春に新学期が始まる、日本式の数え方なら、長男は今小学校の3年生で、4月から4年生になるはずなのだが、日本語がいまいち頼りないので土曜日の日本語補習校では今2年生に在籍している。平日に行っているインターナショナル・スクールでは普通どおりの学年で、かつ秋に新学期が始まるので、こっちは4年生に在籍している。つまり、一人で2年生と4年生である、という妙なことになっている。
1年下の学年に入っているにもかかわらず、ひらがながちゃんと読めない、漢字を覚えてこない、このままでは進級させられないと、日本語補習校の先生には何度も脅されていた。小学校に進級とか落第とかそんなものあるのかと思ったが、宿題はめったにしているようすはないし、復習も予習もそんな概念さえまだ持ち合わせていないので、先生の脅しにあえて抵抗する気にもならなかった。狭い世間にきいてみると、親がちゃんと子供の勉強をみないとそういうことになって当然だという意見が多く、それに安心もしていた。
先週の土曜日は学年最後の学力テストだというので、家でゴロゴロしている時間を有効に使おうと試みて、時々国語の教科書を引っ張り出してきて、長男に読ませていたりした。しかし、テストならそれなりの対策をしないといけないだろうと思ったが、まずテスト範囲というものが分からない。仕方ないので、前日になって同級生のお母さんに電話をしてきいたが、話に出てくる学校で配られたプリントというのがどれだか分からず、結局うやむやにしたまま話は終わった。
昔と違って、日本語補習校もインターナショナル・スクールも学校からはEメールで連絡をどんどん送ってくるので、日本語の先生のメールを遡って読んでみてだいたいのことは分かった。で、テスト勉強らしきことを長男としたのだが、おもしろいことに気がついた。「音」とか「ようす」をあらわす言葉というのが教科書に出てくるのだが、長男はこれがほとんど分からないのだ。犬は日本語ならワンワンと鳴くが、英語ならばバウワウと鳴く、というやつだ。すべての動物が日本語でどうなくかなんて僕も分からないが、生活圏にいる動物の鳴き声くらいなら分かると思う。そうやって日本語で鳴いているのだから。
「ようす」を表す言葉というのはさらに悲惨なことになる。「もりもり」が食べるようすを表す言葉だなんて、日本語でもかなり上級ではないだろうか。日本人にはバカバカしいほど簡単な問題、例えば、次の二つのグループをちゃんと繋げるというような問題は非常に手強いことになる。
1、サルが木に登る
2、赤ちゃんが育つ
3、葉が落ちる
ア、すくすく
イ、はらはら
ウ、するする
長男の世界では、サルがはらはらと木に上り、赤ちゃんがするする育ち、葉がすくすくと落ちるのだ。それのどこが悪い、と言いたくなるが、コミュニケーションの道具である以上、とりあえずは世間で共有されている言い方を覚えないと意味がない。言語は生活の中で覚えるべきなのだ。
* * *
今、長男は自分のコンピュータが欲しいようだ。10年前の古いコンピュータを引っ張り出してきて、Xubuntuを入れようと格闘している僕をみて、そのコンピュータが直ったら、どうなるのかと母親に訊きにいったらしい。母親はあっさりとそんなことはお父さんに自分で聞け、と言っておしまいである。
これはお前にやるために直しているのだ、という以外の回答が思いつかなかった。その10年前のしろものはみるからに古くさく汚いコンピュータなのだが、長男は飛び上がって喜んだから驚いた。家族が共有しているコンピュータは、Vaioのかなりハイエンドなものだから、1年くらい前に買ったものでも、Vistaが載っているにもかかわらず、ガンガンと剛球のようなスピードで動いているし、何よりも10年ものよりカッコもいい。しかも、家族の共有といっても、母親はGmailのチェックの仕方と、Skypeでの電話のかけ方しか知らないから、平均して一日10分も触ってないだろう。5歳の弟は兄がオンライン・ゲームをする時に横につきそい、本人はなんとか参加しようとするのだが、長男からすると、結果的には考えられる限りすべての邪魔をすることに熱意をもやしているように見えてしまうわけで、争いが耐えない。ともかく、長男が使う時間が圧倒的に多いのに、それでもVaioより、このボロ臭いコンピュータが欲しいというのがおもしろい。これはやはり所有するということに潜む魔法なのだ。共有と所有の間には、男と女の間の溝くらいに深くて暗い、決して埋まらない溝が存在する。
「所有する」という感覚、そこから来る愛着や責任、それが人間の集まりである社会の基礎になっている。ある個人にあるものがLocked inされるという方が分かりやすい表現かもしれない。Locked in されたものをその個人が大切にする。大切にされたものが集積すると大切な社会ができる。共有とはいうのは誰にも、どの個人にもlockされていないということだ。鑑賞をすることはできる、愛でることもできる、でも大切にはしない、どうせ自分のものじゃないのだから。だから、「公」という概念は実に微妙だ。「公にものを大切にしましょう」というスローガンはあまりに空虚に吹き荒れては、そのまま吹き飛んで行く。
しかし、「公」という概念が必要なことには違いないのも事実だ。すべてのものを個人の所有に振り分けるわけには行かないのだから。じゃあ、「公」にもっとも必要なものは何か、もっと凄みのきいたスローガンだろうか。僕はそう思わない。とても単純なことだ、それは「公」に帰属しているという感覚のみだ。帰属意識というのも、また一つの魔法的な感情だと思う。帰属するという感覚を持つことによって、その瞬間からその人のメンタルマップの中で「公」が擬似私物的な位置づけを得るのだ。所有のもつ炸裂ドライブよりはすこしスペックは下がるかもしれないが、愛着から責任の精神の力学がここで起動する。だから、人々が帰属意識を持てないような国家、企業、集団、家族は、問題だらけとなる。
僕はありとあらゆる社会科学に首をつっこんだが、こういう人間の心理のダイナミズムとか心のあやというか、とらえどころのないものををうまく”科学”的なものに合成していかないかぎり、トンデモ政策はあとをたたないだろうという結論にいたった。あえてスローガンにすると、科学から情へ、情から科学へ、ということなのだが、専門の社会科学者から見れば笑止千万なのだな。
* * *
テストが終わってどうだった?と聞くと、うーん、国語は全部できた、算数の問題が一つ漢字が分からなかったからできなかった、という。文章題に出てくる漢字が分からず、問題の意味が分からなかったのだ。家で練習していた時にもそういうことはしばしばあった。そんなことは先生にきけばよかったのにと言ったが、こういうところだけ、控えめさを(日本的美徳、とは思っていないだろうが)、そんな習慣を学んでしまっている。インターナショナルスクールでは、すべての生徒が同時に質問をし、まるで動物園かとみまがうほどの騒乱状態になる。この歳にしてすでに、郷に入れば郷にしたがえ、なんてことも学んでしまったのかもしれない。
とりあえず、テスト勉強には成果があるという経験ができたことは良かった。テストの直後に先生にあったが、「よくできてました、これなら進級させようと思います」だと。こういう時、普通はお礼を言うものだろうと思ってお礼を言ったが、いったいこれは何に対するお礼になるのだろうか。このテストにもっとも貢献したのは長男本人なのだが、彼はそんなことにはまったく関心もなく、すでにグランウドでサッカーをして騒いでいる。
* * *
10年前のコンピュータは結局スペックが低すぎた。どうにもならん。翌日、それを長男に言うと、明らかに落胆したようだった。親として子供の落胆する姿ほど見たくないものはない。ここで、宣言した。
次の誕生日(7月22日)までにブラインド・タッチができるようになれば、僕のコンピュータをやる!と。
長男の目がまた輝いた。最初は、最近僕が買った小さなネットブック(EeePC S101)をもらえると思ったようだ。しかし、最初に小さいキーボードを覚えてほしくない。あれじゃない、あれより性能が高くて大きい方だ。それでも、当時では一番薄く、一番軽かったコンピュータなのだ、というと、これは元々スタイリッシュなデザインでもあるので、長男の目はさらに輝いた。(dynabok SS SX/290NRというのが3年前に買ったやつ)
さっそく家族コンピュータのVaioに戻って、僕がインストールしておいたRapid Typingで、タイピングを練習し始めた。実際、最初にちゃんとブラインド・タイピングを覚えていないと、その後のコンピュータ人生の半分くらいの時間を浪費するのと同じことではないかと思う。だから、ここは強調してきっちりできるようになったら、お下がりではなく、新品を買ってやろうとかと思っている。
僕が彼にあげると言ったのは、先日からKubuntuを入れて実験的探求をし続けているやつで(dynabook SS)、そのうち僕がメチャクチャにしてしまう可能性も十分ある。今は安くて良いコンピュータが売っているので、息子にあげるのはこれにこだわる必要はないだろうと思って、ネットで今手に入るコンピュータをサーチしたが、OSを何にするかという根本的なクエスチョンには困る。学校ではもうITの授業をやっているので、一度話を聞こうと思うのだが、おそらくWindowsベースだろう。学校に合わせる必要もないが、Windowsにまったく触れないと世間で困ることがでてくるだろう。結局こうやって悩んでみんなWindowsを使い続けるのだろう。ここはこの悪の連鎖を断ち切りたいものだと。
DellがUbuntu搭載のPCを売っているではないか、ネットブックにはLinux搭載のものが他にもあるのを知っていたが、Inspiron Mini 12 というのは、その大きさから言うとネットブックとラップトップの中間くらいに見えるが、これにUbuntu搭載モデルがあるのを発見した。しかも、39800円。なんてことだろう。デンマークで下手なメシを一回食ったら終わってしまう値段だ。仕事でドバイで止まるホテルより安い。オフィスで支給されているスマートフォンより安い。
DELL Inspiron Mini 12 Ubuntuパッケージ
インテル(R) Atom(TM) プロセッサー Z520 (1.33GHz, 512KB L2キャッシュ, 533MHz FSB)
Ubuntu 8.04 (DELL カスタマイズ版)(最高)
1GB DDR2-SDRAM メモリ(この値段なら良しでしょ)
12.1インチ TFT TrueLife(TM) WXGA 光沢液晶ディスプレイ (1280x800)(いいサイズ)
40GB PATA HDD (4200回転)(SSDなら尚良し)
光学ドライブなし(しゃあないでしょ)
内蔵ワイヤレスLANカード (802.11b/g対応)
インテル(R) GMA 500 (チップセット内蔵)
Microsoft(R) Office なし(素晴らしいです)
299 x 229 x 23.3-27.6 (mm)
1.24kg (3セルバッテリ搭載時。重量は構成によって変動します)
販売価格 49,980円
割引額 10,000円
特別価格 39,980円 本体分配送料込み(3月2日現在)
そんなこんなでデルページを見ていたら、XPS M1330 というのも目に入った。あるいは目を疑った。このスペックでこの値段、89,980円?!う〜む、これにKubuntuを入れてガンガン使ってみたい。しかし、なんでVistaなんて入れてるんだ、これ?そのうち苦情ブイブイきて、XP版が出て、そのまた次にUbuntu版が出たりしたら最高なんですが。DELLのコンピュータにはろくでもないソフトがてんこ盛りに詰め込まれていないのがDELLの一番いいところだ。
DELL XPS M1330
インテル(R) Core(TM) 2 Duo プロセッサー T8100 (3MB L2キャッシュ、2.1GHz 800MHz FSB)
Windows Vista(R) Home Premium SP1 32ビット 正規版 (日本語版)(バカバカしいです)
4GB(2GBx2) DDR2-SDRAM デュアルチャネルメモリ(すごいじゃないですか)
13.3インチ TFT TrueLife(TM) WXGA 光沢液晶ディスプレイ(1280x800)(ちょっと大きめだけどいいか)
250GB SATA HDD (5400回転)(SSDなら尚良し)
DVD+/-RWドライブ(2層書き込み対応)
Core 2 Duo向け Dell Wireless(TM) 1505 内蔵ワイヤレスLAN Miniカード (802.11a/b/g/n対応)
NVIDIA(R) GeForce(R) 8400M GS 128MB DDR3
Microsoft(R) Office なし(素晴らしいです)
幅: 318 mm
奥行き: 238mm
高さ: 22.1-33.8mm
重量: 1.8kg(ちょっと重い)
販売価格 99,980円
割引額 10,000円
特別価格 89,980円 本体分配送料込み(3月2日現在)
dynabook SS RX2 T9HG がいいかなあと思っていたのだけど、値段が違い過ぎる。
インテル® Core™ 2 Duo プロセッサー 超低電圧*版 SU9300 動作周波数1.20GHz(いいなあ)
Windows Vista® Business 32ビット版 with Service Pack 1 正規版(最悪)
(Windows® XP ダウングレード用メディア付)(※1)
3GB(1GB+2GB)/3GB, PC2-5300(DDR2-667)対応 SDRAM、デュアルチャネル対応(なかなか)
12.1型ワイド WXGA 半透過型TFTカラー液晶(省電力LEDバックライト)1,280×800ドット(好みのサイズ)
128GB SSD(Serial ATA対応)(これがいい!)
DVDスーパーマルチドライブ
Microsoft(R) Office :ワード・エクセル・パワーポイント(ど最悪・無意味)
IEEE802.11n ドラフト2.0、IEEE802.11a/b/g準拠
(Wi-Fi準拠、128bit WEP対応、WPA対応、WPA2対応、256bit AES対応)
約283.0(幅)×215.8(奥行)×19.5〜25.5(高さ)mm
重要:933g(最高)
価格:オープンプライス
参考価格:269,700円(下がれー!VistaをUbuntu/Linuxにかえて、MSOfficeその他どうでもいいアプリを全部外して、20万円切りを敢行すれば旋風が起こると思う。どうですか?東芝さん。これじゃあ、Dellに流れるでしょ。僕は二回もdynabook買ったんですよ、そのへんを考慮してですね、なんとか)
Saturday, February 28, 2009
Friday, February 27, 2009
Kubuntu(2)
いっちょインストールしてみるか?
まずOSを入れ替えるなんてことをする前に普通の人なら、そんなことして今までの仕事や遊びがそのまま続けられる環境になるのかどうかを確認しようと思うだろう。同じアプリケーションが使えなかったら、今仕事で使ってるファイルは単ならゴミになってしまうのか。あるいは、同じファイルにこだわらないとしても、インターネットをみたり、Eメールを送ったり、チャットをしたり、音楽を聞いたり、DVDを見たり、写真を編集したり、絵を描いたり、ウェブをデザインしたり、データベースを作ったり、ERPで作業したり、そういうことはできるのか。
結論から言うと、すべて問題ない、いやもっと環境はよくなると言える。が、もう少し具体的に知らないとOSどんでん返しの決心はなかなかつかないだろうと思う。僕もそうだった。
1。オフィス・ドキュメント
マイクロソフトのワード、エクセル、パワーポイントの三つは鉛筆と消しゴムとそろばんみたいに使われているから、この三つが使えないOSならほとんど普及の見込みはないだろう。これらがアップデートされるたびに、莫大なお金が全世界で動くわけだが、同じような機能をもったソフトは他にいくらでもあるし、その中でも無料でMsOfficeと同程度かもっと有能だと思われるソフトがOpenOfficeだ。マイクロソフトのオフィスドキュメントとは互換性があるので、すぐに使ってまったく問題はない。これはWindowsでもMacでも動くので、OSをごっそり入れ替えるまでもなく、今からでも使い始めても損はしないと思う。僕はWindows上でもちょくちょく使っていた。また、コンピュータを買ったら、最初からStarSuiteというソフトが入っていることがあるが、あれはオープンオフィスと同じものだと思っていい。これが入っていたら、Msオフィスを買う必要はないので得をしたということだ。
OpenOfficeは http://www.openoffice.org/index.html へ行けば簡単にダウンロードできる。日本語版は、ここ。というわけで、とりあえずKubuntu(Linux)を入れたからといって、明日からすぐ仕事に困るということはない。
2。セキュリティ・ソフト
コンピュータを買ったら、とりあえずすぐにアンチウイルスやらファイアウォールやらなんやらかんやらがセットになったセキュリティ対策ソフトを入れることを勧められるだろうと思う。これもブランドものになると結構高いし、またすぐにアップデートに追加のお金を支払うはめになる。しかも、僕はこういうのを入れていた頃、重く感じてしょうがなかった。セキュリティ対策ソフトも無料で有能なものがたくさんあるので、Kubuntu(Linux)に乗り換えるまでもなく、次回アップデートの時期が来たら、そういう無料のセキュリティソフトに入れ替えるのもお勧めだ。
僕は、この前買った小さなネットブック(OSはWindows XP)には、次の二つを入れている。
アンチウイルス用:avast!
ファイアウォール用:ZoneAlarm
どちらもとても快適に動いている。
家族が使っているコンピュータ(OSはWindows Vista)にはAVGを入れている。これも素晴らしく快適なソフトだと思う。
話をLinuxのセキュリティ対策に戻すと、どういうソフトを入れたらいいのかいろいろとサーチしてみると、結論はとりあえず何もいらない、ということだった。理由は僕には理解できる範囲を越えているのだが、こういう話であった。
「 わたしの場合、Linuxでそうした上納金を納める必要がないことを説明する際は、ファイルパーミッション(アクセス権)というシステムについて説明することにしている。ウイルスやトロイの木馬とは何かという本質を外れた議論は不要であり、「これらのマルウェアは、あちらが必要とするファイルパーミッションをこちらから与えてやらない限り、悪さをすることはできません」と説明するのだ。
Linuxにおけるファイルパーミッションとは、各ファイルに対する、読み取り、書き込み、実行という3つの権利を規定するもので、こうした設定はシステム全体に適用される。またファイルパーミッションについては、root権限を有す特別なユーザー、サインイン中の各ユーザー、その他すべてのユーザー(world)という3種類のユーザーレベルも関与してくる。そして通常、システム全体に影響を与えるようなソフトウェアは、root権限がなければ実行することができないのである。」
なんだか分からないがそういうことで、セキュリティソフトに悩む必要は当面はないようなのだ。よく読んでみると絶対に大丈夫というわけではなさそうなのだが、絶対大丈夫なんてことはこの世に一つもないだろう。興味のある人はここを読んでみてくだい。
3。インターネット
インターネットに繋がらないとにっちもさっちもいかなくなる。それが一番心配であった。しかし、インターネットをいうものがどうやって繋がっているのかということはさっぱり分からない。ややこしい設定なんてやる必要があるともうお手上げだ。その時は、もう三年使ったという言い訳を盾にしてコンピュータをまるごと捨てる覚悟をしていた。
しかし、Kubuntuをインストールをして立ち上げ、Network Manager というものを探し当て、そこで何をしたのか忘れたが、要は指示にしたがって進んで行くと、あっさりと繋がった。ワイヤレスしか使ってないので、ケーブルを繋げた場合とか、電話線の場合とか、どうなるのか分からないがおそらく同じように簡単に繋がるのではないだろうか。どうやら、Kubuntuをインストールしても、ちゃんとややこしい設定は勝手にやってくれているようだ。少なくとも元々インターネットに繋がっていたコンピュータなら、また繋がるとは言えるのではないだろうか。それ以上のことは何も分からない。
4。ウェブ・ブラウザー
もちろん、インターネット・エクスプローラーの世界とはお別れだ。なんとすっきりすることか。今はFirefoxがこの世の第二の標準のようになってきたようだが、FirefoxにはLinux版があるので、ダウンロードすればKubuntuでもまったく問題はない。Ubuntuの場合はインストールするとFirefoxも同時にインストールされるようだ。僕は、Chromeのスピード感やシンプルさが好きで、登場以来ずっとChromeを使っていたのだが、これのLinux版はまだ出来ていない。ただし、今、鋭意開発中ということで、Linux上でChromeを検索すると、「出来たら連絡するからemail addressを教えてください」という案内が出てくる。そのうちできるだろう。
Kubuntuには、Konquelor,というブラウザーがついてくる。これがなんというか、進化し過ぎた哀愁を感じさせる、すごいソフトだと思う。単なる、ウェブ・ブラウザーでなく、File Managerでもあり、Document Viewerでもあって、ネットと自分のコンピュータの行き来を頻繁にしている人なら、こんなソフトがあればいいのになと思うようなものなのだが、いざそれを目の前にすると戸惑ってしまうとでもいうか。W3Cというウェブの標準を決める場があるのだが、そのテストにほぼ満点で合格する唯一のブラウザーらしい。ちなみにIEなどメジャーなブラウザーは50%くらいの出来だそうだ。
問題は、インターネットの場合、サイトの運営者側が想定するブラウザーじゃないとうまく見えなかったり、動かなかったりすることだ。Konquelorでネットをぐるぐる回ってみたが、普通のサイトの場合はまったく問題はない。問題が出てくるのは銀行のサイトのように、独自にセキュリティの設定がしてあって、時には見ている側に小さなソフトをほり投げてくるようなサイトだ。こういうところは、IEとせいぜいFirefoxくらいしか想定していないので、Konquelorでうまく機能しなかったりする。しかし、だからと言って、Konquelorを使わないのはあまりに残念だし、ブラウザーの進化を見ていたいので、野暮な用事にはFirefoxで対応して、Konquelorは引き続き使っていこうと思う。そもそも何ができるのかまだ1%も分かっていないし。
5。Eメール
Kubuntuで使えるEメールソフトはたくさんある。Firefoxの兄弟版のThunderbirdにもLinux版があるので、Kubuntuを入れてこれを使っている人は多いだろうと思う。KubuntuにはKmailというメールソフトが標準でついてくる。これがシンプルで、使いやすく、高機能なソフトだ。
Kontactという、いわゆるPIM(Personal Information Manager)ソフトも標準でついてくるのだが、Kmailはその一部分でもある。逆の言い方をすれば、Kontactというソフトは、9つのコンポーネントから成り立っており(写真の左端に並んでいる)、それらのコンポーネントを一つずつ別々に立ち上げることもできる。アウトルック系に怨念を感じる人もきっと気に入るだろうと思う。
とりあえず、これで最低限のことは足りるだろうから、安心してKubuntuに乗り換えましょう。他のソフトについては別の機会に書くが、アプリケーションのことばかり書いていても、Kubuntuの話にならないので、次回はなんとかKubuntuそのものの話に戻ろうと思う。革命の道のりは長い。
今日のおさらい
■ワープロ・表計算など統合オフィス:OpenOffice、OpenOffice日本語版
■ブラウザー:Konquelor, Firefox
■Eメール:Kmail, Thunderbird
■情報管理(PIM):Kontact
まずOSを入れ替えるなんてことをする前に普通の人なら、そんなことして今までの仕事や遊びがそのまま続けられる環境になるのかどうかを確認しようと思うだろう。同じアプリケーションが使えなかったら、今仕事で使ってるファイルは単ならゴミになってしまうのか。あるいは、同じファイルにこだわらないとしても、インターネットをみたり、Eメールを送ったり、チャットをしたり、音楽を聞いたり、DVDを見たり、写真を編集したり、絵を描いたり、ウェブをデザインしたり、データベースを作ったり、ERPで作業したり、そういうことはできるのか。
結論から言うと、すべて問題ない、いやもっと環境はよくなると言える。が、もう少し具体的に知らないとOSどんでん返しの決心はなかなかつかないだろうと思う。僕もそうだった。
1。オフィス・ドキュメント
マイクロソフトのワード、エクセル、パワーポイントの三つは鉛筆と消しゴムとそろばんみたいに使われているから、この三つが使えないOSならほとんど普及の見込みはないだろう。これらがアップデートされるたびに、莫大なお金が全世界で動くわけだが、同じような機能をもったソフトは他にいくらでもあるし、その中でも無料でMsOfficeと同程度かもっと有能だと思われるソフトがOpenOfficeだ。マイクロソフトのオフィスドキュメントとは互換性があるので、すぐに使ってまったく問題はない。これはWindowsでもMacでも動くので、OSをごっそり入れ替えるまでもなく、今からでも使い始めても損はしないと思う。僕はWindows上でもちょくちょく使っていた。また、コンピュータを買ったら、最初からStarSuiteというソフトが入っていることがあるが、あれはオープンオフィスと同じものだと思っていい。これが入っていたら、Msオフィスを買う必要はないので得をしたということだ。
OpenOfficeは http://www.openoffice.org/index.html へ行けば簡単にダウンロードできる。日本語版は、ここ。というわけで、とりあえずKubuntu(Linux)を入れたからといって、明日からすぐ仕事に困るということはない。
2。セキュリティ・ソフト
コンピュータを買ったら、とりあえずすぐにアンチウイルスやらファイアウォールやらなんやらかんやらがセットになったセキュリティ対策ソフトを入れることを勧められるだろうと思う。これもブランドものになると結構高いし、またすぐにアップデートに追加のお金を支払うはめになる。しかも、僕はこういうのを入れていた頃、重く感じてしょうがなかった。セキュリティ対策ソフトも無料で有能なものがたくさんあるので、Kubuntu(Linux)に乗り換えるまでもなく、次回アップデートの時期が来たら、そういう無料のセキュリティソフトに入れ替えるのもお勧めだ。
僕は、この前買った小さなネットブック(OSはWindows XP)には、次の二つを入れている。
アンチウイルス用:avast!
ファイアウォール用:ZoneAlarm
どちらもとても快適に動いている。
家族が使っているコンピュータ(OSはWindows Vista)にはAVGを入れている。これも素晴らしく快適なソフトだと思う。
話をLinuxのセキュリティ対策に戻すと、どういうソフトを入れたらいいのかいろいろとサーチしてみると、結論はとりあえず何もいらない、ということだった。理由は僕には理解できる範囲を越えているのだが、こういう話であった。
「 わたしの場合、Linuxでそうした上納金を納める必要がないことを説明する際は、ファイルパーミッション(アクセス権)というシステムについて説明することにしている。ウイルスやトロイの木馬とは何かという本質を外れた議論は不要であり、「これらのマルウェアは、あちらが必要とするファイルパーミッションをこちらから与えてやらない限り、悪さをすることはできません」と説明するのだ。
Linuxにおけるファイルパーミッションとは、各ファイルに対する、読み取り、書き込み、実行という3つの権利を規定するもので、こうした設定はシステム全体に適用される。またファイルパーミッションについては、root権限を有す特別なユーザー、サインイン中の各ユーザー、その他すべてのユーザー(world)という3種類のユーザーレベルも関与してくる。そして通常、システム全体に影響を与えるようなソフトウェアは、root権限がなければ実行することができないのである。」
なんだか分からないがそういうことで、セキュリティソフトに悩む必要は当面はないようなのだ。よく読んでみると絶対に大丈夫というわけではなさそうなのだが、絶対大丈夫なんてことはこの世に一つもないだろう。興味のある人はここを読んでみてくだい。
3。インターネット
インターネットに繋がらないとにっちもさっちもいかなくなる。それが一番心配であった。しかし、インターネットをいうものがどうやって繋がっているのかということはさっぱり分からない。ややこしい設定なんてやる必要があるともうお手上げだ。その時は、もう三年使ったという言い訳を盾にしてコンピュータをまるごと捨てる覚悟をしていた。
しかし、Kubuntuをインストールをして立ち上げ、Network Manager というものを探し当て、そこで何をしたのか忘れたが、要は指示にしたがって進んで行くと、あっさりと繋がった。ワイヤレスしか使ってないので、ケーブルを繋げた場合とか、電話線の場合とか、どうなるのか分からないがおそらく同じように簡単に繋がるのではないだろうか。どうやら、Kubuntuをインストールしても、ちゃんとややこしい設定は勝手にやってくれているようだ。少なくとも元々インターネットに繋がっていたコンピュータなら、また繋がるとは言えるのではないだろうか。それ以上のことは何も分からない。
4。ウェブ・ブラウザー
もちろん、インターネット・エクスプローラーの世界とはお別れだ。なんとすっきりすることか。今はFirefoxがこの世の第二の標準のようになってきたようだが、FirefoxにはLinux版があるので、ダウンロードすればKubuntuでもまったく問題はない。Ubuntuの場合はインストールするとFirefoxも同時にインストールされるようだ。僕は、Chromeのスピード感やシンプルさが好きで、登場以来ずっとChromeを使っていたのだが、これのLinux版はまだ出来ていない。ただし、今、鋭意開発中ということで、Linux上でChromeを検索すると、「出来たら連絡するからemail addressを教えてください」という案内が出てくる。そのうちできるだろう。
Kubuntuには、Konquelor,というブラウザーがついてくる。これがなんというか、進化し過ぎた哀愁を感じさせる、すごいソフトだと思う。単なる、ウェブ・ブラウザーでなく、File Managerでもあり、Document Viewerでもあって、ネットと自分のコンピュータの行き来を頻繁にしている人なら、こんなソフトがあればいいのになと思うようなものなのだが、いざそれを目の前にすると戸惑ってしまうとでもいうか。W3Cというウェブの標準を決める場があるのだが、そのテストにほぼ満点で合格する唯一のブラウザーらしい。ちなみにIEなどメジャーなブラウザーは50%くらいの出来だそうだ。
問題は、インターネットの場合、サイトの運営者側が想定するブラウザーじゃないとうまく見えなかったり、動かなかったりすることだ。Konquelorでネットをぐるぐる回ってみたが、普通のサイトの場合はまったく問題はない。問題が出てくるのは銀行のサイトのように、独自にセキュリティの設定がしてあって、時には見ている側に小さなソフトをほり投げてくるようなサイトだ。こういうところは、IEとせいぜいFirefoxくらいしか想定していないので、Konquelorでうまく機能しなかったりする。しかし、だからと言って、Konquelorを使わないのはあまりに残念だし、ブラウザーの進化を見ていたいので、野暮な用事にはFirefoxで対応して、Konquelorは引き続き使っていこうと思う。そもそも何ができるのかまだ1%も分かっていないし。
5。Eメール
Kubuntuで使えるEメールソフトはたくさんある。Firefoxの兄弟版のThunderbirdにもLinux版があるので、Kubuntuを入れてこれを使っている人は多いだろうと思う。KubuntuにはKmailというメールソフトが標準でついてくる。これがシンプルで、使いやすく、高機能なソフトだ。
Kontactという、いわゆるPIM(Personal Information Manager)ソフトも標準でついてくるのだが、Kmailはその一部分でもある。逆の言い方をすれば、Kontactというソフトは、9つのコンポーネントから成り立っており(写真の左端に並んでいる)、それらのコンポーネントを一つずつ別々に立ち上げることもできる。アウトルック系に怨念を感じる人もきっと気に入るだろうと思う。
とりあえず、これで最低限のことは足りるだろうから、安心してKubuntuに乗り換えましょう。他のソフトについては別の機会に書くが、アプリケーションのことばかり書いていても、Kubuntuの話にならないので、次回はなんとかKubuntuそのものの話に戻ろうと思う。革命の道のりは長い。
今日のおさらい
■ワープロ・表計算など統合オフィス:OpenOffice、OpenOffice日本語版
■ブラウザー:Konquelor, Firefox
■Eメール:Kmail, Thunderbird
■情報管理(PIM):Kontact
Thursday, February 26, 2009
13日の金曜日
手術日は来月の13日の金曜日に決定した。なかなかいい感じではないか、と思いつつも、何故13日金曜日が不吉な日とされるのか知らないことに思い至り、ウィキペディアを見てみると、大して根拠がないことが分かる。しかも、13日の金曜日をもてはやしているのは、英語圏とドイツ、フランスくらいらしい。ちょっと期待はずれであった。
手術日は朝の7時15分に病院に行かないといけないらしい。そんな朝早くやってるのか気になったので、帰りに受付のおねえさんに一応訊いてみるとやってるという。当たり前か。手術にかかる時間は1時間30分と決めているようなのが、やや不安だ。切り刻んでる真っ最中でも時間がきたらさっさとやめかねない。麻酔は14時間くらい効くと言っていたが、昼前には退院しろという。そういう状態で歩けるのだろうかと思うが、入院期間が短いのは一般的なので、これくらいで一泊させてたまるかってとこなのだろう。手術代だけで費用は約40万円くらいだという。相場がまったく分からないので、ぼったくられているのかどうか分からないが、保険会社に連絡して直接払ってもらうことにした。
日本でもいくつかの生命保険とともに特約だとかなんとかいうのがついていたが、ひょっとしたら適応できるものがあるのかもしれない。が、いったいどんな保険に入っていたのか?その紙はどこにあるのか?こういうことを調べるのは想像を絶する困難を伴う、って状況はいかんなあ。
手術日は朝の7時15分に病院に行かないといけないらしい。そんな朝早くやってるのか気になったので、帰りに受付のおねえさんに一応訊いてみるとやってるという。当たり前か。手術にかかる時間は1時間30分と決めているようなのが、やや不安だ。切り刻んでる真っ最中でも時間がきたらさっさとやめかねない。麻酔は14時間くらい効くと言っていたが、昼前には退院しろという。そういう状態で歩けるのだろうかと思うが、入院期間が短いのは一般的なので、これくらいで一泊させてたまるかってとこなのだろう。手術代だけで費用は約40万円くらいだという。相場がまったく分からないので、ぼったくられているのかどうか分からないが、保険会社に連絡して直接払ってもらうことにした。
日本でもいくつかの生命保険とともに特約だとかなんとかいうのがついていたが、ひょっとしたら適応できるものがあるのかもしれない。が、いったいどんな保険に入っていたのか?その紙はどこにあるのか?こういうことを調べるのは想像を絶する困難を伴う、って状況はいかんなあ。
Tuesday, February 24, 2009
Kubuntu (1)
Kubuntu を入れた。一言だけの感想を言うとすれば、”素晴らしい!”。
3年前に買ったコンピュータに入れたのだが、まるで新品に戻ったような気がする。捨てなくて良かった。
問題がなかったわけではない。いろいろと手間取った部分もあったが、そのほとんどはシステム言語を英語にして、日本語入力が可能にするということに関わるもので、ただ単にKubuntu を入れるということに関しては実に簡単にできた。かつて、Windows 2000 を入れた時の七転八倒とは比べ物にならない。実際そんなことは比べられないのだろうが。
ちなみに僕はコンピュータのことはまったく知らない。コンピュータ言語については入り口も分からない。ただ単にいくつかのアプリケーション・ソフトのヘビーユーザーではあるだろう。それも、仕事のためであって、いわゆるエンタメ系については音の出し方も分からないというレベルだ。それでも、Kubuntu 導入のほとんどのことを二人がけソファに横になりながら、ほぼ片手でちょろちょろとPCを触りながらできたのだから、誰にでもできると思う。
あの鈍重だったPCが今とてもさくさくと動く。そして、Kubuntu にいっしょについてくるソフトの素晴らしさにまた感激する。すべてのソフトをまだ探求したわけではないが、このソフトの一群を見ているとなんというか、ドリームチームという感じがする。
これがすべて無料だというのに、世界中で有料のOSとアプリケーションソフトにお金を払い続けているのが、ますます奇異に思えてくる。世界の半分(一日2ドル以下で生活する側)にこういうコンピュータが行き渡れば実におもしろいことになるではないか。ただ単に情報格差に対処するだけでない。有料世界の”世界標準”に対しても脅威となる。
Kubuntu、あるいはその母体であるUbuntu、もしくはそのもっと元になっているLinuxには自由で誰にでも開かれた巨大なコミュニティがネット上に存在している。まったくのド初心者である僕にも開かれている。Kubuntuのインストールの過程で、いろいろな疑問に直面するのだが、誰も聞く人がいないから、結局あちらこちら検索したおして、解答を見つけながら進むということになる。どんな問題であろうと、必ず他にも同じような問題に遭遇している人がいるものだ。そういうド初心者の質問に対して、もっと分かった人がいろいろとアドバイスをしている。それを見ながら、特に僕にとって最大の問題であった日本語入力の問題なんかに対処することができた。
検索したおしている時に気がついたのだが、個人のブログでいろいろとKubuntu やUbuntu、あるいはLinuxについて書いている人がたくさんいて、それも非常に役立った。こういう人たちはかなりの専門家であるようで、読んでも分からないことが多かったが、中にはとても役に立ったケースもあった。例えば、以下のようなブログ。「私のTech記憶」や「ennui」は役に立つだけでなく、かっこいい。
私のTech記憶
Viva! Ubuntu (Old)
Viva! Ubuntu!!
Pebbles in the Sand
Hatena::Diary::Ubuntu
RM Jones' Adventure
ennui
I am a cat. 我輩は猫である。
kanzメモ
Suttoko Dokkoi
いくやの斬鉄日記
というわけで、僕も、何か還元しようと思うのだが、専門的なことは分からないから、今から有料独裁電脳体制から抜け出そうと思っているが僕と同じくらいド初心者の人が参考に出きるように、Kubuntu の導入から何が起こるかをボチボチ記録にしておこうと思う。
まず、入り口から。
Ubuntu :Ubuntuのホーム。ここから、いろいろな派生OSへも行ける。
Ubuntu Japanese Team :Ubuntuの日本語化を行っているホーム。ここからは派生OSへはとべない。
Kubuntu :これがKubuntuのホーム。ここから僕はKubuntuをダウンロードした。最新版は、KDE4.2だが、ダウンロードできるのは、KDE4.1で、4.2へは自力でアップグレードしないといけない。これが最初の難関になったが、なんとかなるものだ。ここからは次回にしよう。
←Kubuntuの見栄え。
3年前に買ったコンピュータに入れたのだが、まるで新品に戻ったような気がする。捨てなくて良かった。
問題がなかったわけではない。いろいろと手間取った部分もあったが、そのほとんどはシステム言語を英語にして、日本語入力が可能にするということに関わるもので、ただ単にKubuntu を入れるということに関しては実に簡単にできた。かつて、Windows 2000 を入れた時の七転八倒とは比べ物にならない。実際そんなことは比べられないのだろうが。
ちなみに僕はコンピュータのことはまったく知らない。コンピュータ言語については入り口も分からない。ただ単にいくつかのアプリケーション・ソフトのヘビーユーザーではあるだろう。それも、仕事のためであって、いわゆるエンタメ系については音の出し方も分からないというレベルだ。それでも、Kubuntu 導入のほとんどのことを二人がけソファに横になりながら、ほぼ片手でちょろちょろとPCを触りながらできたのだから、誰にでもできると思う。
あの鈍重だったPCが今とてもさくさくと動く。そして、Kubuntu にいっしょについてくるソフトの素晴らしさにまた感激する。すべてのソフトをまだ探求したわけではないが、このソフトの一群を見ているとなんというか、ドリームチームという感じがする。
これがすべて無料だというのに、世界中で有料のOSとアプリケーションソフトにお金を払い続けているのが、ますます奇異に思えてくる。世界の半分(一日2ドル以下で生活する側)にこういうコンピュータが行き渡れば実におもしろいことになるではないか。ただ単に情報格差に対処するだけでない。有料世界の”世界標準”に対しても脅威となる。
Kubuntu、あるいはその母体であるUbuntu、もしくはそのもっと元になっているLinuxには自由で誰にでも開かれた巨大なコミュニティがネット上に存在している。まったくのド初心者である僕にも開かれている。Kubuntuのインストールの過程で、いろいろな疑問に直面するのだが、誰も聞く人がいないから、結局あちらこちら検索したおして、解答を見つけながら進むということになる。どんな問題であろうと、必ず他にも同じような問題に遭遇している人がいるものだ。そういうド初心者の質問に対して、もっと分かった人がいろいろとアドバイスをしている。それを見ながら、特に僕にとって最大の問題であった日本語入力の問題なんかに対処することができた。
検索したおしている時に気がついたのだが、個人のブログでいろいろとKubuntu やUbuntu、あるいはLinuxについて書いている人がたくさんいて、それも非常に役立った。こういう人たちはかなりの専門家であるようで、読んでも分からないことが多かったが、中にはとても役に立ったケースもあった。例えば、以下のようなブログ。「私のTech記憶」や「ennui」は役に立つだけでなく、かっこいい。
私のTech記憶
Viva! Ubuntu (Old)
Viva! Ubuntu!!
Pebbles in the Sand
Hatena::Diary::Ubuntu
RM Jones' Adventure
ennui
I am a cat. 我輩は猫である。
kanzメモ
Suttoko Dokkoi
いくやの斬鉄日記
というわけで、僕も、何か還元しようと思うのだが、専門的なことは分からないから、今から有料独裁電脳体制から抜け出そうと思っているが僕と同じくらいド初心者の人が参考に出きるように、Kubuntu の導入から何が起こるかをボチボチ記録にしておこうと思う。
まず、入り口から。
Ubuntu :Ubuntuのホーム。ここから、いろいろな派生OSへも行ける。
Ubuntu Japanese Team :Ubuntuの日本語化を行っているホーム。ここからは派生OSへはとべない。
Kubuntu :これがKubuntuのホーム。ここから僕はKubuntuをダウンロードした。最新版は、KDE4.2だが、ダウンロードできるのは、KDE4.1で、4.2へは自力でアップグレードしないといけない。これが最初の難関になったが、なんとかなるものだ。ここからは次回にしよう。
←Kubuntuの見栄え。
Sunday, February 22, 2009
エタノールとKubuntuと革命
日本にきこく中、NHKの「沸騰都市」というシリーズものの第6回「サンパウロ 富豪は空を飛ぶ−」というのを見たのだけど、これはおもしろかった。製作者の意図とはかなり違うかもしれないところで、高揚感みたいなものが沸いてくる。
ブラジルでは25年くらい前からサトウキビ畑を大量に増やしているそうだ。サトウキビジュースを大量に飲むようになったからではなく、サトウキビから作るエタノールを大量に作ることを国策として推進してきたからだそうだ。その頃に、国家全体の産業政策として化石燃料の代替燃料としてエタノールにターゲットを絞ったというのはすごいと思う。その当時、エタノールや水素エンジンについて議論されていたのは覚えているが、そこまで大胆な決断をできる人や企業や国家はとても少なかったのではないだろうか。
現在ブラジルの車はすべてエタノール車かエタノール混合燃料車なのだそうだ。ブラジルはホントにエタノール大国になったのだ。ブラジル以外でエタノールを大量に生産している国はまだアメリカしかない。アメリカではいわゆる石油関連の利益団体が強い影響力をもっているので、代替燃料策に真剣に取り組もうとしても、エタノール推進は難しかったのかもしれない。しかし、オバマ政権下ではこれも変わってくるかもしれない。
今、全世界を覆う経済危機に対してもブラジルの大統領は、我々は乗り切ることができる、ととても自信に満ちた演説をしていた。ここまでグローバルな依存関係が進んでいる以上、この不況は一国単位でなんとかできるというものではないだろう。しかし、ブラジルの大統領の対岸の火事を眺めるような態度は象徴的であった。
今、ブラジルにはエタノール生産のノウハウを求めて、アフリカの国からたくさんの訪問者がやってくるそうだ。アフリカには土地はたくさんあり、サトウキビを大量に栽培することも可能なのだろう。彼らも大きな収入をもたらす産業を作りたいという熱望を持っている。石油がなくても、先進技術がなくても、サトウキビでエタノールができるなら、輸出できるくらい作れると思うではないか。そんなアフリカ各国の政府からやってくる人たちを迎えるブラジル側のコメントがブラジルという国の熱意の源を示しているような気がした。だいたいこんなことを言っていたと思う。
「石油は世界に争いをもたらしてきた。エタノールは違う。エタノールは平和だ。石油の時代は中東とアメリカが世界の権力を握っていた。しかし、石油はなくなる。アフリカにサトウキビを植えてエタノールを生産し始めれば、世界の権力構造は変わる。これからはアフリカとブラジルが世界を動かすのだ。」
これは革命だ、と実際に言ったかどうかは覚えていないのだが、自分の記憶の中では「これは革命だ」というセンテンスが残っている。上の方で書いたように、ブラジルの大統領が、対岸の火事的態度をとれたのは、今彼らが描く世界の未来像が強固にあったからではないだろうか。石油からエタノールへの交代、それに伴う世界の権力構造の交代、なんてことを実現しつつある渦中にあるなんて思えたら、自信がつくどころではない。舞い上がってしまってもおかしくないではないか。
第三者としてテレビに流れる映像を呆然と眺めているに過ぎないので、いろいろと「そうは言っても」的なネガティブな可能性のことも頭の片隅に浮かびつづけるのだが、それにしても、かなり遠い先の未来までを含む、一つのヴィジョンをもって、国家の政策を作り、それに従ってそれを着々と実施していく、そんな国家の姿を見ていると、幸せに近い気分になってくる。是非ともアフリカの国々でもサトウキビ・エタノール作戦を実施して成功して欲しいものだと思う。
アラブの石油産出国がこのような事態をボーッと眺めているだろうか、と途中で思ったのだが、やはり彼らも近未来の自分達の姿を見ているのだろう。今、ブラジルのサトウキビ・エタノール産業に積極的な投資をし始めているのは、なんとアラブの石油産出国なのだと言う。石油からエタノールは権力を奪おうとしているのに、なぜ、彼らは自分で自分の首を絞めるようなことをするのだろうか。
石油はいつかはなくなるだろう、しかし、彼らの考えは、エタノール混合という使い方をすることによって、石油の寿命を伸ばすということらしいのだ。実際、番組の中でも出ていたが、従来のガソリンとエタノールを混合して走る車がブラジルでも主流のようなのだ。とりあえず、石油の寿命を伸ばす、そしてその間に何かしなくてはならないってとこだろうか。エタノールへの投資という権力延命策っていうのはなかなかおもしろい。どこの国もどうやって生きていくか必死なのだ、と思った。日本は・・・と書き出すと陰々滅々となるので止めよう。なんせ世界は革命中なんですから。
(それにしても「富豪は空を飛ぶ」っていうタイトルはいかがなもんか。ちょっとポイントが違うような気がするが、僕が違うポイントにフォーカスし過ぎていたとも言える。)
* * *
ちゃんと椅子に座って机の上にコンピュータを置いてタイプするという姿勢が取れないことは前に書いたような気がするが、日本にいる間にやけに安いネットブックとやらを一つ買ってそれを膝の上において(まさにラップトップ)ちょろちょろとコンピュータをさわっていた。と言っても、長い文章をこの姿勢で書きつづけるのは不可能で、ネットを徘徊する程度でも結構くたびれる。
たいていの携帯電話より安いと思うのだが、このネットブックは思っていたよりはるかに使える。StarSuiteが無料で入っていたし(MS Officeみたいなもの)、セキュリティ対策は、フリーソフトのAvastとZoneAlarm Firewallをダウンロードして入れたので、追加費用はまったくかかっていないのだけど、なにもかも十分だ。なんなんだ今までの高いコンピュータはと思ってしまう。せいぜいマイクロソフトのワード、エクセル、パワーポイントを使う程度の仕事を前提に考えるなら、今お店で売ってるコンピュータならどれを買っても十分過ぎる以上の性能を持ってるから、そもそもコンピュータの品定めをする意味もほとんどない。酒なら何を飲んでも酔っ払うのだから、どれを飲んでもいっしょだという境地に似てきた。
というわけで、一番よく使ってるラップトップがもう古いし(だから、どうなんだ?)、動きが重くなりすぎて(HDを掃除しろ)、ともかく買い換えようと思っていたのだが、それを思い直して、時間のあるうちにOSをWindows以外のものに、ごっそり入れ替えてみることにした。以前から、というよりも10年ほど前から、ずっと考えていて一度も実行しなかったことにようやく手をつけることになった。
コンピュータを使い始めたのは20年ほど前だが、最初の10年間はずっとMacを使っていた。10年前に職場でWindows、家でMacという二重生活に疲れ果てて、とうとう家でもWindows を使うという生活に堕ちてしまった。その頃、第三のOSを試してみようと考えはじめ、当時はBeOSというものを入れようと考えていた。Windowsや、 Macよりはるかに優れていると聞いたものだが、今、あれは実質的に商業的には屠殺されてしまったらしい。惜しいことをしたものだ。(http://en.wikipedia.org/wiki/BeOSに無残な歴史が載っている)。
去年、Ubuntu というLinux をベースにしたOSがあることを知って、一度試してみたいと思っていた。ネットをいろいろ見てみると、なんとUbuntuには派生OSがいろいろあるではないか。Kubuntu、 Edubuntu、 Xubuntuなどなど。ちょろちょろっと説明を読んだり、見栄えを比べたりして、Kubuntuを入れることにした。
ところで、Ubuntuって変な、ききれない音だが、元はズールー語で意味は 'Humanity to others'、もしくは 'I am what I am because of who we all are'ということだ。これはかなり美しいではないか。これがUbuntuの基本哲学なのだそうだ。フリーでオープンなコミュニティによって維持され発展しいくOSだと。
これを支えているのはCanonical Ltd.,という南アフリカの会社なのだが、Ubuntu自体は無償で配布され続けている。Canonical Ltd.の経営者、Mark Shuttlewortもかなり変わった経歴を持つ、興味深い人物だ。1973年9月に生まれということだから、まだ35歳だ。彼は95年にdigital certificates と Internet security を専門にするThawteという会社を設立し、99年にその会社をVeriSignに売った。インターネットでお買い物をしたことがある人なら、VeriSignのロゴをたいてい何度か見かけたことがあるだろうと思う。VeriSignが、digital certificatesのほとんど標準になっているような気がする。この時に、彼は5億7500万ドル儲けたそうだ。当時のレートでたぶん600億円くらいだろう。そして、2000年にCanonical Ltd.を設立した。それから、社会改革に献身するNGOを作ったりするのだが、2002年にはなんと宇宙旅行までしている。ロシアのソユーズに乗って国際宇宙ステーションまで行ってそこで8日間滞在し、エイズとゲノムに関する実験をしてきたそうだ。旅費は20億円くらいらしい。ただお金を払ったら行けるってわけでもなく、ちゃんと1年間のトレーニングがあったそうだ。
話が逸れてしまったが、BeOSのパーソナル版や、Linuxのように無償で使えるOSが僕のような普通のユーザーにちゃんと使えるものなら、世の中には無料のアプリケーションソフトは腐るほどあるわけだから、コンピュータという機材、モノの部分以外はすべて無料でいいではないか、どうしてわざわざMicrosoftや、Macに高いお金を我々は払い続けているのか、そして世界一のお金持ちを作ることに貢献しているのか、という疑問を持っているのは僕だけじゃないだろうと思う。
僕の仕事しているような国際機関や各国政府の官庁や企業など世界中のほとんどといっていい組織がほぼ一社にOSとアプリケーションソフトのライセンス料を払い続けているというのは異常だと思う。無料の代替物、しかももっと優れいているかもしれないものが存在するというのに。これは役所なら公的な調達の精神からすると本来おかしいはずだ。法技術的にはなんとでもすりぬけられるのは分かっているが、ほっといていいのだろうか。シーザーならほっとかなかったと思う。
富の偏在は情報の偏在に直結しているけれど、それがコンピュータ+インターネットの普及によってものすごい勢いで加速されてきた様子はちょっと恐ろしい感じもする。貧富の格差が社会の不安定要因である、というのが援助の議論によく使われるが、富める国と貧しい国の間での情報量の格差、一国内での情報格差など、情報の圧倒的な偏在が国家間や一国内の不安定要因になっていることは確実だろうと思う。何も根拠にするデータがあるわけではないが、先進国と貧困国の間を頻繁に往復する生活を15年以上続けていると、直感に過ぎないとしても、かなり頑固なものになる。
今の世の中にはとりあえず今日食べるものがあるかどうか分からない人が何億人もいる。世界の人口の約半分(30億人以上)は一日2ドル以下で生活しているそうだ。一年間の生活費が約7万円の人が世界の人口の半分!そして、その一方で金持ち国には一回のボーナスに10億円とか20億円とかもらう人もいるのだから、そりゃ不穏になってもしょうがないと思うのだが。
だからといって、ちょっとやそっとの”援助”で事態が改善されるとはとても思えない。貧困国に自前で富を蓄える力が備わらない限り、根本的には何も変わらないだろう。そのためにはこれ以上情報格差が広がらないように、貧困国の次の世代が知恵をつかって勝負ができるような環境ができないと何も始まらない。道具の一つに過ぎないがコンピュータ及びインターネット環境というのは、貧困国の次の世代が自分の国を貧困のぬかるみからを救いだしていくための最低限の条件ではないだろうか。フリーのOSとかソフトというのは、長〜〜〜い目で見れば、国連よりもはるかに国際社会の平和と安全に貢献するのではないだろうか。
エタノールとKubuntuで革命かあ、いいですねえ。
ブラジルでは25年くらい前からサトウキビ畑を大量に増やしているそうだ。サトウキビジュースを大量に飲むようになったからではなく、サトウキビから作るエタノールを大量に作ることを国策として推進してきたからだそうだ。その頃に、国家全体の産業政策として化石燃料の代替燃料としてエタノールにターゲットを絞ったというのはすごいと思う。その当時、エタノールや水素エンジンについて議論されていたのは覚えているが、そこまで大胆な決断をできる人や企業や国家はとても少なかったのではないだろうか。
現在ブラジルの車はすべてエタノール車かエタノール混合燃料車なのだそうだ。ブラジルはホントにエタノール大国になったのだ。ブラジル以外でエタノールを大量に生産している国はまだアメリカしかない。アメリカではいわゆる石油関連の利益団体が強い影響力をもっているので、代替燃料策に真剣に取り組もうとしても、エタノール推進は難しかったのかもしれない。しかし、オバマ政権下ではこれも変わってくるかもしれない。
今、全世界を覆う経済危機に対してもブラジルの大統領は、我々は乗り切ることができる、ととても自信に満ちた演説をしていた。ここまでグローバルな依存関係が進んでいる以上、この不況は一国単位でなんとかできるというものではないだろう。しかし、ブラジルの大統領の対岸の火事を眺めるような態度は象徴的であった。
今、ブラジルにはエタノール生産のノウハウを求めて、アフリカの国からたくさんの訪問者がやってくるそうだ。アフリカには土地はたくさんあり、サトウキビを大量に栽培することも可能なのだろう。彼らも大きな収入をもたらす産業を作りたいという熱望を持っている。石油がなくても、先進技術がなくても、サトウキビでエタノールができるなら、輸出できるくらい作れると思うではないか。そんなアフリカ各国の政府からやってくる人たちを迎えるブラジル側のコメントがブラジルという国の熱意の源を示しているような気がした。だいたいこんなことを言っていたと思う。
「石油は世界に争いをもたらしてきた。エタノールは違う。エタノールは平和だ。石油の時代は中東とアメリカが世界の権力を握っていた。しかし、石油はなくなる。アフリカにサトウキビを植えてエタノールを生産し始めれば、世界の権力構造は変わる。これからはアフリカとブラジルが世界を動かすのだ。」
これは革命だ、と実際に言ったかどうかは覚えていないのだが、自分の記憶の中では「これは革命だ」というセンテンスが残っている。上の方で書いたように、ブラジルの大統領が、対岸の火事的態度をとれたのは、今彼らが描く世界の未来像が強固にあったからではないだろうか。石油からエタノールへの交代、それに伴う世界の権力構造の交代、なんてことを実現しつつある渦中にあるなんて思えたら、自信がつくどころではない。舞い上がってしまってもおかしくないではないか。
第三者としてテレビに流れる映像を呆然と眺めているに過ぎないので、いろいろと「そうは言っても」的なネガティブな可能性のことも頭の片隅に浮かびつづけるのだが、それにしても、かなり遠い先の未来までを含む、一つのヴィジョンをもって、国家の政策を作り、それに従ってそれを着々と実施していく、そんな国家の姿を見ていると、幸せに近い気分になってくる。是非ともアフリカの国々でもサトウキビ・エタノール作戦を実施して成功して欲しいものだと思う。
アラブの石油産出国がこのような事態をボーッと眺めているだろうか、と途中で思ったのだが、やはり彼らも近未来の自分達の姿を見ているのだろう。今、ブラジルのサトウキビ・エタノール産業に積極的な投資をし始めているのは、なんとアラブの石油産出国なのだと言う。石油からエタノールは権力を奪おうとしているのに、なぜ、彼らは自分で自分の首を絞めるようなことをするのだろうか。
石油はいつかはなくなるだろう、しかし、彼らの考えは、エタノール混合という使い方をすることによって、石油の寿命を伸ばすということらしいのだ。実際、番組の中でも出ていたが、従来のガソリンとエタノールを混合して走る車がブラジルでも主流のようなのだ。とりあえず、石油の寿命を伸ばす、そしてその間に何かしなくてはならないってとこだろうか。エタノールへの投資という権力延命策っていうのはなかなかおもしろい。どこの国もどうやって生きていくか必死なのだ、と思った。日本は・・・と書き出すと陰々滅々となるので止めよう。なんせ世界は革命中なんですから。
(それにしても「富豪は空を飛ぶ」っていうタイトルはいかがなもんか。ちょっとポイントが違うような気がするが、僕が違うポイントにフォーカスし過ぎていたとも言える。)
* * *
ちゃんと椅子に座って机の上にコンピュータを置いてタイプするという姿勢が取れないことは前に書いたような気がするが、日本にいる間にやけに安いネットブックとやらを一つ買ってそれを膝の上において(まさにラップトップ)ちょろちょろとコンピュータをさわっていた。と言っても、長い文章をこの姿勢で書きつづけるのは不可能で、ネットを徘徊する程度でも結構くたびれる。
たいていの携帯電話より安いと思うのだが、このネットブックは思っていたよりはるかに使える。StarSuiteが無料で入っていたし(MS Officeみたいなもの)、セキュリティ対策は、フリーソフトのAvastとZoneAlarm Firewallをダウンロードして入れたので、追加費用はまったくかかっていないのだけど、なにもかも十分だ。なんなんだ今までの高いコンピュータはと思ってしまう。せいぜいマイクロソフトのワード、エクセル、パワーポイントを使う程度の仕事を前提に考えるなら、今お店で売ってるコンピュータならどれを買っても十分過ぎる以上の性能を持ってるから、そもそもコンピュータの品定めをする意味もほとんどない。酒なら何を飲んでも酔っ払うのだから、どれを飲んでもいっしょだという境地に似てきた。
というわけで、一番よく使ってるラップトップがもう古いし(だから、どうなんだ?)、動きが重くなりすぎて(HDを掃除しろ)、ともかく買い換えようと思っていたのだが、それを思い直して、時間のあるうちにOSをWindows以外のものに、ごっそり入れ替えてみることにした。以前から、というよりも10年ほど前から、ずっと考えていて一度も実行しなかったことにようやく手をつけることになった。
コンピュータを使い始めたのは20年ほど前だが、最初の10年間はずっとMacを使っていた。10年前に職場でWindows、家でMacという二重生活に疲れ果てて、とうとう家でもWindows を使うという生活に堕ちてしまった。その頃、第三のOSを試してみようと考えはじめ、当時はBeOSというものを入れようと考えていた。Windowsや、 Macよりはるかに優れていると聞いたものだが、今、あれは実質的に商業的には屠殺されてしまったらしい。惜しいことをしたものだ。(http://en.wikipedia.org/wiki/BeOSに無残な歴史が載っている)。
去年、Ubuntu というLinux をベースにしたOSがあることを知って、一度試してみたいと思っていた。ネットをいろいろ見てみると、なんとUbuntuには派生OSがいろいろあるではないか。Kubuntu、 Edubuntu、 Xubuntuなどなど。ちょろちょろっと説明を読んだり、見栄えを比べたりして、Kubuntuを入れることにした。
ところで、Ubuntuって変な、ききれない音だが、元はズールー語で意味は 'Humanity to others'、もしくは 'I am what I am because of who we all are'ということだ。これはかなり美しいではないか。これがUbuntuの基本哲学なのだそうだ。フリーでオープンなコミュニティによって維持され発展しいくOSだと。
これを支えているのはCanonical Ltd.,という南アフリカの会社なのだが、Ubuntu自体は無償で配布され続けている。Canonical Ltd.の経営者、Mark Shuttlewortもかなり変わった経歴を持つ、興味深い人物だ。1973年9月に生まれということだから、まだ35歳だ。彼は95年にdigital certificates と Internet security を専門にするThawteという会社を設立し、99年にその会社をVeriSignに売った。インターネットでお買い物をしたことがある人なら、VeriSignのロゴをたいてい何度か見かけたことがあるだろうと思う。VeriSignが、digital certificatesのほとんど標準になっているような気がする。この時に、彼は5億7500万ドル儲けたそうだ。当時のレートでたぶん600億円くらいだろう。そして、2000年にCanonical Ltd.を設立した。それから、社会改革に献身するNGOを作ったりするのだが、2002年にはなんと宇宙旅行までしている。ロシアのソユーズに乗って国際宇宙ステーションまで行ってそこで8日間滞在し、エイズとゲノムに関する実験をしてきたそうだ。旅費は20億円くらいらしい。ただお金を払ったら行けるってわけでもなく、ちゃんと1年間のトレーニングがあったそうだ。
話が逸れてしまったが、BeOSのパーソナル版や、Linuxのように無償で使えるOSが僕のような普通のユーザーにちゃんと使えるものなら、世の中には無料のアプリケーションソフトは腐るほどあるわけだから、コンピュータという機材、モノの部分以外はすべて無料でいいではないか、どうしてわざわざMicrosoftや、Macに高いお金を我々は払い続けているのか、そして世界一のお金持ちを作ることに貢献しているのか、という疑問を持っているのは僕だけじゃないだろうと思う。
僕の仕事しているような国際機関や各国政府の官庁や企業など世界中のほとんどといっていい組織がほぼ一社にOSとアプリケーションソフトのライセンス料を払い続けているというのは異常だと思う。無料の代替物、しかももっと優れいているかもしれないものが存在するというのに。これは役所なら公的な調達の精神からすると本来おかしいはずだ。法技術的にはなんとでもすりぬけられるのは分かっているが、ほっといていいのだろうか。シーザーならほっとかなかったと思う。
富の偏在は情報の偏在に直結しているけれど、それがコンピュータ+インターネットの普及によってものすごい勢いで加速されてきた様子はちょっと恐ろしい感じもする。貧富の格差が社会の不安定要因である、というのが援助の議論によく使われるが、富める国と貧しい国の間での情報量の格差、一国内での情報格差など、情報の圧倒的な偏在が国家間や一国内の不安定要因になっていることは確実だろうと思う。何も根拠にするデータがあるわけではないが、先進国と貧困国の間を頻繁に往復する生活を15年以上続けていると、直感に過ぎないとしても、かなり頑固なものになる。
今の世の中にはとりあえず今日食べるものがあるかどうか分からない人が何億人もいる。世界の人口の約半分(30億人以上)は一日2ドル以下で生活しているそうだ。一年間の生活費が約7万円の人が世界の人口の半分!そして、その一方で金持ち国には一回のボーナスに10億円とか20億円とかもらう人もいるのだから、そりゃ不穏になってもしょうがないと思うのだが。
だからといって、ちょっとやそっとの”援助”で事態が改善されるとはとても思えない。貧困国に自前で富を蓄える力が備わらない限り、根本的には何も変わらないだろう。そのためにはこれ以上情報格差が広がらないように、貧困国の次の世代が知恵をつかって勝負ができるような環境ができないと何も始まらない。道具の一つに過ぎないがコンピュータ及びインターネット環境というのは、貧困国の次の世代が自分の国を貧困のぬかるみからを救いだしていくための最低限の条件ではないだろうか。フリーのOSとかソフトというのは、長〜〜〜い目で見れば、国連よりもはるかに国際社会の平和と安全に貢献するのではないだろうか。
エタノールとKubuntuで革命かあ、いいですねえ。
UNIQLOCK
この時計みたいな、ダンスみたいな、音楽みたいなもの(→)クリックしたら大きくなります。
”MUSIC×DANCE×CLOCKという言語を越えたコミュニケーションを目指す”だと。
飽きずにずっと見てしまった。自分のブログをたまには見てみるという動機付けには良いかも。
明日は最後の手術前検診。
”MUSIC×DANCE×CLOCKという言語を越えたコミュニケーションを目指す”だと。
飽きずにずっと見てしまった。自分のブログをたまには見てみるという動機付けには良いかも。
明日は最後の手術前検診。
Thursday, February 12, 2009
くしょー
苦笑1.
Top Ten Reasons You Know You're Working at an Aid Organization
- According to David Letterman (The Late Show on CBS in the USA)
1. You just had a pre-meeting to discuss your strategy planning session for the new initiative to reduce poverty by increasing access to safe water/credit/food/health care through fair and equitable distribution to those with the right to said good or service through engagement with duty bearers in the government and other stakeholders and civil society organizations.
2. You just repeatedly slammed your head into your keyboard after spending the last 20 minutes trying to get your conference call between Port au Prince, West Bank/Gaza, Delhi, Nairobi and New York to work only to fail miserably.
3. You realize that you can no longer squeeze into your cubicle past that cool hand-woven cloth from Mali, the wooden mask from Congo, the elephant figurine from Thailand and the rug from Afghanistan.
4. You just completed an annual report to your donor explaining that you're very sorry that you only managed to accomplish 2 of your 14 objectives due to sudden onset of war, drought or an invasion of futuristic nano-robots.
5. You just finished explaining to the donor that you are likely to need a two-year extension and an extra $200,000 to hire an independent consulting company to come up with a plan to fight off the nano-robots, carry out said plan and then finish up the original activities.
6. You realize that you just used cheers, karibu, Insh'Allah or namaste in casual conversation despite the fact that you are neither English, Kenyan, Arab or Indian.
7. You realize that your favorite and most frequented cafe is located in Schiphol Airport in Amsterdam.
8. You just finished depressing a volunteer caller from the Red Cross for the 12th time this year who reluctantly agreed that you are not eligible to donate blood because you just got back from .
9. You're pumped with antibiotics more frequently than a cow in a concentrated feeding operation.
10. You tell yourself it's not failure if you turn it into a lessons-learned document.
苦笑2.
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