作りたいらしく、恥ずかしいからやめようとごねてみたが、結局、HとIと三人いっしょの写真の入った切手を作った。Hが持って帰ったが、あれを貼ってほんとになんか送ってきたらかなり恥ずかしい。
夜はJ と「蘭(LAN)」に行った。ここはお肉も寿司もおいしいので、最初にお肉を食べ過ぎて、最後のお寿司が全部食べられなかった。とても無念だし、お店の人に申し訳ない気持ちで土下座したくなった。J は業界は違うが接点もあるので共通の話題も多いが、視点が違ったり、分野による知識の濃淡が同じ業界の人とは異なるのでおもしろい。
食べたもの:
- 黒枝豆
- 日本産真鯛の刺身熱々オイルがけ
- 鮪と梨のタルタルアボガドのせ
- ホタテとローストビーフのなんとかかんとか
- 黒豚のハニーロースト 生姜とニンニクの焦がし醤油
- 寿司二人前
飲んだもの:
- 瞑想水
- 神の河
8日の昼は、以前、慰安旅行みたいなワークショップをやったコンサルの人を呼んでブラウン・バッグ・ランチをオフィスの大親分が催した。またかよっていう気分がオフィス中に蔓延していた。もうこの日の夜にはNYを発つので出発までに片付けたいことが山ほどあるので、僕もその蔓延する気分の一部であったのは確実だと思う。ところが、クライアントのE が彼の同僚を呼んでランチを企画したので、僕はそっちに行くことになった。C もいっしょだが、オフィスの中で仕事を気にしながら、もんもんとサンドウィッチを食べるよりましだろう。また5日と同じパブみたいなところに行ったので、またバッファロー・チキンを頼んだ。
午後10時10分発の飛行機なので、8時には空港に着かないといけない。JFK はセキュリティがうるさいので脅しでなくて本当に時間がかかる。空港に向う前に買い物をしておきたかったので、5時くらいにコートを着て荷物を片付けていたら、C がやってきた。「コート着て何してるの?」とまるで泥棒を見つけたような口調で言う。「はあ?今から買い物行くんだよ」と言うととたんに人相に般若が入ってきた。「じゃあ、どこで会うの?」とまた追求してくる。「僕はホテルに荷物を預けてあるから、買い物をしたらホテルに行って、そこからタクシーに乗るよ」というと、「自分はスーツケースをオフィスに持ってきたのだ、ホテルから荷物を持ってオフィスに戻ってくる気はないのか」といいはなった。あと20歳若かったら顔面に蹴りを入れていたかもしれない。「ない、そんなことしたくないから、ホテルに預けたんだ」ときっぱり言うと、今度はヘチマの顔になった。その時、般若とヘチマをトータルすると、ガラパゴス海亀に似ているかもしれないなとふと思った。「じゃあ、空港まで別々に行こうと言い出してくれ」と念力を発してみたが、それも通じず、ホテルで待ち合わせすることになってしまった。
ショッピング・リストはほとんど無駄に終わった。リストの中で買えたのは、Imperial Life in the Emerald City だけだった。日本の本屋には行く時間もなかった。子どもの本を数冊とDVDを2枚買った。
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3-8 Feb 08 Radisson Lexington Hotel
8 Feb 08 Northwest 8644/KL644 22:10-11:30+1 JFK-AMS
9 Feb 08 Northwest 8431 15:10-16:30 AMS-CPH
Sunday, February 03, 2008
惜しい。
NYに着いた。予想(予報?)通り、全然寒くない。
Door-to-door の時間を計算すれば、全部で16時間くらいかかっている。疲れるわなあ。
アムステルダムの空港が全面禁煙になっていた。去年の11月に通過した時はまだすえたのに。
乗り継ぎの時間が6時間近くあったので、空港ビルの外に出てすうことにした。しかし、タバコを2本すうためだけに入国と出国の手続きをするはめになった。
『神様のプレゼント 永沢光雄・生きた 書いた 飲んだ』 永沢光雄/永沢昌子 (著)を読んだ。アムステルダムを発つ前に読み終わってしまった。
惜しい。ほんとに惜しい才能がまた一つ地上から消えて行った。
Door-to-door の時間を計算すれば、全部で16時間くらいかかっている。疲れるわなあ。
アムステルダムの空港が全面禁煙になっていた。去年の11月に通過した時はまだすえたのに。
乗り継ぎの時間が6時間近くあったので、空港ビルの外に出てすうことにした。しかし、タバコを2本すうためだけに入国と出国の手続きをするはめになった。
『神様のプレゼント 永沢光雄・生きた 書いた 飲んだ』 永沢光雄/永沢昌子 (著)を読んだ。アムステルダムを発つ前に読み終わってしまった。
惜しい。ほんとに惜しい才能がまた一つ地上から消えて行った。
Saturday, February 02, 2008
右往左往
全然知らなかったが、来週の火曜日から二日間、東京でアフガニスタン復興について国際会議があるらしい。
TOKYO, Feb. 2 (Xinhua) -- Japan will host a two-day international conference on Afghanistan's reconstruction started from next Tuesday in Tokyo, officials from the foreign ministry said on Saturday.
Delegates from 24 countries and international organizations will take part in and to hold discussions on the topics of security, economic development and further financial donations for the war-torn country.
こういう会議でリアルタイムの現実を反映するのは難しいものだが、かといって、もうすでに現場からの自己批判がおおっぴらに出てきている今となっては、あんまりのーてんきなことを言うのもかっこがつかないだろう。いったいどういう基調で運営していけばいいんだろう。担当者は苦しいだろうな。
明日からまたNYだ。費用対効果を考えると、これもまた疑問だらけ。そんなことより個人的には、ともかくめんどくさい。まったく電話も会議もメールも入ってこず、誰も話しかけてこない、仕事だけに没頭できる、そんな日が一週間に一日あれば、全体としてはものすごく仕事の効率があがると思うのだが、そんなビジネス論はないのだろうか。
NYに行くと言っても、「めんちゃんこ亭」の皿うどんと、「酒蔵」のそばと、「蘭」の寿司と・・・・、和食を食べる予定しか頭に浮かんでこない。まるで日本に帰るような気分だな。
今日は午前中で終わる日本語学校に行っている息子を迎えに行こうと準備をしていたら、エリトリアのオフィスから電話がかかってきた。エリトリア・エチオピアの国境紛争の停戦を監視する平和維持活動に関する安全保障理事会と国連事務総長の発言が矛盾して、どうも困った事態になっている(はあ?)、エリトリア政府がガソリンの配給を止めたので備蓄でしのいでいるが、あと1週間ももたない(そう)、撤退の準備を始める(はあ)・・・
やっと2008年度の予算が承認されたと思ったら、あぁぁーーー、もう知らないよ、勝手にしてくれ、と言いたくなったが、結局1時間くらい話していた。運良くか運悪くかどうせ月曜日はNYなので、DPKOの担当者と話をして、どういうシナリオが想定されているのか聞かないと。
それと同時に、とりあえずローカル・スタッフの給料と当分もぬけのからになるかもしれないオフィスの家賃を半年分くらい払える処置をしておかないと、ゴタゴタが始まってからではめんどくさいことになる。言うのは簡単だが、恐ろしく非効率な官僚システムの中ではこういうことが一番うざい。胃が破裂して血が噴出しそうなくらいフラストレーションがたまる。今から遭遇することを考えただけで、もう胃が捻り上げられるような感覚がある。
しかし、エリトリアのオフィスの人は明日、アディス・アベバに当面の引越し先を確保しに行くと言っているし、文字通り右往左往の状態なのだろう。こっちでお金のことくらいバックアップしないと、フィールドの人は困ったことになってしまう。なんとかしないと。
NYは暖冬らしい。ウェブの天気予報を見るとコペンハーゲンよりも平均して5度くらい高い。何着ていこうかな。ダウンは邪魔かもな。あーパッキング面倒くさい。唐突だけど、マドンナなんて一生自分でパッキングなんてしないんだろうな。
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3 FEB 2007: Northwest 8428 12:15-13:40; CPH-AMS
3 FEB 2007: Northwest 8643 18:10-20:10 AMS-JFK
TOKYO, Feb. 2 (Xinhua) -- Japan will host a two-day international conference on Afghanistan's reconstruction started from next Tuesday in Tokyo, officials from the foreign ministry said on Saturday.
Delegates from 24 countries and international organizations will take part in and to hold discussions on the topics of security, economic development and further financial donations for the war-torn country.
こういう会議でリアルタイムの現実を反映するのは難しいものだが、かといって、もうすでに現場からの自己批判がおおっぴらに出てきている今となっては、あんまりのーてんきなことを言うのもかっこがつかないだろう。いったいどういう基調で運営していけばいいんだろう。担当者は苦しいだろうな。
明日からまたNYだ。費用対効果を考えると、これもまた疑問だらけ。そんなことより個人的には、ともかくめんどくさい。まったく電話も会議もメールも入ってこず、誰も話しかけてこない、仕事だけに没頭できる、そんな日が一週間に一日あれば、全体としてはものすごく仕事の効率があがると思うのだが、そんなビジネス論はないのだろうか。
NYに行くと言っても、「めんちゃんこ亭」の皿うどんと、「酒蔵」のそばと、「蘭」の寿司と・・・・、和食を食べる予定しか頭に浮かんでこない。まるで日本に帰るような気分だな。
今日は午前中で終わる日本語学校に行っている息子を迎えに行こうと準備をしていたら、エリトリアのオフィスから電話がかかってきた。エリトリア・エチオピアの国境紛争の停戦を監視する平和維持活動に関する安全保障理事会と国連事務総長の発言が矛盾して、どうも困った事態になっている(はあ?)、エリトリア政府がガソリンの配給を止めたので備蓄でしのいでいるが、あと1週間ももたない(そう)、撤退の準備を始める(はあ)・・・
やっと2008年度の予算が承認されたと思ったら、あぁぁーーー、もう知らないよ、勝手にしてくれ、と言いたくなったが、結局1時間くらい話していた。運良くか運悪くかどうせ月曜日はNYなので、DPKOの担当者と話をして、どういうシナリオが想定されているのか聞かないと。
それと同時に、とりあえずローカル・スタッフの給料と当分もぬけのからになるかもしれないオフィスの家賃を半年分くらい払える処置をしておかないと、ゴタゴタが始まってからではめんどくさいことになる。言うのは簡単だが、恐ろしく非効率な官僚システムの中ではこういうことが一番うざい。胃が破裂して血が噴出しそうなくらいフラストレーションがたまる。今から遭遇することを考えただけで、もう胃が捻り上げられるような感覚がある。
しかし、エリトリアのオフィスの人は明日、アディス・アベバに当面の引越し先を確保しに行くと言っているし、文字通り右往左往の状態なのだろう。こっちでお金のことくらいバックアップしないと、フィールドの人は困ったことになってしまう。なんとかしないと。
NYは暖冬らしい。ウェブの天気予報を見るとコペンハーゲンよりも平均して5度くらい高い。何着ていこうかな。ダウンは邪魔かもな。あーパッキング面倒くさい。唐突だけど、マドンナなんて一生自分でパッキングなんてしないんだろうな。
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3 FEB 2007: Northwest 8428 12:15-13:40; CPH-AMS
3 FEB 2007: Northwest 8643 18:10-20:10 AMS-JFK
Friday, February 01, 2008
部族性
Oxfam がアフガニスタンに対する国際社会の対応を憂う、みたいな声明を出したせいか、同様の路線の記事が目立ってきたように思うのは気のせいか。
Economistの ”In the dark"(Jan 31st 2008)も、その一つのように思える。パクティア県、パクティカ県、ホスト県の強力な部族勢力をタリバンと区別して書いていたのは、珍しい。これらの県はISAFがコントロールできないと言っていたところだが、たいていメディアはこういうところをタリバン一色みたいに扱う。しかし、タリバンにとっても難しい地域であるとこの記事が書いているところを見ると、Economist はちゃんとした情報源を持っているのだろう。
タリバンの二大特色のように語られている宗教性と部族性(パシュトゥーン性?)を抜いてみると、混乱した時代の世直し運動みたいなものが残る。つまり、とてもローカルなもの、ある特定地域・国に限定しないと意味のないものだ。そのへんで、アル・カイダのような地球まるごとの変革を志向しているようなグループとは、少なくとも短期的にはギャップができる。このギャップにはとても大きな意味があると思うのだが、世界テロ戦争がそれを見えなくしてしまう。
しかし、6年間すったもんだしたすえに、ようやくそれがアフガニスタンに展開する各国軍にも明らかになってきたということなのだろう。世直しをもとめる一般民衆がタリバンしか求めるものがないという状況を打破しない限り、どうにもならないということがいろんな形で語られているだけのように思う。カルザイ個人はともかく彼の政権には一般民衆がもっとも嫌悪する人々が大挙して巣食っていた。これはカルザイにはとても大きなハンディキャップだが、それも国際社会のとんでもない勘違いの産物で、彼にはどうしようもなかっただろう。
タリバンに関するもっとも根本的な誤解は、タリバンを宗教性と部族性で特色付けることだろう。この二つは突き詰めれば根本的に相容れないものだ。宗教の普遍性に対して、部族の個別性はどこかで衝突せざるを得ない。イスラム教はそもそも砂漠の部族間抗争の混沌から目を覚ます役割を果たしていた、と井筒俊彦は書いていた。実際タリバン時代に仕事をしていたわれわれは、仕事相手の大臣がタジクだったり、コマンダーがハザラだったりしていたので、タリバンを部族性(パシュトゥーン性)でまとめるのはおかしいと感じていた。しかし、対立する相手が部族として固まっているわけだから、部族間抗争に見えたのもしょうがないかもしれない。
Economist の記事はこういうタリバンの非部族性としての部族性みたいなことを書いているので、よく見ている人がいるものだと思った。
Economistの ”In the dark"(Jan 31st 2008)も、その一つのように思える。パクティア県、パクティカ県、ホスト県の強力な部族勢力をタリバンと区別して書いていたのは、珍しい。これらの県はISAFがコントロールできないと言っていたところだが、たいていメディアはこういうところをタリバン一色みたいに扱う。しかし、タリバンにとっても難しい地域であるとこの記事が書いているところを見ると、Economist はちゃんとした情報源を持っているのだろう。
タリバンの二大特色のように語られている宗教性と部族性(パシュトゥーン性?)を抜いてみると、混乱した時代の世直し運動みたいなものが残る。つまり、とてもローカルなもの、ある特定地域・国に限定しないと意味のないものだ。そのへんで、アル・カイダのような地球まるごとの変革を志向しているようなグループとは、少なくとも短期的にはギャップができる。このギャップにはとても大きな意味があると思うのだが、世界テロ戦争がそれを見えなくしてしまう。
しかし、6年間すったもんだしたすえに、ようやくそれがアフガニスタンに展開する各国軍にも明らかになってきたということなのだろう。世直しをもとめる一般民衆がタリバンしか求めるものがないという状況を打破しない限り、どうにもならないということがいろんな形で語られているだけのように思う。カルザイ個人はともかく彼の政権には一般民衆がもっとも嫌悪する人々が大挙して巣食っていた。これはカルザイにはとても大きなハンディキャップだが、それも国際社会のとんでもない勘違いの産物で、彼にはどうしようもなかっただろう。
タリバンに関するもっとも根本的な誤解は、タリバンを宗教性と部族性で特色付けることだろう。この二つは突き詰めれば根本的に相容れないものだ。宗教の普遍性に対して、部族の個別性はどこかで衝突せざるを得ない。イスラム教はそもそも砂漠の部族間抗争の混沌から目を覚ます役割を果たしていた、と井筒俊彦は書いていた。実際タリバン時代に仕事をしていたわれわれは、仕事相手の大臣がタジクだったり、コマンダーがハザラだったりしていたので、タリバンを部族性(パシュトゥーン性)でまとめるのはおかしいと感じていた。しかし、対立する相手が部族として固まっているわけだから、部族間抗争に見えたのもしょうがないかもしれない。
Economist の記事はこういうタリバンの非部族性としての部族性みたいなことを書いているので、よく見ている人がいるものだと思った。
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