Saturday, December 25, 2004

風向き

テレビを見ていると、今、カブールはマイナス一度だと出ていた。

アフガン政府の新しい内閣人事が発表になったが、12年くらい前にクエッタの事務所でいっしょに仕事していたアフガン人がある省の大臣になっていた。その彼に昨日の夜、クリスマス・パーティであったので、おめでとうと言うと、まじで照れていた。どうしよう、難しい仕事だとか言いながら。

アフガン人の間で風向きが変わってきたのを感じる。もっとも優秀なアフガン人が国連など外国機関に吸い取られる時期が長く続いていたが、それが徐々に変わってきたのだ。今、彼らの中にアフガン政府に入ることを考える者が増えてきた。すぐに政府に入るのは危険だと考えていたアフガン人が多かったのは不思議ではない。

3年間ほど様子を見ていた後、このまま安定する方に賭ける者が増えてきたというのは良い兆候なのだろう。しかし、すでに政府の中でかなり高い地位にいるアフガン人でも、自分はいつでも大臣になれるが、まだ5年くらいは様子を見ると言っていた。今なったところで、まだ何回か揺り戻しがあると彼は見ている。生れた時から危機の中で生きてきたアフガン人らしい。

かなりなじみ深い国とはいえ、風向きを敏感に察知しながら動いていかなければ生き残れない人生を生きてきた人たちの国に、世界の風向きをさっぱり読めなくなった国からやってくると、やはり強烈な落差を感じる。

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