Wednesday, April 27, 2005

Heart Of Gold

今回日本からカブールに戻ってくる時、家を出る直前に、選ぶ間もなく、ガバッと何枚かのCDをつかんでバッグにほりこんで持ってきた。その中の一枚にニール・ヤングの「ハーヴェスト」 が入っていた。

何気に持ってきたCDを順番にかけながら、オフィスで仕事をしていたら、突然胸が痛くなってきた。狭心症とか心臓発作とかそういうものではなくて、強烈な郷愁みたいなものに襲われて、タイプする指が止まってしまった。

何十年も忘れていた、ある瞬間の情景がそのままくっきりとクリアに頭の中に浮かんできた。不思議だ。僕は確かに、「あの時、あの部屋で、これを聞いていた」ということをはっきりと思い出したのだ。なんなんだ、これは。

僕は高校1年生だった。その時、僕はある作家の家にいた。その作家には娘と息子がいた。その息子の部屋には僕と僕がつきあっていたかもしれない他校の女子高生がいた(その女の子と僕とのその時の関係だけがどうしても思い出せない)。

その息子はニール・ヤングの解説をしながら、その部屋で「ハーヴェスト」をかけていたのだった。やがて、高校生なら誰にでもあるような、正義とか公正とか真理とか善とか美とかそんなことに関わるちょっとした「事件」があり、僕はその息子に憎悪を持つようになった。

どう考えても、そこには教訓も意義も何もないと思う。しかし、そのすべてが圧倒的な、「あういう頃があった」という炸裂的な思いになって襲ってきた。そして、胸がギューっと収縮してしまったような体感になって現れてきた。

僕はその頃、ニール・ヤングが何を唄っていたのか何にも分かっていなかった。
今は一発目の I wanna live という出だしで、えっ?そういうことを言っていたの?と、聞き入ってしまった。a heart of gold を探して求めていた?そして、そんなことしてる間に歳をとってしまった?

突然思い出した30年も前の一瞬の情景と、この詩の取り合わせは痛い。


"Heart Of Gold" by NEIL YOUNG

I want to live,
I want to give
I've been a miner
for a heart of gold.
It's these expressions
I never give
That keep me searching
for a heart of gold
And I'm getting old.
Keeps me searching
for a heart of gold
And I'm getting old.

I've been to Hollywood
I've been to Redwood
I crossed the ocean
for a heart of gold
I've been in my mind,
it's such a fine line
That keeps me searching
for a heart of gold
And I'm getting old.
Keeps me searching
for a heart of gold
And I'm getting old.

Keep me searching
for a heart of gold
You keep me searching
for a heart of gold
And I'm getting old.
I've been a miner
for a heart of gold.

[ www.azlyrics.com ] より。

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