Thursday, December 09, 2004

バグダッドのレッド・ツェッペリン

9時半にミーティングのはずだったが、起きたら9時20分だった。0.5秒くらいの間に三つくらい言い訳を考えたが、1.5秒後くらいにバカバカしくなって、ゆっくりシャワーを浴びることにした。1時間遅れでミーティングに行ったが、向こうもやることは山ほどあるのだろう。その順番を変えただけで別にどうということもなかった。何してた?と訊かれたので、寝ていた、と答えた。

ブリーフィングを受けるうちに、これは予想以上にchallengingな仕事であることが分かってきた。fix してほしいとか、reality-check を期待しているとか、喧嘩して欲しいとか不穏な言葉が連発される。過剰な期待をかけられているようで、やや焦るがその方がやりがいはあるというものだ。しかし、できんのかいな。

一日中ブリーフィングの嵐でくたくたに疲れてホテルに帰ったが、夕食はブルックリンのカツさんの家ですることになっていたので、ちょっと横になって、またすぐにホテルを出た。雨が降っていて、なかなかタクシーがつかまらない。やっとつかまえたタクシーのドライバーはブルックリンをよく知らないという。道を説明するからと言って、そのままそのタクシーでブルックリンに向かった。ブルックリンなんて行ったことないんだけど。

タクシードライバーはジャマイカ人で、日本から中古車を輸入してジャマイカで売る仕事をするのが夢だと言っていた。もうタクシーの運転はうんざりだそうだ。日本のことは知っているのかと訊くと、ブルックリンよりはよく知っていると答えた。ジョークの言える人で安心した。それからは結構楽しく話しながら、カツさんに聞いたとおり道を説明していると、なんなくカツ宅に到着した。

* * *

カツさんとタッキー夫妻は裕福ではないながらも、幸せな生活をしているのが見て取れた。今の日本にはなくなったようなものがここにあるような気がした。素朴で質素で現在に中心があり、それでも安心のある生活。これでは日本の生活はバカバカしくてやってられないだろう。

カツさんがイラクで撮ったビデオがあったので、途中で合流したテレビのディレクター二人とみんなで見ていた。車の中で常にかけていた音楽と映像がよく合っていて、全然退屈しない出来になっている。ディレクター二人もしきりに感心して、何かに使えないかと話していた。それにしても、バグダッドの映像にはレッド・ツェッペリンがとても合っている。なぜだろう?

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