Monday, December 20, 2004

Tourists and travelers

ゲストハウスに何枚かころがっているDVDの中にベルトルッチの"The Sheltering Sky"があったので、ノートPCの小さいディスプレイで見てみた。砂漠の写真がパッケージにあったので、なんとなく見てみようと思ったのだけど、砂漠はあんまり関係なかった。たいしてストーリーがあるわけでなく、強いて言えば男と女の感情が主題になっているのだけど、作者の意図としては、詩的に味わってもらわないと困る映画なのだろう。砂漠も詩的に意味があって、歴史的にも民俗学的にも社会学的にも解釈してはダメっぽかった。娯楽ではなく、芸術なのだ、と説教されそうな気がした。

まあ、どうでもいいんだけど、冒頭のメインの役者三人の会話が記憶に残った。これから旅に出ようとする三人の会話なのだけど、一人が tourists と言う言葉を使うと、別の一人が自分たちは tourists ではないと言う。彼によると、「tourists というのは、出発した時から戻ることを考えている人なのだ」という。そして、彼は自分たちはtravelersだという。そこで三人目がすかさず、「travelers というのは、戻ることを考えてない人なのだ」と言う。

tourists:戻ることを考えている人。
travelers:戻ることを考えていない人。

おもしろい使い分けだと思った。確かに、現象としてそういう違いは存在する。ただ、どの言葉がそれぞれに当てはまるかが合意されてないだけで。たぶん、これからも、tourists と travelers の、この使い分けは定着しないだろうし。

十年ほど前にりっつぁんに紹介してもらって読んだ筒井康隆の『旅のラゴス』が僕にとっての旅のイメージだけど、あれはどっちだろう。やはり travelers かな。内容をほとんど忘れてしまったので、判断できない。

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