Sunday, January 15, 2006

ベラカブール

朝、カーテンをあけて外を見ると、真っ白になっている。
かなり遅れてオフィスに着くと、発電機が故障して停電。復旧の見通しがないということで、今日は休みになった。ソンナコトデイイノカ?!

ほとんどのスタッフは家に帰ったが、僕は PX に買い物に行くことにした。バラモンとセングプタの二人のインド人もついて来ると言う。街は真っ白だが、車の通る道路は雪がとけてぐちゃぐちゃになっている。これが凍ると明日はさらに悲惨なことになりそうだ。

のろのろ走るので、PX の近くのUNAMA のオフィスまで30分くらいかかった。買い物をする前に、まず、そこのカフェに入ることにしたのだ。僕はダブルエスプレッソを頼んだ。バラモンとセングプ タは・・・結局コーヒーだと思うのだが、最終的に何を頼んだのか分からない。注文なんて、たった一言ですむと思うのだがセングプタは注文をするカウンター で延々と何か喋っている。どんなささいな話でも言葉が多過ぎる。面倒くさいので彼をおいて僕は一人でピザを注文するカウンターの方へ行ったので何に決定し たのか分からなかった。

ピザのカウンターでもまたインド人二人は延々と議論を始める。彼らの話を聞いていると何も決まらない。ピザ職人は露骨にイライラした顔をする。で、僕はウ パニシャッド哲学におけるピザの位置づけを激論しているインド人二人に生返事を繰り返しながら、勝手に決めて注文した。一枚はアーティチョーク、もう一枚 はプロシュート&フンギ。注文してしまうと、インド人二人には特に異論もないらしいのが不思議なところだ。どうやらピザについてあまり分かっていない。そ れにしても、知らないことでも延々とまくしたてることができるというのは一つの才能だと思う。インド人の頭の中には言葉がみっちり詰まっているにちがいな い。

PX に行くと、バラモンがワインを買いたいのでどのワインがベストか教えてくれという。ベストなんて人それぞれ違うよと言っても納得しない。一番安いのから順 番に飲んで、その感想をメモにつけて研究すればいいと言ったが納得しない。年代の古いフランス・ワインがいいと頑なに信じてるので、そうとは限らないと 言っても納得しない。「じゃあ、そうすれば」と言えばワインの並ぶカウンターの前でぐずぐずしている。

バラモンを打ち捨てて自分の買い物をしてワインのところに戻ってくると、まだバラモンはそこでボトルをにらんで立っている。15分は経っていたはずだ。ボ トルを一本握って、これはフランス・ワインかと訊く。「南アフリカだ、ちゃんと見ろよ、書いてあるんだから」と言うと不服そうにそのボトルを棚に戻し、ま た別のワインをにらんでいる。ざっと見ても、フランスのは少なく、たぶん二種類しかなかった。あとは、イタリア、チリ、南アフリカ、カリフォルニアだった と思う。

フランス・ワインを一本つかんで「これフランス製、15ドルするけど、これにする?5ドルのはイタリアのしかないんだって。どうする?えっ?15ドル。フ ランス製。どうよ?どうすんの?!」と言うと、やっと決断したらしく、15ドルのボトルを握り締めて、彼はレジに向かってとぼとぼと歩き始めた。たぶん ヴィシュヌ神とワインの関係について考察していたのだと思う。大切なことだ。

今日もジムに行った。2.49キロ歩いて終了。
晩飯はカリフラワーとエビのカレーを作った。食べ終わった頃に、ミゲナが自分で焼いたケーキを持ってやって来た。23日の某合同国連プロジェクト会議でや るプレゼンテーションの用意が暗礁に乗り上げているのでどうしたものかと言う話をしにきた。最終的にはなんとでもなるだろう、とは言わなかったけど、それ よりもカブール空港のプロジェクト・レポートが遅れているという話の方が心配になる。締め切りは去年だったはずだ。

プロジェクトの実質的な進捗状況は現場監督のサバにしか分からないので、彼がレポートの下書きをして、それを受け取ったミゲナがプロジェクト・ドキュメン トと照らし合わせて矛盾がないかチェックし、最後にアメリカ人のデニスが英語の化粧をするという手順なのだが、ミゲナとデニスにサバの書いていることがよ く分からないらしい。そして、二人の質問をサバがちゃんと理解できないという。ちゃんと仕事ができる三人がセットになるという稀なケースだと思ったら、と んでもないところに障害が発生したもんだ。三人に英語の問題はないので、専門知のギャップの問題なのだ。土建屋サバが土建用語を連発したら、誰にも分から ないし、ミゲナがプロジェクト・マネジメントの専門語を連発してもまた誰も分からなくなる。ジャーナリストのデニスも意味が分からない限り、カッコイイ英 語に仕上げるのは無理だ。明日サバの下書きを見てみよう。

なんかのどが痛い。カブールに帰ってきていきなりか?病弱?不安がよぎる。

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