Sunday, March 16, 2008

従順な日本

WIRED でTED 2008: How Good People Turn Evil, From Stanford to Abu Ghraib を読んでみたら、コメントの方がおもしろかった。日本=従順なサル論は根強く残っているのを感じる。

日本語版は少しだけ、ここに載ってる、 人が悪魔になる時――アブグレイブ虐待とスタンフォード監獄実験

アフガニスタンやイラクやイランを徹底的に叩いて石器時代に戻してやれという戦争肯定派は(原始時代レベルまで"復興開発"したいらしい)、しばしば日本の例を成功例と持ち出すから、また虫酸が走る。あれだけWWII で、こてんぱてんに叩いてやったから、ようやく日本も文明国らしくふるまうようになって、従順に言うことを聞くようになったではなかと、だからいずれアフガニスタンもイラクもそうなるんだ、という意見。もうこれは無知の複雑骨折としかいいようがないと思うのだが、そう見られている日本のえらい人たちの方には何かご意見はおありなのだろうか。

夜、デンマークのテレビで、イラク戦争に行ったアメリカ人の追跡ドキュメントをやっていた。彼らは母国に帰っても結局居場所が見つけられない。ホームレスというわけではない。自分が帰属しているという感覚をもう持てなくなっている。なんとかしてイラクであったことを考えないようにしているが、一日中それが頭から離れない。顕れ方や程度の差はあれ、みんなPTSDに悩んでいるのだ。2001年から、現在までの数人の仲間たちの追跡ドキュメンタリーなのだが、結局一人はイラクに帰っていった。死ぬまで僕の心は平和にならないってことが分かったんだ、他のやつらが目の前に死んだんだから、と言って。

アメリカのイラク侵略戦争はイラクの悲劇とは別にアメリカに悲劇を増産している。ブッシュは21世紀最低の大統領として、それでも歴史に名を刻むのだろう。

No comments: