Wednesday, December 28, 2005

掃除

今日は下の子のアトピーの医者と妻の乳がん検査の予約が重なってしまった。もし悪かった場合の緊急性を考えて妻の検査の方に行くことにした。マモグラフィーとかエコーとかいろいろ検査したが、決定的に悪い知らせはなかった。それでも念のため注射器のようなものを乳房にさして中味を少し抜き取って検査するということだ。結果は来年の1月11日に分かるというので、それでは遅すぎると言うと6日にしてくれた。

アトピーはほんとに可哀相だ。痒くて痒くて眠れないのだ。痒いところをかきむしるので傷がついて、そこにばい菌が入り、化膿したりする。どういうわけか、顔だけきれいに直ったのが幸いだ。アトピーは見かけによる精神的な影響もかなり大きいのだ。それにしても、イライラせずによくもいつも陽気に走り回っていてくれると思う。自分がアトピーなら、癇癪起こしまくっていたのではないだろうか。

兄弟はみかけはそっくりなのだが、性質が全然違うのがおもしろい。上の子はまったく手がかからず赤ちゃんの優等生のようなものだったが、下の子は病気につぐ病気で大変だった。何よりも本人が一番大変だっただろうと思う。こういう子どもの場合、回りの大人、つまり親がイライラしてしまうので、そのとばっちり、という逆境にも遭遇する。そのせいかどうか分からないが、下の子はとてもセンシティブに育ってきたようだ。

僕と妻が少し声を荒げて何か言い合いをしかけると、下の子はすぐに「アーッ!」と言って止めに入る。上の子が親に怒られていると、お兄さんを守ろうとしてゲンコツをふりあげて親に対して攻撃にくる。そして、自分が仲間に入れられていない状況が発生すると、なんとしてでも仲間に入ろうとしてくる。2歳7ヶ月でも、ちゃんと自分の自我がある。妻もあの子は自分で自分の世界を切り開いてきたと言っていた。

ソファーに寝そべって、うつらうつらとテレビを見るでもなく見ていたある晩、下の子が目の前をチョロチョロと動いていることに気がついた。少し寝たような気がして、また目を開けると、下の子がおもちゃを持ってそれをどこにおこうかと見回しているところだった。テレビのある部屋がきれいになっている。いったい何をしているのか?さっきから、彼は掃除(!)をしていたのだ。

子どものいる人なら分かるだろうが、幼児というのはありとあらゆるものを家中散らかして1日の終わりには家の中は大変なことになっている。いちいちかたづけていてもきりがないので、かたずけるのは一日の最後に一回ということになる。だから、もうこんなものだと思って、ちらかりまくった部屋のソファーで僕はぐったりしていたのだ。

しかし、この2歳7ヶ月の子は、床に散らばったおもちゃやお皿やコーヒーカップやスプーンや絵本を拾ってはあるべき場所を探しては移動させていたのだった。不思議だなあと思って、妻に訊いてみた。掃除しろと言ったのか、あるいは掃除を教えたことがあるのかと。そんなことは全然していないが、母がやってることをただまねしているということだった。

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