Saturday, May 09, 2009

ゴミを運ぶアホ

また引越しの季節がやって来た。
生まれてから今までに何回引越ししたか数えてみたら、ちょうど30回だった。居所は大阪が13ヶ所、東京が3ヶ所、国外が14ヶ所だった。滞在期間が三カ月未満くらいの短いところを入れると、国外はあと5、6ヶ所の追加になるだろう。
生涯平均引越し回数というのはどれくらいなのだろう。ちょっと多いような気がするがいかがなもんか。

コペンハーゲンに引越してきたのは2007年の夏だから、ちょっとペース的には速い。一度も開けていないダンボール箱が僕の部屋にはまだ山積みになっている。移動は7月末か8月初めをターゲットにしているので、この際すべての箱を開けて徹底的に捨てる覚悟でいるのだが、そんな覚悟は過去20年くらいずっとしているので、どうなるか分からない。

冬に帰国している時にゴミの中に住んでいるおばあさんをいびるTV番組を見たが、僕にはあのおばあさんの気持ちがよく分かる。なんでも重要に見えてきて、捨てられないのだ。この傾向は歳をとるにつれ高まってきた。記憶力の急速な減退と関係があるのではないかとふんでいる。単に心理的なことだが、なんでも頭の中にいれておけた頃の余裕がどんどんなくなり、その代わりものを置いておくことで忘却を補っているような気分になっているのではないだろうか。もちろん現実には身の回りをものだらけにすることで事態はさらに悪化する。情報処理がますます困難になっていくだけのことだ。それでもやめられない。やがてゴミの中に住むおじいさんとしてテレビに出る所存だ。

今の家の処理、次の家探し、子供の学校さがし、運送の手配、その他もろもろの手続き、全部が一度に頭に出てこない。2年前に作った表がどこかにあるはずだが、それもなかなか出てこない。実に面倒くさい。世の中にこんな嫌な作業が他にあるだろうか。なのにどうしてこんなに引越しするのか。地球上のある地点から別のある地点へゴミを運ぶ、そしてストレスを思いっきり溜める。アホではないか。

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