Thursday, December 22, 2005

昨日は気分が悪くて眠れなかった。吐き気がするのだが、吐けない中途半端なsick で、ベッドの上でのた打ち回っていた。朝5時くらいに少しましになってきたが、結局寝るのは諦めて、昨日もらった『フォーサイト』を読むことにした。そのまま寝ずにチェックアウトして、帰国したらいつも行く赤坂見付の『長寿庵』に行った。「もりそば」と「しめじそば」を頼んだ。いつもはあっさり食べれるのに、今日は途中でしんどくなってきた。胃が抵抗している。

やはり帰国したらいつも行く『スカイ』に散髪をしに行ったら、「ああ、やばいよ、3時までびっちり」と僕が「怪力女」と呼んでいるマッサージ担当に言われた。「じゃあ、来年来る」と言うと、「今年はどうもお世話になりました。来年もよろしく、アハハ」と景気よく笑っていた。忙しくてハイになってる感じだった。そうか、こういう業種は年末稼ぎ時なんだなと思い出した。

飛行機にするか新幹線にするか考えながら、ホテルへの道を歩いていると、本屋があったので、バンコクからの飛行機の中で日本の新聞に載っていた書評を読んで何冊かの書名をメモしていたことを思い出した。でも、今メモはない。本を見れば思い出すかもしれないと思って店に入ったが、ほとんど思い出せなかった。結局メモとは関係なく『新リア王(上・下)』高村薫(新潮社)と『国家の品格』藤原正彦(新潮新書)を買った。

どうも今日本は雪がたくさん降ったり、停電だったりするらしいので、飛行機はやめることにした。飛行機はちょっとしたことで数時間遅れたりする。

東京駅に行くと人がたくさんいた。新幹線が混んでいる。年末だからこれくらいなのか、みんな飛行機を敬遠してこうなるのか分からないが、すぐに乗れる「のぞみ」の普通車はもういっぱいだった。グリーン車にしたが、これも窓側は満席だと自動券売機が表示している。別に窓でも廊下でもいいので、これに乗ることにした。

東京駅を出る前に僕はもう寝ていたみたいだ。目が覚めると名古屋駅を出るところだった。ふと窓の外を見ると、雪で真っ白の景色が続いている。新大阪に着くのは30分から40分遅れるというアナウンスをしている。雪国へ行くような気分になってきた。

新大阪駅に着いてタクシーに乗って、「箕面の方へ向かってください」というと、少し間があって、運転手さんはどのへんですかと訊く。新御堂筋を北に向かって、171号線で京都方面へ、右に曲がって、しばらく行ってから山の方へ入るんですけど、と言うと、どれくらい入りますかと訊く。150メートルくらいかなと言うと、やっと「ああ、それなら行けるわ」と言う。変なことを言う。「えっ?なんで?」と訊くと、道路が凍結していて、箕面方面はやばいということだった。朝は吹雪で大阪市内に10センチの雪が積もって、新御堂筋も北の方が凍結していて、走れなかったそうだ。今夜も9時頃くらいまでしか走れないやろなと言っていた。

実際、新御堂筋を北に向かうとどんどん残った雪が増え始めた。家の近くの歩道は雪が凍っていて、人々はとても慎重に下を見ながら歩いていた。家の前にあるロータリーふうの車寄せは完全に凍っていて、タクシーの運転手は時速1キロくらいに落としてそろそろと近づいていった。すごいことになっていたんだな。家族の誰かが道でこけて怪我とかしてないかなとちょっと心配になってきた。去年は母が凍った道でこけて手を骨折した。

ドアを開けると、2歳7ヶ月の下の子がパパァ!と言いながら、洟を垂らしながら走ってきた。6歳5ヶ月の上の子は手を後ろに組みながらニコニコしながら、下の子のはしゃぎぶりを見ている。ほんの少し前までは上の子がこうやって走ってきたものだが、大きくなったなと思う。

二人にバンコクで買ったおもちゃをあげると、やはり反応の違いがもうはっきりしてきた。下の子は未来車ミニカーの10台セットを持って「Car! Car! Car !」と叫びながら転げまわるという様子だが、上の子はバットマンの乗っているバイクの構造を解明しようとしている。上の子にレーシングスーツのようなジャケットを買ったのだが、「Cool !」と言って、むしろそちらの方に興奮していた。下の子はなぜかバスが好きなので、バスのアップリケが付いたジャケットを買ってきたのだが、上の子がジャケットを着ると、やはり自分も自分のジャケットを着て「Cool !」と言っている。なんでも同じようにしないと気がすまない時期なのだ。奥さんにはジーンズとTシャツを買ってきたのだが、さっそくそれを着てやはり「Wowoo, Cool ! How did you find my size ?!」と言っている。みんな同じか。

着替えに自分の部屋に入ると、上の子の書いた手紙が5通、机の上にあった。

Dyer Papa it cood be windy in Afganistan But you hafto be very cerfool.
Love Yoshiya

Deyr Papa...
I haev a presint for you bicos I bot it for you and I em weting for you to cam bak
Love Papa 2006

Dyer Papa
I'm missing you Bicos you ere going to cam ane 'til Cerismies
Love Papa

子どもはスペルを覚えるのではなく、音に文字を当てはめることによって、自然に書くことを覚え始める。幸い、この子の行っている学校は、こういう時期にスペルを厳格に教え込むようなバカげたことをしないのでありがたい。あと二通には絵が描いてあった。

カブールから電話をしたある日、上の子が手紙の出し方が分からないと言っていたことを思い出した。今度、カブールに戻るまでに、eメールの出し方を教えようと思った。

No comments: