Saturday, December 24, 2005

クリスマス・イヴ

いつも行く「さかもとクリニック」は土曜日は午前中のみなので、11時半頃に行ったが、子どもが20人くらい待っていて、今日は諦めた。風邪はほとんどよくなったし、血の定期検査をして薬の追加をもらうだけなので、年内に一度行けたらよいのだ。善玉コレステロールを増やして、中性脂肪を減らして、尿酸を減らさないといけないのだが、なかなかうまく行かない。

さかもと先生はかなり大変なことなってますよと言うし、僕もデータを見せられると異論はないし、他の医者にも何年も前から言われていることなので、なんとかしなければと思うが、なんともならないまま時間が過ぎていく。

僕の心電図は小さい頃からおかしいので、そういうものだと思わざるをえないのだが、始めて見た医者は心筋梗塞だと言う。MSFのりっつぁんにどういうことなのかきくと、心筋梗塞ならえらいことだし、そんな生活できないはずだみたいなことを言われたことがあるので、やはり元々変な心電図が現れることになっているのだろうかと思うのだが、それに追い討ちをかけて、本格的な心筋梗塞にみまわれる可能性を考えた方がいいとは思っている。

たまたま夜中につけたテレビで心筋梗塞の特集みたいなことをやっていた。
その中で「危険因子」というのが五つあげられていた。
1.喫煙
2.生活習慣病
3.中性脂肪
4.肥満
5.運動不足
の五つなのだが、自分に全部当てはまる。

そして「ひきがね」が四つあげられていて、
1.過度の疲労
2.睡眠不足
3.激務
4.ストレス
の四つだった。これもかなりいけてると思う。

「対策」として考えられるのは、
1.運動
2.食生活の改善
3.薬
の三つなのだが、1と2が欠けて、3に頼る結果になっているのだった。この状況は歳をとるにつれて、ますますひどくなっているようだ。なんとかせねばならん。

しかし、今日は家族全員+おばあちゃんもいっしょだったので、医者はあっさり諦めてみんなで買い物に突入することになった。「さかもとクリニック」もカルフールもヴィソラにあるので、その界隈で全部済ませることにした。

昨日、テレビを買ったのだが、たまに日本で買い物をすると一般的な値段の感覚がずれてしまっているので、高いのか安いのかの判断がつきにくい。もうほとんどのテレビが薄い液晶とかプラズマになっていて、こういうのを買うしかなくなったのだなと思うが、この値段があまりに差があるのでびっくりした。

飛行機の中で読んだ雑誌には売れ線は40インチと書いてあったのだが、店頭に一番多くならんでいるのは37インチのものだった。販売台数が大きいほど価格の効率もよくなっているだろうと思い、37インチのを見て回ったが、同じ37インチのもので、10万円くらいの差があるではないか。何が違うかはまったく分からないので、店員に訊いてみたが、スペックを調べた結果、彼も分からないと言う。単にデザインが違うとか、要するにモデルチェンジの問題のようなのだ。

どれもこれも同じに見えるなら、安い方でいいではないかという意見を念のために妻に打診してみると、あっさり当たり前じゃないかという返答だったので、いわば型落ちで10万円安くなっているのを買った。

まるで何にもチェックしていないように思えるかもしれないが、それでも一点だけ慎重にチェックしていた。それは下の子が触れる範囲にスイッチ類がいっさい付いていないということだった。スイッチというものを見ると、すべて触りたくなる歳頃なので、いくらやめろと言っても無駄なのだ。

前のテレビが潰れたのはそのせいかどうかホントのところは分からないが、 下の子がon and off, on and off, on and off, on and off, on and off, on and off, on and off, on and off, on and off, on and off, on and off, on and off.....を毎日、100回は繰り返しつぶやきながら、テレビのスイッチを酷使していたという重い事実があった。

また、次回テレビが潰れても下の子に疑惑がかからないようにするためにもスイッチ類はどこにもついていないにこしたことはない。幸い、ほとんとのテレビのスイッチ類は見えないところに付くようになっていたので、この問題はあっさり解決した。

さて、今日はおばあちゃんはわけの分からない、細かいものを非常に真剣に吟味して、結果的にどうして「買う」という決断に至ったのか分からないものを買い物かごに入れていく。おばあちゃんも妻もワインを飲みたいというのだが、結局二人ともワインとは似ても似つかぬものを一本ずつ選んでいた。「それ、ワインとちゃうで、炭酸の入ったシャンペンもどきのジュースみたいなもんやで」と言ってもきかない。「店員さんがワインやと言うた、試飲したらおいしかった、飲んでみ」とおばあちゃんは言って僕にも勧める。「おいしいと思うならそれでええやん」と言って抵抗しないことにした。

妻はピンク色のボトルを選んでいる。It's not wine, it's just like juice mixed with peach and white wine. と一応言ってみたが、妻は、This is my drink. と言ってボトルを握っている。もうどうでもいいから、この訳の分からないおばあちゃんと妻の選んだ二本のボトルをかごに入れて、次の現場へ移動することにした。ワインの講釈を垂れる人間が家族にいたりしたら、ぞっとする。

食料品売り場でもうカート二つが山盛りになり、これ以上運べないだろうと思われる状態でやや呆然としていると、おばあちゃんがニコニコしながら、安い和牛のステーキがあったよと言いながら、呼びに来る。見に行くと、確かにおいしそうな牛肉だった。しかし、これをどうして安いと思ったのかが分からない。1枚当たりの値段が店頭には書いてあるのだが、それをグラム数で割ると、100グラム当たり千円弱だった。これを安いと思うような生活はしていないはずだが、200グラム前後を1枚にして売っているから安く見えたのだろうか。

人数分買うとこれだけで、1万円くらいになるということは分かっていないだろう。しかし、何を言っても通じるとは思えないので、今日ステーキが食べたいのかと訊くと、「簡単やからステーキがいいやろ」と言う。なんのこっちゃわからんがな。ただ安いと思っただけなら、それは間違いだと言えるが、食べたいなら、この歳になって、その価値に見合う値段かどうかなんてことはもうどうでもいいだろう。そうか、食べたいなら、そうしようと思い、それを5枚買うことにした。

注文するとトイレに行きたいといい、僕にいろいろ買ったからと言い、5千円札を一枚渡して消えていった。別にいらないと言おうと思ったが、その額を見て噴出しそうになって、もらっておくことにした。今日の買い物だけで、すでに6万円は超えているのだが、きっとそういう計算にはいたっていないだろう。

いつ使うか分からないようなもの、すでに家にありあまるほどあるようなもの、いつ食べるか分からないようなものをさんざん買った後に、最後の最後に店を出るところで「あっ、忘れていた」といいながら、おばあちゃんは発砲スチロールの箱に入って山積みになっているクリスマス・ケーキを一つ買った。寒いのにアイスクリームのケーキを食べたいのかと思ったが、面倒くさいので何も言わなかった。

家に帰って、おじいちゃんも合流し、老夫婦はこのお肉はおいしいなあといいながら、ぱくっと食べ尽くし、その後、発砲スチロールの箱からアイスクリーム・ケーキを取り出すと、おばあちゃんも妻も、アイスクリーム?!と言って驚いていた。当たり前じゃないか、わざわざ溶けないように発砲スチロールの箱に入れて売ってるんだから、想像つくでしょと言ったが、はあぁぁぁと言って、母も妻もまだ驚きが収まらないようだった。主婦というのは、いったい何を見て買い物しているんだろうと思う。子どもはどっちにしろ嬉しいのでどうでもいいのだが。

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