Tuesday, November 06, 2007

ちょちょ切れる

数日前、外科医の友人が自分で書いた小説を送ってきてくれた。さっそく読んでみたが、おもしろいストーリーだった。"Reluctant Fundamentalist" (Mohsin Hamid) を読んで以来、もう日本では小説は書けないだろうと思っていたが、こういうパターンがあるかとちょっと感心した。なんのことか全然分からないだろうな。興味のある人は"Reluctant Fundamentalist" (Mohsin Hamid) をグーグルしてみてください。それでもっと興味がでれば読んでみてください。

なんて書けば、面倒くさい話に見えるかもしれないが、日本のテレビドラマに使えそうな気もするようなストーリーだった。もっとも日本のテレビドラマをほとんど知らない僕がそんなこと言っても、全然あてにならないと思う。僕にとっては日本の雰囲気を思い出す懐かしい気分にさせてくれる話だったという方が正確かもしれない。

小説の中に僕をモデルにしたという登場人物も出てくるのだが、ずっと若い頃の僕がモデルになっているのが分かる。今の僕とは相当イメージが違う、と僕は思った。作者の彼と頻繁にあっていたのはかなり前のことなので、そういうズレはしょうがない。

読んだ後に知ったのだが、小説の中に登場する女子大生のモデルは彼の娘さんだった。この小説を彼は娘さんの誕生日にプレゼントするそうだ。こうやって書いてみると、カッコよすぎて涙ちょちょ切れる話だな。

映画かテレビのシナリオのように構成されていたが、Rewrite してみたい気にさせるストーリーだった。そんな時間はいつかできるのだろうか、とナイロビとコペンハーゲンを繋いでソマリアのこんがらがったケースの解決策を探るために始めたが、肝心の担当者がキンシャサに行ってしまったことが発覚してまったくにっちもさっちもいかない話で途方にくれる電話会議と、音が割れてほとんど聞き取れないが和気あいあいと談笑する声だけがNYから聞こえてくる電話会議と、議長が何度修正しても横道にそれてしまうNYとコペンハーゲンのビデオ会議の合間に吐き気をもよおしながら、ふと思った。

こんなことしているくらいなら、小説を書く方が世のためになるのではないだろうか、と思いながら、i-Pod でBlue Grey を聞いて、雹の叩きつける暗く寒い波止場を歩いてサンドウィッチ屋に着くと、W とF がいた。顔をあわせて、なぜか三人で爆笑した。

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