Friday, April 08, 2005

ライブドア

カブールではとんと忘れていた話題だが、ライブドアの堀江とかいう人をやっぱり「世間」は目の仇のように扱っているように見えてしかたない。球団の時もそうだったけど、今度のメディア買収(?)に関しても、ニッポン放送の社員がぞくそく辞めるだろうとか、フジテレビの買収がいったん挫折して社員が大喜びしたとか、そんな記事が出てるけど、ほんとにそうだとしたら、やっぱりそういう会社はもうどこかに買収されてしまって、なくなってもいいんじゃないだろうか。

ニッポン放送とフジテレビが消滅したところで、日本のメディアにとって、いったいどのような損失があるだろうかって考えても、何も思い浮かんでこない。それなら、ライブドアみたいな会社がかき回しにくるというのは、何もかも一新する良い機会だと思うのだが、そんなふうに思う人は社内にはいないのだろうか。

堀江貴文という人の言ってることは極めてまともというか、普通のことにしか僕には聞こえない。それに比べると、防戦側に立って登場する人たちが言ってることはどうも醜く聞こえる。内容というより、単なる印象の問題なんだろうが、そうだとすると、世間的にはこういう印象は共有されているのだろうか。やはりまったく反対に堀江ってヤロウはとんでもないってのが世間での評価なんだろうか。

バンコクからの帰りに読み始めたRichard Clarke, Against All Enemies のペーパーバック用序文の中に、9/11の二の舞を繰り返さないためには、新しい情報機関を次々作るんじゃなくて、今あるCIAとFBIを改造しなければいけないという主張が出てくるんだけど、そこで、Richard Clark は、CIAとFBIのことをこんなふうに言っている。

"They cannot continue to be dominated by careerists who have carefully managed their promotions and ensured their retirement benefits by avoiding risk and innovation for decades. The agencies need regular infusions throughout their supervisory ranks of managers and thinkers from other, more creative organizational cultures."

昇進と年金のことしか考えず、まったくリスクも改革もどうでもいいようなやからはどこにでもいるようだが、こういうのを読むとすぐに僕の場合は、自分の職場を思い出し、どこでも同じかとため息が出てしまうのだが、フジテレビの場合は、単に、"other, more creative organizational cultures"を自社に吹き込む良いチャンスをみすみす無駄にしているとしか思えない。

堀江さんの言動によってあぶりだされてるのは、日本の社会は急速に変わりつつあるなんて言う人は多いけど、実際のところは、Richard Clark がCIAとFBIに関して描写しているような状態からまだ一歩も出ていないってことなんだろう。
なんて書くと、CIAとFBIとフジテレビがいっしょ!なんて喜ぶアホがいそうで、またこわい。

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