Friday, May 13, 2005

静かなオフィス

午前10時に始まったミーティングは午後1時前に終わった。出席者5人のうち3人はすぐにミーティングルームを出たが、僕はまた別件で続けて所長と二人でミーティング。二人とも、直前の3時間のミーティングでもうかなりうんざりしているので、さっさと終えようという気分がはっきりとしている。

まず、別件の書類を一読して、僕がコメントを箇条書きふうに言う。所長がそれをメモする。次に所長が彼のコメントを箇条書きふうに言う。それを僕がメモする。それぞれ確認して、次のアクションを決める。それで終わり。それでも20分ほどかかった。でも、これ(別件Xとしておこう)は、長引きそうだ。アクションの一つが他機関とのミーティングなので、その時間が決まるまで、僕は部屋に戻って仕事することにした。

自分の部屋に戻って、昨日作ったおにぎりを食べながら、メールをチェックして、昨夜書いたメールを発信した。今日のオフィスはとても静かだ。午前中ミーティングに出ていた3人はゲストハウスに戻ったようだ。所長と僕以外、誰もいない。

ふと時計を見ると、5時を回っている。今日中に例のミーティングは設定できなかったのだろうか、と思っていると、所長が部屋に入ってきて、僕の机の上のチョコレート・チャンク・ヘーゼルナッツ・ビスケットを一枚さっと口に入れて、なんかもごもご言っている。何かに怒っているらしいが、はっきりしない。彼は、ビスケットが口に入ってなくても、何訛りか知らないが、とても分かりにくい英語を喋るカナダ人だから、さらに分かりにくい。

もごもご、ぐしゃぐしゃと言いながら、手招きで自分の部屋に来いというので、行ったら、一本のメールを見せられた。それはものすごく緊急に処理しなければいけない件についてのある人からの返答だったのだが、一読しても何を言いたいのかさっぱり分からない。僕はPCの前に立って読んでいたのだが、とにかく座ってゆっくり読めと所長が言うので、もう一度読んだが、だんだん腹が立ってきた。

「コイツハ何モ分カッテナイ・・・」という言葉しか思い浮かばない。完全に事態を把握しそこなってトンチンカンな提案をしている。まったく、アホか、というかうんざりする。もうなんど緊急だといってきたことか。メールも何本も行ってるし、何度も電話でも話をしている。にもかかわらず、分かってない。そして、この人間が適切なアクションを起こさないとどうにもならないというのに。所長の怒りもごもっとも。

所長が書いた返信のドラフトも読んだが、すでに何度も何度も説明して合意したはずのことをもう一度丁寧に説明している。この返信をどう思う?と所長は訊くが、This is what we understand. としか言いようがない。しかし、ほんとどうすればいいんだろう。どこかにバカにつける薬を売ってないだろうか。僕も所長もしばらく考えあぐねてボーっと沈黙していた。

ともかく、所長はそのメールを送って、僕は別ルートで同じことを試みることにして、僕は部屋に戻った。

部屋に戻ると、どっとメールが増えていた。5時を過ぎるとNYが朝になるので、こっちから送ったメールの返信がNYから入り始めるのだ。どこかで切らないといつ家に帰れるか分からない。暗くなる前に帰ろうと思っていたが、もう暗くなってきた。

あれっ?僕の部屋の窓から駐車場が見えるのだけど、所長の車がない。一人になったのか。もう帰ろ、帰ろ。

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