Wednesday, January 11, 2006

天才たち

血液検査の数値にまったく改善が見られないのは、不摂生が第一の理由であることは間違いないが(つまりデブ過ぎ)、不摂生がなんともならないからこそ、薬の飲み忘れをなんとかしないといかん。が、非常によく飲み忘れる。

さかもと先生はとても心配してくれるのだが、お医者さんがこれ(↓)を見ていたら、どれくらいいかんことになっているのか解釈して欲しいものだ。

7月5日→12月26日
GOT:36→35
GPT:67→56
γ-GTP:182→199
コリンエステラーゼ:415→467
CPK:63→71
総コレステロール:236→249
中性脂肪:171→373
HDLコレステロール:42→44
HDL率:17.6→17.7
動脈硬化指数:4.7→4.7
尿素窒素:13→15
クレアチニン:1.2→1.2
尿酸:10.2→12.5
血糖:110→87
血清総蛋白:7.5→7.5
白血球数:68→80
赤血球数:532→531
ヘモグロビン:16.1→16.4
ヘマトクリット:48.3→48.9
MCV:91→92
MCH:30.3→30.9
MCHC:33.3→33.5
血小板数:21.2→22.3

今日、『博士の愛した数式』(小川洋子)を読んで、80分しか記憶が継続しない博士がからだ中にメモを貼り付けているのは良いアイデアだと思った。からだ 中に薬を貼り付けようと思ったわけではない。頭で覚えられないなら、視覚化すればいいのだと気づいたのだ。一回分ずつ小袋に分類しておいたところでそれが 視野に入らないかぎり、忘れるものは忘れる。

僕は薬をベッドルームのテーブルの上に並べることにした。一日分を一塊にして、7日分を横一列にする。一週間が終わると上の列に移動する。こうすれば、 ヴィジュアルに減少具合が分かるので、飲んでいない時は気がつくだろうという魂胆だ。6列並べたので、予定通りなら次回休暇に出る頃には全列が消滅してい ることになる。ちゃんと整列して出動を待つ薬を見ると、なんか非常にいとおしい気持ちになってくる。
『博士の愛した数式』はとても素敵な小説だ。幸せな読後感を味わえる。日本にいる時に映画の宣伝を見たので見に行きたかったのだが行けなかった。本も読ん でみようと思っていたので買っておいてよかった。いつまでも浸っていたい世界が作品の中にできている。現実とは違うところへ読者を連れて行ってくれる。そ ういう意味ではとてもよいエンターテイメントだと思う。カテゴリーなんてどうでもいいのだが。

夜、『不滅の恋 ベートーヴェン』をDVDで見た。これはずっと前に赤坂見附のバー「タンテ」のリューちゃんが貸してくれたものだと思う。日本の自分の部屋の本棚にあったのを発見したのだが見た記憶がないのでカブールまでもってきたのだ。

かなり好きな俳優、ゲイリー・オールドマンがベートーヴェン役で出ている。ベートーヴェンのことも、クラシック音楽のことも、ほぼ完全に無知な僕にとっては、知らないことばかりで、とてもおもしろい映画だった。

ベートーヴェンの「悲愴」は、クラプトンの「レイラ」や椎名林檎の「罪と罰」が好きで~す、というのと同じレベルで好きなのだが、映画を見ていて、ベー トーヴェンというのは、ポピュラー音楽の元祖みたいな人なのだなと思った。堅苦しいこと考えずに、自分が経験した感情の流れを音楽にするというようなこと 言っていた。それってまるでポップスではないか。それに映画全体にポップな雰囲気があった。

僕にとって、ゲイリー・オールドマンと言えば、もう『レオン』しかないので、彼にベートーヴェンなんてできるのだろうかと思ったが、実にうまくはまってい た。自分でピアノを弾くのだから、またすごいではないか。『バットマン-ビギンズ』でも役に成りきっていたし、プロフェッショナルなんだなあ。

なぜか、この映画には僕の趣味路線の人がかたまって出ている。趣味といえば、ゲイリー・オールドマンが筆頭なのだが、『ブルー・ベルベット』とか『ワイル ド・アット・ハート』に出ていたイザベラ・ロッセリーニとか、『リーヴィング・ラスベガス』とか『フォー・ルームズ』に出ていたヴァレリア・ゴリノは出て いた映画も好きだし、美形であり、かつ実はかなり悪いことしてそうな感じが好きなのだ。

監督のバーナード・ローズという人はまったく知らないが、DVDのおまけを読むと、なんとFrankie Goes To Hollywood の「Relax」とかUB40の「Red Red Wine」のミュージック・ビデオでキャリアをスタートさせたとあるではないか。そりゃポップに仕上がるでしょうと納得した。この人は、人類史上最初の ポップスターとしてベートーヴェンを映画にしたかったのではないだろうか。かんぐり過ぎ?それにしても、Frankie Goes To Hollywood と、UB40 というのがいいですねえ。

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