Thursday, January 17, 2008

エコノミック・ヒットマン(2)

下のは3分の1くらい読んだだけで書いたのだけど、今日全部読み終わってみると、なんとこれは映画のような話だ。サウジアラビアの発展過程、米軍のパナマ侵攻、ノリエガ逮捕、イランの革命、チャべスの米対決姿勢、イラク戦争、その他なんでもありかという内容。

思わず苦笑するような記述もよく出てくる。
現代の奴隷商人は、わざわざアフリカのジャングルに分け入って、チャールストンやカルタゲナやハバナのせり売り台で高値で売れそうな最高の「売り物」を探す必要はない。単に悲惨な状況にある人々を雇い、工場を建設し、ジャケットやブルージーンズ、テニスシューズ、自動車やコンピュータの部品など、彼らが選んだ市場で売れる何千という商品をつくらせればいいだけだ・・・・
 彼らは自分たちは正しいと思っている。珍しい場所や古代遺跡の写真を家に持ち帰り、子どもたちに見せる。セミナーに参加して、互いに肩をたたきあっては、遠い異国の風変わりな習慣に対処するための、ちょっとしたアドバイスを交換しあう。・・・
」(”現代の援助”業の人をかつての奴隷商人に例えている)。

大多数は単にビジネスやエンジニアリングの世界やロースクールで教わった仕事をこなしていただけだし、何が成功で何が失敗なのか、システムのあり方を身をもって示す私のような上司の指示に従っていただけだった。そして、彼らは自分が悪事の片棒を担いでいるなどとは思わなかったし、楽観的な見方をする者は、貧しい国々を助けているとさえ思っていた。

グラウンド・ゼロに行って、そこで出会ったアフガン人と話をする場面なんかは、そのまま映画になりそうだった。

全般にやや懺悔っぽいのが気になるかもしれないが(そのために書いたようなのでしょうがない)、まちがいなくおもしろい。

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