Saturday, February 09, 2008

食べ物

今日コペンハーゲンに戻ってきた。暖冬NYの後なので、思いっきり寒さを覚悟していたら、拍子抜けするような生暖かさだった。と思ったら、次男と妻が風邪をひいてもがいていた。やはりコペンハーゲンの冬はまだ続いている。

食べ物回顧録。
2月3日、NYのホテルに着いたらもう午後10時前だったので、外に出るのはやめて、ルームサービスでハンバーガーをとった。巨大な皿に入りきらないくらい巨大なハンバーガーをのせて、巨体のおばさんがもってきた。「大きいなあ・・・」というと、「そうよ、大きいわよ、ウッシ、ウッシ、ウッシ」と身体をゆすって笑った。賞賛されたと思ったのだろうか。半分ほど食べて挫折した。

4日。昼はクライスラービルの一階にできた回転寿司屋にAと二人で言った。コペンハーゲンの状況報告みたいな話をした。夜は最近「酒蔵(Sakagura)」の近くにできた和食屋にBと行き、串焼きとそばを食った。本格的な日本食の店がまた一軒増えた。店の名前を忘れてしまった。

5日。昼はクライアントのEと、フィールドのFの三人でパブのようなところへ行った。EとFはハンバーガーを、僕は好物のバッファロー・チキンを発見してちょっと小躍りして注文した。久しぶりに食べる。僕の立場にとって、Eはお金の入り口、Fはお金の出口に当たるポジションにいるので、この3点セットがうまく行かないと仕事はうまく行かない。いがみ合いの3点セットなど珍しくもなんともないが、EとFとはうまくいっているので幸運だと言えるだろう。仕事の話をさっさと済まして食うことに専念した。

その日の夜も、E+Fの三人で飲みに行く予定だったが、マンハッタンからかなり遠いところに住むEの家にFが泊まっており、そこで飲むらしく、それには時間が足りずキャンセルすることにした。まあ、昼飯いっしょだったのだから、いいだろう。一人の時間ができるとほっとする。一人で「めんちゃんこ亭」に行って、皿うどんを食べた。

6日。昼はややこしい案件の話を今回コペンハーゲンからいっしょにNYに来たCと、クライアント側のD+Eとする予定だったのだが、このCがまた話の分からない人で、かつ話し相手を微妙に苛立たせる人で、きっとDと全面衝突するだろうとこの日の朝5分くらい思い悩んでいた。

結局、ミーティングの前にDと二人で話しをして片付けておく決意をして、ミーティングを1時間遅らせて、Dを連れ出して二人でランチをすることにした。D がイタリアンに行こうと言うのでついて行ったら、去年の夏アミールと行ったところだった。かなりおいしい店だと思う。が、これも店の名前を忘れた。店員の英語のイタリア語訛りが強くてわかりづらい。話は予定通りの暗礁に乗り上げ、予定通りの着地点に到着した。オフィスに戻ってミーティングをすると、5分で終わった。その後、自分のオフィスへの帰り道、Cはいかに自分が話をうまくまとめたか延々と語っていた。こういう人は出世するだろう。

そう言えばその前日にCがどこか夕食に行こうと言うので、「僕はもう毎晩予定が入ってる」というと、般若のような顔になった。「どうしてだ?」と追求してくる。そういう時は何もきかず引き下がるのが礼儀だろうと思うが、Cにはそういう配慮がいっさいない。「NYに5人ガールフレンドがいて、5日しかないので一人ずつに時間を配分するのが難しい」と言ってみると、「NYに5人ガールフレンドがいるのか」と真剣に聞き返してきた。アホか、こいつは。「ただの友だちだよ」と言って立ち去ろうとすると、今度はヘチマのような顔をして、ふーんと言ってるのが聞こえたが、もう無視してホテルに向った。Cは仕事中も一日中喋り続けている。どうでもいい話ばっかりなのだが、それがすべて何か/誰かを罵る話なので、だんだん気分が滅入ってくる。しかも、仕事になると、必ず一言目に「どうしてあたしがそれをしないといけないのか」と呪い始める。そのくせに、お偉方の前になると、いかに自分が仕事がよくでき、熱意を傾けて取り組んでいるかというのを、相手が男だったりすると、猫なで声もところどころに交えて、実にうまく話すのだ。鼻が効くというのだろうか、きっちりそういうポイントは逃さない。Cが国連に来る前に所属していたNGOの人があれはbitch だと言っていたが、彼らもそんなのをまんまと国連になすりつけてうまくやったものだ。

6日の夜は、G と「饗屋(Kyo Ya)」に行った。ここの和食のレベルの高さは日本でもすごいだろうと思う。行く前にちょっと風邪にかかったような気がしたので、薬局で風邪薬を買って飲んでいったのだが、少しお酒を飲むと頭がくらくらしてきた。タバコのせいか、お酒のせいか、と思うが、今になって考えると薬と混じったせいではないだろうか。カブールでG と飲んでいて、一度泥酔したことがあるが、この日もかなり酔ってしまい、最後の方は何を話したのかとんと覚えてない。泥酔しやすい相手というのがいるのだろうか。G にはどんな話もすぐ通じるのでリラックスし過ぎるのかもしれない。

7日の昼は、同じ部署の人たちと国連本部の中のレストランでお食事をして親睦を深めようという主催だったのだが、忙しい人が多いので結局半分くらいは親睦ランチに出ず、オフィスでふんばっていた。出張に来ている分際ではさすがにぶっちぎるわけにも行かず、出席したが、おもしろくもなんともなかった。食事の帰りに、ずっとNYに住んでるHが国連の切手を作ろうと言い張る。写真を撮ってそれを切手にしてくれるのだ。冗談かと思ったら、本気で作りたいらしく、恥ずかしいからやめようとごねてみたが、結局、HとIと三人いっしょの写真の入った切手を作った。Hが持って帰ったが、あれを貼ってほんとになんか送ってきたらかなり恥ずかしい。

夜はJ と「蘭(LAN)」に行った。ここはお肉も寿司もおいしいので、最初にお肉を食べ過ぎて、最後のお寿司が全部食べられなかった。とても無念だし、お店の人に申し訳ない気持ちで土下座したくなった。J は業界は違うが接点もあるので共通の話題も多いが、視点が違ったり、分野による知識の濃淡が同じ業界の人とは異なるのでおもしろい。
食べたもの:
- 黒枝豆
- 日本産真鯛の刺身熱々オイルがけ
- 鮪と梨のタルタルアボガドのせ
- ホタテとローストビーフのなんとかかんとか
- 黒豚のハニーロースト 生姜とニンニクの焦がし醤油
- 寿司二人前
飲んだもの:
- 瞑想水
- 神の河

8日の昼は、以前、慰安旅行みたいなワークショップをやったコンサルの人を呼んでブラウン・バッグ・ランチをオフィスの大親分が催した。またかよっていう気分がオフィス中に蔓延していた。もうこの日の夜にはNYを発つので出発までに片付けたいことが山ほどあるので、僕もその蔓延する気分の一部であったのは確実だと思う。ところが、クライアントのE が彼の同僚を呼んでランチを企画したので、僕はそっちに行くことになった。C もいっしょだが、オフィスの中で仕事を気にしながら、もんもんとサンドウィッチを食べるよりましだろう。また5日と同じパブみたいなところに行ったので、またバッファロー・チキンを頼んだ。

午後10時10分発の飛行機なので、8時には空港に着かないといけない。JFK はセキュリティがうるさいので脅しでなくて本当に時間がかかる。空港に向う前に買い物をしておきたかったので、5時くらいにコートを着て荷物を片付けていたら、C がやってきた。「コート着て何してるの?」とまるで泥棒を見つけたような口調で言う。「はあ?今から買い物行くんだよ」と言うととたんに人相に般若が入ってきた。「じゃあ、どこで会うの?」とまた追求してくる。「僕はホテルに荷物を預けてあるから、買い物をしたらホテルに行って、そこからタクシーに乗るよ」というと、「自分はスーツケースをオフィスに持ってきたのだ、ホテルから荷物を持ってオフィスに戻ってくる気はないのか」といいはなった。あと20歳若かったら顔面に蹴りを入れていたかもしれない。「ない、そんなことしたくないから、ホテルに預けたんだ」ときっぱり言うと、今度はヘチマの顔になった。その時、般若とヘチマをトータルすると、ガラパゴス海亀に似ているかもしれないなとふと思った。「じゃあ、空港まで別々に行こうと言い出してくれ」と念力を発してみたが、それも通じず、ホテルで待ち合わせすることになってしまった。

ショッピング・リストはほとんど無駄に終わった。リストの中で買えたのは、Imperial Life in the Emerald City だけだった。日本の本屋には行く時間もなかった。子どもの本を数冊とDVDを2枚買った。

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3-8 Feb 08 Radisson Lexington Hotel
8 Feb 08 Northwest 8644/KL644 22:10-11:30+1 JFK-AMS
9 Feb 08 Northwest 8431 15:10-16:30 AMS-CPH

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