Tuesday, November 13, 2007

挙動不審

12NOV07 0625 0755 KL1124 COPENHAGEN - AMSTERDAM

11月12日月曜日の朝3時半に目覚ましを合わせて、4時半にタクシーを予約した。といっても、結局寝なかったので、あまり意味はなかった。外は真っ暗。恐ろしく寒く感じる。眠いし、身体も重い。まったく行く気にならない。これが今年最後の出張になるはずだと言いきかせて外に出た。

コペンハーゲン空港は昔の国鉄の田舎の駅のようなイメージ。こじんまりしている。もっともインテリアーデザインはとてもスタイリッシュだけど。ウッドフロアの空港はここ以外で見たことがない。

アムステルダム空港で寿司を食べようと思ったが、あいにく準備中だった。日本とアンマンの間をよく往復していた2003年、この空港の寿司カウンターにはよく来た。特別おいしいわけでもなんでもないが、ファストフードばかり食べているよりはましかもしれない。

睡眠薬をもってくるのを忘れたので、空港内で薬局を探したら、化粧品売り場の中にほんの少しだけ薬らしきものがあった。ヒースローやガトウィックには本格的な薬局があるのに、アムステルダムにないというのはちょっと不思議だ。

店員にきいて二種類の睡眠薬を買ったが、あとで分かったことだけど全然効かない。なんなんだろう、この薬は。こんどオフィスでオランダ人のスタッフに訊いてみよう。


12NOV07 1020 2010 KL 565 AMSTERDAM - NAIROBI

通路をはさんで隣に座っている人がそわそわとして落ちつかない人だった。特になんか変なことをするわけではないが、挙動不審という印象を与える人だ。

明日のミーティングに必要なデータが整理できてないので、飛行機の中ではずっとある国のプロジェクトの財務諸表を見てメモをつくっていた。見れば見るほどエラーを発見してしまう。怒りがこみ上げてきて、そして落胆して、また怒り、そしてまた失望ということを数字が並ぶだけの無味乾燥な紙を見ながら繰り返していた。どこから手をつければいいのか、もう手のつけようがないのか。監査を頼むべきだと考え始めた。

ナイロビに近づいて何かアナウンスをしているがよく聞こえない。ヴィザがどうのこうのと行っているから、入国の案内をしているのだろう。

挙動不審オトコが急に動き出した。パーサーをつかまえて今のアナウンスが聞こえなかった、何を言ってたのだと追求している。どうやらヴィザを持ってなくて、ナイロビで到着してからヴィザを取る予定で、それが落ちつかない原因のようだった。

それは僕も同じだった。国連旅券(UNLP)の場合はナイロビではヴィザは必要ないけど、日本のパスポートだとヴィザがいる。僕のUNLPは今書き換えのためにニューヨークにいったままなので、今回は日本のパスポートしか持っていない。そしてヴィザもない。申請する時間がなかったというのが言い訳だ。

ナイロビに到着したらなんとかしないといけないので、それはちょっと心の重荷のようになっていたが、最悪のケースを考えても、入国できず送還されるだけのことなので、もうどうでもよかった。仕事的には大打撃だけど、それがいったいどうしたっていうのだろう。人が死ぬわけでもあるまいし、心配するだけバカバカしいと思って、飛行機に乗った以上考えないことにしていたのだった。コペンハーゲンを出国する時にケニアのヴィザは?と訊かれたが、「必要ない」と答えて出てきた。

挙動不審オトコはパーサーに黄色い紙をもらって記入を始めた。それは何?って訊くとヴィザ申請用紙と言うので、僕もパーサーに一枚もらって記入することにした。

ケニア空港に着いてヴィザ申請用紙を入国審査官に渡すと、彼はその紙をほとんと見もせず、うしろの方にほり投げて一言「50ドル」と言うだけだった。50 ドル払うとスタンプをバーンと音がするほど強く押して、終わりだった。ウェブサイトには申請してから数週間かかると書いてあったが、申請する意味があるのだろうかと思ってしまう。

空港の外に出るとマリーにばったり会った。彼女はNYから一日早くきて会議の準備をしていたのだ。まさか僕を向えに空港に来るわけはない。何してんの?って聞くとロズウィータを向えに来たとのことだった。ロズウィータはNYから来る大ボスなのだ。僕はマリーを残してHoliday Inn に向った。40人ほどがそこで三日間缶詰になるのだ。

チェックインして部屋で書類の整理をしているとマリーから電話がかかってきた。今からロズウィータやコンゴから来たタニヤとプールサイドのバーに行くので来ないかという誘いだった。僕はもう眠さの極地だったし、まだ明日の準備も終わってないし、行かないといって断った。後で大ボスの誘いを断ったってことに気がついてまずいなと思ったが、もう遅い。これで誰かが死ぬわけじゃないし・・・

アムステルダムで買った睡眠薬は効かず、結局朝5時くらいまでもだえ続けて2時間ほど眠って、プールサイドのレストランに朝ごはんを食べに行くと、ロズウィータがいた。彼女は陽気にアハハハと笑って、やっと会えたわねと言った。昨夜行かなかったことはやはりまずかったようだ。

No comments: