Friday, March 21, 2008

Race Speech

Race Speech とは、また妙な響きだと思った。
最初、ライブで聞いていたのだが、後でもう一度聞いてみようと思わせるものがあった。
非常にレトリックがうまい。すごい高給のライターやブレインが集まって作ったのだろう。Race is an issue this nation can't afford to ignore right now. のような言い回しは他の候補者にとって、実にうざいのではないだろうか。もはや人種問題を正面からとりあげないと、逃げていることになってしまう。彼はこのようなレトリックの連続を見事に自分のものにして話している。おそろしく頭が良さそうだ。

それにしても、Race Speech とは・・・。人種問題をあえて正面からとりあげるのは選挙戦略としては、誰もが避けたいのではないだろうか。少しぶれれば大火傷をするだろうし、当たり障りのないことを言うだけなら、ボンクラに見えるだけで何も得にならない。きっかけがあったにしろ、彼が人種問題に直球勝負に出る決意をさせたのは何だったのだろう?

例えば、もう絶体絶命というところまで追い込まれている候補者なら、最後のあがきで一発勝負に出たということも考えられる。しかし、彼の場合はそうではない。逆に今追い風が吹いているところだ。だとしたら、ここで一気に差をつけて勝負をつけたいと考えたのだろうか。

選挙戦術的にはいろんな理由があり得るのだろうが、そういう戦術的なことではなく、彼がほんとに人種問題を彼の政治の中心に位置付けている、あるいは彼をそもそも政治に向かわせたのは人種問題であった、というような見方もありえる。大統領選にしたら、あまりにナイーヴな見方かもしれないが、それもブッシュ後に現れてくる現象の一つと思えば、それほど奇怪なことでもないかもしれない。オバマの登場自体がPost-Bush America の象徴のように思える。

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