Tuesday, November 20, 2007

湯気

また風邪ひいた。コペンハーゲンに来てから、もう三回目。寒いからというよりも、抵抗力の低下のせいのような気がする。全然知らない国に住み始めてばかりだから疲れて当然と考えていたが、最近ひょっとしてここは疲れる国なのだろうかって思うこともある。ずっとこんな調子だと早い目に退散した方がよさそうだ。

気候は陰気だし、街行く人々の表情は険しいし、仕事はどこもかしこも糞詰まりのようだし、これでいいのかと思っていたら、最近はオフィスの人たちもだんだん打ち解けてきて、以前は聞かなかったような仕事のグチをちょこちょこと聞くようになってきた。

みんなそれぞれに異なる仕事をしてるのだけど、それぞれの分野でストレスがたまっている。一人がポロッと一言いうと、一気に洪水のように他の人から文句が出てくる。僕がどうにかできる問題は一つもない。みんな仕事をさぼってるわけではないが、常に外を向いて、つまり他の仕事を探しながら今を耐え忍んでいるように見える。これは組織としてはかなり悪い感じではないだろうか。Google のオフィスではこんなことはないだろう。やはりカッコウだけまねしてもダメなのだ。中味がないと。

みんなが楽しいと思ってやってくる職場じゃないと、個々の知恵もわいてこないし、能力も最大限発揮されないし、仕事の効率も低下するだろう。職員を不幸にすると、結局損するのは組織なのだ。最初は楽しそうに出勤してくる新人の顔が最初の1週間は期待と戸惑いに満ち、2週間経つと曇り始め、1ヶ月経つと静かに諦めの境地に達する。自分がリーダーのオフィスだったら、絶対にこんなふうにはしたくないと思うが、流れ作業で進む工場のある一過程をこなす工員のような分際では、そんなこと考えるだけで不遜なのだろう。

フィールドでの切った張ったの仕事、怒鳴りあいをしながらも和気あいあいと付き合い続けなければいけない生活、最後にはみんなの仕事がなんとか目標の一点に収斂していかないといけない仕事環境。そういうのが懐かしい。

今かろうじて力が沸いてくる仕事は、フィールドにいるチームをいかにサポートするかってことくらいだ。いいチーム、弱ってるチーム、いろいろあるけど、彼らが幸せに仕事できるように持って行けば、アウトプットはかなり期待できると思ってる。それが楽しみだ。僕は現地で参加できないが、自分のチームという所属感も少しある。

そういうpositive なvive が僕にあれば、この工場もどきオフィスにも何か貢献できるかもしれないけど、一日中むかついて頭から湯気が出ているので、それも無理だな。

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