Sunday, June 18, 2006

味かげん

アメリカはオーストラリアと何か似ているなあと思った。外交政策とかそんな話ではなくて、サッカーのことなんだけど。アメリカに勝てなかったイタリアはさ ぞかしフラストレーションがたまっただろう。今やウェブ上がサッカー談義で埋まっているので、イタリアの敗因(引き分け因だけど、イタリアの主観では負け たようなもんだろう)について、あらたに付け加えるようなことは何もないと思うけど、勝負とか技術とか関係なく、米伊戦を見ている間、だんだん「イマジ ネーションが腐る」という概念が頭の中で大きくなってきた。アメリカ選手の朴訥なサッカー(というのが僕のイメージ)を前にして、イタリア選手はイマジ ネーションが腐ってしまった、というのが僕の印象でした。

僕はワールドカップを実に情緒的に見ている。世界中の人がサッカー専門家なのだからあきらめないといけないのだろうけど、技術とか戦術とか戦略とかうるさく感じてしょうがない。

スカッとしたり、オーッと思わせてくれたりするゲームがあれば、それだけで十分じゃないのかなあ。これまでのゲームで一番かっこよかったのは(全試合見た わけじゃないけど)、アルゼンチンvsコートジボワールだというのは、どうやら世界中で一致する意見らしい。ああいうのを見ると、他のゲームが平安貴族の 蹴鞠のように見えてしまう。

これまた情緒的なのだけど、強いとか弱いとかうまいとかへたとかそういうこととまったく関係なく、好感をもってしまうチームとそうでないチームというのが 出てくるのがまたおもしろい。これまででは、トリニダード・トバゴが一番感じがいいと思った。理由はよく分からないのだけど、一所懸命さがもろに出てい て、それが貧乏臭く感じさせないのが不思議に感じよかった。一所懸命って普通、貧乏臭いでしょ。それもなんでか説明できず、まったく情緒的なんだけど。

オーストラリアは関西大倉とか北陽とか大阪の高校のチームみたいなサッカーだったな。日本代表はどう考えても、もっと洗練された藤枝東とか清水商業とかの 色が主流だから、オーストラリア相手で苦労するのは分かる気がする。オーストラリアやアメリカのようなチームとやる時は、日本代表関西バージョンを作って 対応しないからダメなんだ、なんて訳の分からないコメントをしている人はたぶんこの世に一人もいないだろうな。

日本の負け方は外国で見る日本とか、あるいは外国における日本のイメージとぴったり合っていたのがまた興味深い。あ~日本だなあ、としみじみ思った。サッ カー選手だけ特別に超日本人になれっていったって、そりゃ過酷でしょう。なんの分野でもいいけど、自分の分野で自分は世界でどうなのかって、サッカー選手 の論評に忙しい人は考えないのかな。無様な日本人の代表度では、サッカー選手よりも、あんたの方がずっと高いと思うけどな。

クロアチア戦で関西風味を少し入れて、ブラジル戦では関東だしで行けば、日本は二勝するでしょう。味かげんに失敗するとまずいのはサッカーも料理もおんなじでしょう。

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